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26 さぁ、舞台は整いました
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「ロマロフ侯爵様ご夫妻とデヴィッド様がお越しです」
応接室にいる私達に、メイドが報告してきた。
「こちらにお通しして。」
「承知致しました。」
私が答えると案内のために下がる。
「ロマロフ侯爵達も呼んだのか?アリーチェ勝手が過ぎるぞ!何を考えている⁈」
「お父様、王女殿下の御前です。失礼ですよ。」
「っ!申し訳ございません。」
「よろしくてよ。私こそ御免なさいね?勝手にお邪魔して?」
扇を開いて優雅に微笑む。
最大限の嫌味だ。
「とっ、とんでもございません!お越し頂き光栄に存じます。」
額の汗を拭きながら否定する。
失言したという自覚はあるのね。
父の慌てふためく姿が心地いい。
こう言うのを「ざまぁみろ」って言うのね。
レティシア様、最高です♪
クスクス笑っていると、父には睨まれ、リディアム様は笑ってた。
祝宴の後、レティシア様とリディアム様に邸まで送って頂いた。
そのままお帰り頂くわけにはいかずお茶にお誘いした。
と言う流れで、今お二人にはこの応接室でお茶を飲んでいただいている。
実際はこの後やって来るロマロフ家の人達との話し合いを援護して下さるためだ。
さらに言えば、その話し合いの後にそのまま家を出る為だ。
実は今もこっそりと私の荷物を運び出して、裏口の搬出路に停められたレティシア様の用意して下さった馬車に積んでもらっているの。
以前、私の私物を分け与えたメイド達にお願いして。
もちろん、コッソリまたお小遣いを握らせてるわよ?
皆んな大喜びよ。
さぁ、これがこの人達との最後の対話だわ。
少しくらい話が通じると良いけれど。
まぁ、どうでも良いかな。
二度と会う気もないのだし、言いたい事を言わせて貰おう。
後悔などしないように。
「ロマロフ侯爵家の方々がお見えです。」
ノックと共に、執事が3人を連れて応接室に入って来る。
執事が身を引くと、ロマロフ侯爵家の方々が現れた。
私は席から立ち上がり、カーテシーで出迎える。
「侯爵様、奥方様、デヴィッド様、わざわざお運び頂きありがとうございます。」
「うむ。何やら話があるのだったな。」
侯爵が鷹揚に返事をする。
あくまでも下の者に寛容を示すように。
「申し訳ございません、閣下、アリーチェがどうしてもお話ししたい事があるとかで。」
そして遜る父。
慌てて椅子から立ち上がり、揉み手でもしそうな勢いね。
侯爵はそれには返答もせず、少し顎を引いて答える。
本当に何故そこまで遜る必要があるのか。
やっぱり弱みがあるからかしら?
まぁ、もう私には関係などないけれど。
さっさと始めましょう。
「どうぞお座り下さい。そして、改めてご紹介させて頂きますわね、こちらラジアン王国の第二王女レティシア様とリンドバーグ公爵令息のリディアム様ですわ。これからさせて頂くお話しにも関係して参りますので、ご同席頂きましたの。」
「は⁈何をっ、、、。」
「レティシアですわ。アリーチェとはとても仲良くしてますの。ですから す こ お し 手助けしたいと思ってますのよ。」
「リンドバーグ公爵家のリディアムです。レティシア殿下と同意見ですね。同席させて頂くのでよろしく。」
慌てて口を挟もうとした父を遮って、レティシア様とリディアム様が有無を言わせず締め括る。
国力が数段上の大国であるラジアンの姫様と公爵令息ですもの。
誰も文句なんて言えないわ。
「ラジアン王国の⁈しょ、承知致しました。ロマロフ侯爵家当主ギリアムと申します。こちらは妻のレベッカと息子のデヴィッドです。デヴィッドはアリーチェ嬢と婚約しております。どうぞ今後ともよろしくお願い致します。」
今度はレティシア様が扇越しに僅かに顎を引いて了承の合図とされた。
リディアム様は微動だにしない。
よろしくする気は無いという意思表示かしら?
またレティシア様に怒られちゃうわよ?
俯いて頬が緩みそうになるのを誤魔化した。
お二人とも、初見からロマロフ侯爵が気に入らないご様子ね。
仕方ないわよね?デヴィッドの親というだけでも印象は良く無いのだもの。
もちろん私もこれっぽっちも親愛の情など持てないけれど。
では、ちゃちゃっと終わらせてこの家を出て行きましょうか。
さっきのメイドが、荷物を馬車に積み終えたと合図もくれた事だしね。
「さぁ、皆さまお座り下さいませ。ラルフ、お茶の準備をお願いね。」
控えていた執事に声をかける。
レティシア様達や私達に出されていたお茶も全て新しい物に変えてもらった。
「まずは皆様、お忙しい中お時間を頂き有難うございます。」
スっと顔を上げて一人一人の目を見て話を始めた。
揺るがない自分を見せ付けるように。
応接室にいる私達に、メイドが報告してきた。
「こちらにお通しして。」
「承知致しました。」
私が答えると案内のために下がる。
「ロマロフ侯爵達も呼んだのか?アリーチェ勝手が過ぎるぞ!何を考えている⁈」
「お父様、王女殿下の御前です。失礼ですよ。」
「っ!申し訳ございません。」
「よろしくてよ。私こそ御免なさいね?勝手にお邪魔して?」
扇を開いて優雅に微笑む。
最大限の嫌味だ。
「とっ、とんでもございません!お越し頂き光栄に存じます。」
額の汗を拭きながら否定する。
失言したという自覚はあるのね。
父の慌てふためく姿が心地いい。
こう言うのを「ざまぁみろ」って言うのね。
レティシア様、最高です♪
クスクス笑っていると、父には睨まれ、リディアム様は笑ってた。
祝宴の後、レティシア様とリディアム様に邸まで送って頂いた。
そのままお帰り頂くわけにはいかずお茶にお誘いした。
と言う流れで、今お二人にはこの応接室でお茶を飲んでいただいている。
実際はこの後やって来るロマロフ家の人達との話し合いを援護して下さるためだ。
さらに言えば、その話し合いの後にそのまま家を出る為だ。
実は今もこっそりと私の荷物を運び出して、裏口の搬出路に停められたレティシア様の用意して下さった馬車に積んでもらっているの。
以前、私の私物を分け与えたメイド達にお願いして。
もちろん、コッソリまたお小遣いを握らせてるわよ?
皆んな大喜びよ。
さぁ、これがこの人達との最後の対話だわ。
少しくらい話が通じると良いけれど。
まぁ、どうでも良いかな。
二度と会う気もないのだし、言いたい事を言わせて貰おう。
後悔などしないように。
「ロマロフ侯爵家の方々がお見えです。」
ノックと共に、執事が3人を連れて応接室に入って来る。
執事が身を引くと、ロマロフ侯爵家の方々が現れた。
私は席から立ち上がり、カーテシーで出迎える。
「侯爵様、奥方様、デヴィッド様、わざわざお運び頂きありがとうございます。」
「うむ。何やら話があるのだったな。」
侯爵が鷹揚に返事をする。
あくまでも下の者に寛容を示すように。
「申し訳ございません、閣下、アリーチェがどうしてもお話ししたい事があるとかで。」
そして遜る父。
慌てて椅子から立ち上がり、揉み手でもしそうな勢いね。
侯爵はそれには返答もせず、少し顎を引いて答える。
本当に何故そこまで遜る必要があるのか。
やっぱり弱みがあるからかしら?
まぁ、もう私には関係などないけれど。
さっさと始めましょう。
「どうぞお座り下さい。そして、改めてご紹介させて頂きますわね、こちらラジアン王国の第二王女レティシア様とリンドバーグ公爵令息のリディアム様ですわ。これからさせて頂くお話しにも関係して参りますので、ご同席頂きましたの。」
「は⁈何をっ、、、。」
「レティシアですわ。アリーチェとはとても仲良くしてますの。ですから す こ お し 手助けしたいと思ってますのよ。」
「リンドバーグ公爵家のリディアムです。レティシア殿下と同意見ですね。同席させて頂くのでよろしく。」
慌てて口を挟もうとした父を遮って、レティシア様とリディアム様が有無を言わせず締め括る。
国力が数段上の大国であるラジアンの姫様と公爵令息ですもの。
誰も文句なんて言えないわ。
「ラジアン王国の⁈しょ、承知致しました。ロマロフ侯爵家当主ギリアムと申します。こちらは妻のレベッカと息子のデヴィッドです。デヴィッドはアリーチェ嬢と婚約しております。どうぞ今後ともよろしくお願い致します。」
今度はレティシア様が扇越しに僅かに顎を引いて了承の合図とされた。
リディアム様は微動だにしない。
よろしくする気は無いという意思表示かしら?
またレティシア様に怒られちゃうわよ?
俯いて頬が緩みそうになるのを誤魔化した。
お二人とも、初見からロマロフ侯爵が気に入らないご様子ね。
仕方ないわよね?デヴィッドの親というだけでも印象は良く無いのだもの。
もちろん私もこれっぽっちも親愛の情など持てないけれど。
では、ちゃちゃっと終わらせてこの家を出て行きましょうか。
さっきのメイドが、荷物を馬車に積み終えたと合図もくれた事だしね。
「さぁ、皆さまお座り下さいませ。ラルフ、お茶の準備をお願いね。」
控えていた執事に声をかける。
レティシア様達や私達に出されていたお茶も全て新しい物に変えてもらった。
「まずは皆様、お忙しい中お時間を頂き有難うございます。」
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揺るがない自分を見せ付けるように。
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