5 / 60
模擬戦
しおりを挟む
先に話し合いを終えた俺は、屋敷の外にて彼女を待つ。
すると、玄関を開けてセリスとローラさんがやってくる。
貴族のお嬢様らしく華やかな白いワンピースを着ていた。
春の暖かい日差しの中、その姿はよく似合っている。
「お、お待たせしましたわ」
「ううん、そんなことないよ。それより、よく似合ってるね」
「あ、ありがとうございます……もう、そういう台詞は何処で覚えたの?」
「いや、師匠が厳しくてね。まあ、その話も含めて馬車で話すよ」
「そうね、そうしましょう」
先に彼女を馬車に乗せ、ローラさんに向き合う。
「ユウマ君、あの子のことよろしくお願いね。あんなこと言っておいてなんだけど、もし困っていたら助けてあげてちょうだい」
「ええ、もちろんですよ。まあ、そうならないことを祈ってます」
「ふふ、そうね。何もないならそれが一番よ」
「ユウマー! 何をしてるのー!?」
「ごめんごめん! すぐに行くよ!」
俺はローラさんにお辞儀をして、馬車へと乗り込む。
そして、王都に向けて馬車が動き出す。
「ふぅ、ようやく出れたわ。本当に、待たせてごめんなさい」
「いやいや、気にしないで。女の子だし、仕方ないよ」
「……ほんと、そういう台詞も何処で覚えたのよ? 私と殴り合ったりしてたのに」
「別に大したことじゃないよ。というか、それは小さい頃の話でしょ。外にいる護衛の人達に聞かれたら怖いんですけど?」
ただでさえ、家を出る時に睨まれたし。
俺、何かしたかな?
まあ、自分達のお嬢様に変な虫がつかないように警戒してるのかも。
「ふふ、そうね。きっと、問い詰められちゃうわ。じゃなくて、さっきの師匠の話!」
「ああ、それね。ちょうど、ここに来なくなったあたりかな? 二人の師匠がついて、その二人に朝から晩まで扱かれちゃって。剣の授業と魔法の授業を……思い出したくないくらい」
「……綺麗な人?」
「なんで、そこに疑問なのさ? まあ、見た目は綺麗だよ。ただ、中身は恐ろしく男前な人達かな」
「そうなんだ……ふーん」
何故か、セリスが頬を膨らませる。
うーん、これは……そういうことかな?
「大丈夫、セリスも綺麗だよ」
「っ~!? な、何を言ってるのよ!?」
「あれ? 違ったのかぁ……女の子って難しいや」
「……そうよ、女の子は複雑なんだから」
そんな会話を楽しみつつ、馬車が進んでいく。
そして、お昼を過ぎた頃に大きな木の下で休憩をとる。
そこで軽食を済ませ、それぞれの自由時間となった。
すると、護衛の兵士達の一部が俺に近寄ってくる。
「ユウマ殿、あんまり調子に乗らないで頂きたい」
「はい? どうかしました?」
「お嬢様の護衛は、俺達で十分なんだよ」
「言っておくが、ひょろい坊ちゃんの出番はないぜ」
「そうそう、いくら父親が猛将で知られたエルバート様でもな」
……ふむふむ、彼らの気持ちは正当だ。
雇い主が決めたこととはいえ、俺が護衛と言われたら面子が立たないだろう。
ただ……こちらも武門の者として、舐められるのは良くない。
何より、これではセリスが可哀想だ。
「そうですか。ですが、この先には魔物や魔獣が出ます。万が一ということもありますから」
「我々が負けると思っていると?」
「いえいえ、そんなことは言ってません。ただ、お互いの実力は知っておくべきかと。そうすれば、いざという時に連携が取れますし」
「なるほど……では、お手合わせを願います」
「ええ、いいですよ」
すると、騒ぎに気づいたセリスがやってくる。
「なにをやってるの? 貴方達、ユウマに何かしたの?」
「い、いえ」
「セリス、平気だよ。食後の運動がてらに手合わせをしようってことになっただけ。木剣もあるみたいだから安全だよ」
「そうなの? じゃあ、私も見てるわ。ちなみに相手は誰?」
兵士達が顔を合わせ、一人の男性が前に出てくる。
最初に俺に声をかけてきた人で、おそらく年齢は二十五歳前後。
身長も体格の良く、腕は悪くなさそうに見える。
「お嬢様、私がお相手します」
「イース、貴方が? 平気かしら?」
「ご安心ください、怪我などさせないので」
「わかったわ。では、見守るとするわね」
そうして、セリスの立会いのもとアルトさんと対峙する。
「イースさん、よろしくお願いします」
「……よろしくお願いします」
「それでは——はじめ!」
「では、行きますぞ!」
開始早々、剣を上段に構えつつイースさんが接近してくる。
そのまま、俺に剣を振り下ろしてくるので……。
「よっと」
「なっ!? 避けた!?」
「えっ? そりゃ、避けますって」
軽く右に避けたら、相手が驚いていた。
こんなの食らったら、師匠達に殺されちゃうよ。
「くっ! まだまだ! 今のは手加減をしていたのだ!」
「ええ、わかってますよ」
「ウォォォォォォ!」
上から振り下ろし、そこからの切り上げるように逆袈裟、それらを余裕を持って躱していく。
……これで本気なのかな? これなら眼で追えるし。
師匠とやると、眼には見えない速さで剣が来るからなぁ。
「何故当たらない!? だが、避けてばかりでは」
「そうですね。それでは失礼——」
相手の上段斬りを半身をずらして躱し、首筋に木剣を突きつける。
「……はっ?」
「どうします? まだやりますか?」
「……いや、私の負けだ」
「勝負ありです! ユウマ! 凄いじゃない!」
「いえいえ、俺なんてまだまだですよ」
「もう、謙遜して」
いや、本当にまだまだなんだけどなぁ。
これなら、うちにいる一般の兵士達のが強いし。
「お、おい、イースに勝っちまったぞ」
「うちの若手でも一番の使い手が……」
「うちの部隊長だというのに」
えっ? うそでしょ?
……まあ、最前線の兵士じゃないから仕方ないのか。
すると、イースさんが立ち上がり、頭を下げてくる。
「ユウマ殿、生意気なことを言って申し訳ありませんでした。そもそも伯爵子息に対しての態度ではございませんでした」
「いえいえ、お気になさらないでください。それだけ、セリス様が大事ということでしょうから」
「器まで……完全に我々の負けですね。それでは、王都までよろしくお願いいたします。皆の者もいいな?」
「「「はっ!!!」」」
うんうん、セリスは愛されてるね。
ひとまず、これで安心して旅ができるや。
すると、玄関を開けてセリスとローラさんがやってくる。
貴族のお嬢様らしく華やかな白いワンピースを着ていた。
春の暖かい日差しの中、その姿はよく似合っている。
「お、お待たせしましたわ」
「ううん、そんなことないよ。それより、よく似合ってるね」
「あ、ありがとうございます……もう、そういう台詞は何処で覚えたの?」
「いや、師匠が厳しくてね。まあ、その話も含めて馬車で話すよ」
「そうね、そうしましょう」
先に彼女を馬車に乗せ、ローラさんに向き合う。
「ユウマ君、あの子のことよろしくお願いね。あんなこと言っておいてなんだけど、もし困っていたら助けてあげてちょうだい」
「ええ、もちろんですよ。まあ、そうならないことを祈ってます」
「ふふ、そうね。何もないならそれが一番よ」
「ユウマー! 何をしてるのー!?」
「ごめんごめん! すぐに行くよ!」
俺はローラさんにお辞儀をして、馬車へと乗り込む。
そして、王都に向けて馬車が動き出す。
「ふぅ、ようやく出れたわ。本当に、待たせてごめんなさい」
「いやいや、気にしないで。女の子だし、仕方ないよ」
「……ほんと、そういう台詞も何処で覚えたのよ? 私と殴り合ったりしてたのに」
「別に大したことじゃないよ。というか、それは小さい頃の話でしょ。外にいる護衛の人達に聞かれたら怖いんですけど?」
ただでさえ、家を出る時に睨まれたし。
俺、何かしたかな?
まあ、自分達のお嬢様に変な虫がつかないように警戒してるのかも。
「ふふ、そうね。きっと、問い詰められちゃうわ。じゃなくて、さっきの師匠の話!」
「ああ、それね。ちょうど、ここに来なくなったあたりかな? 二人の師匠がついて、その二人に朝から晩まで扱かれちゃって。剣の授業と魔法の授業を……思い出したくないくらい」
「……綺麗な人?」
「なんで、そこに疑問なのさ? まあ、見た目は綺麗だよ。ただ、中身は恐ろしく男前な人達かな」
「そうなんだ……ふーん」
何故か、セリスが頬を膨らませる。
うーん、これは……そういうことかな?
「大丈夫、セリスも綺麗だよ」
「っ~!? な、何を言ってるのよ!?」
「あれ? 違ったのかぁ……女の子って難しいや」
「……そうよ、女の子は複雑なんだから」
そんな会話を楽しみつつ、馬車が進んでいく。
そして、お昼を過ぎた頃に大きな木の下で休憩をとる。
そこで軽食を済ませ、それぞれの自由時間となった。
すると、護衛の兵士達の一部が俺に近寄ってくる。
「ユウマ殿、あんまり調子に乗らないで頂きたい」
「はい? どうかしました?」
「お嬢様の護衛は、俺達で十分なんだよ」
「言っておくが、ひょろい坊ちゃんの出番はないぜ」
「そうそう、いくら父親が猛将で知られたエルバート様でもな」
……ふむふむ、彼らの気持ちは正当だ。
雇い主が決めたこととはいえ、俺が護衛と言われたら面子が立たないだろう。
ただ……こちらも武門の者として、舐められるのは良くない。
何より、これではセリスが可哀想だ。
「そうですか。ですが、この先には魔物や魔獣が出ます。万が一ということもありますから」
「我々が負けると思っていると?」
「いえいえ、そんなことは言ってません。ただ、お互いの実力は知っておくべきかと。そうすれば、いざという時に連携が取れますし」
「なるほど……では、お手合わせを願います」
「ええ、いいですよ」
すると、騒ぎに気づいたセリスがやってくる。
「なにをやってるの? 貴方達、ユウマに何かしたの?」
「い、いえ」
「セリス、平気だよ。食後の運動がてらに手合わせをしようってことになっただけ。木剣もあるみたいだから安全だよ」
「そうなの? じゃあ、私も見てるわ。ちなみに相手は誰?」
兵士達が顔を合わせ、一人の男性が前に出てくる。
最初に俺に声をかけてきた人で、おそらく年齢は二十五歳前後。
身長も体格の良く、腕は悪くなさそうに見える。
「お嬢様、私がお相手します」
「イース、貴方が? 平気かしら?」
「ご安心ください、怪我などさせないので」
「わかったわ。では、見守るとするわね」
そうして、セリスの立会いのもとアルトさんと対峙する。
「イースさん、よろしくお願いします」
「……よろしくお願いします」
「それでは——はじめ!」
「では、行きますぞ!」
開始早々、剣を上段に構えつつイースさんが接近してくる。
そのまま、俺に剣を振り下ろしてくるので……。
「よっと」
「なっ!? 避けた!?」
「えっ? そりゃ、避けますって」
軽く右に避けたら、相手が驚いていた。
こんなの食らったら、師匠達に殺されちゃうよ。
「くっ! まだまだ! 今のは手加減をしていたのだ!」
「ええ、わかってますよ」
「ウォォォォォォ!」
上から振り下ろし、そこからの切り上げるように逆袈裟、それらを余裕を持って躱していく。
……これで本気なのかな? これなら眼で追えるし。
師匠とやると、眼には見えない速さで剣が来るからなぁ。
「何故当たらない!? だが、避けてばかりでは」
「そうですね。それでは失礼——」
相手の上段斬りを半身をずらして躱し、首筋に木剣を突きつける。
「……はっ?」
「どうします? まだやりますか?」
「……いや、私の負けだ」
「勝負ありです! ユウマ! 凄いじゃない!」
「いえいえ、俺なんてまだまだですよ」
「もう、謙遜して」
いや、本当にまだまだなんだけどなぁ。
これなら、うちにいる一般の兵士達のが強いし。
「お、おい、イースに勝っちまったぞ」
「うちの若手でも一番の使い手が……」
「うちの部隊長だというのに」
えっ? うそでしょ?
……まあ、最前線の兵士じゃないから仕方ないのか。
すると、イースさんが立ち上がり、頭を下げてくる。
「ユウマ殿、生意気なことを言って申し訳ありませんでした。そもそも伯爵子息に対しての態度ではございませんでした」
「いえいえ、お気になさらないでください。それだけ、セリス様が大事ということでしょうから」
「器まで……完全に我々の負けですね。それでは、王都までよろしくお願いいたします。皆の者もいいな?」
「「「はっ!!!」」」
うんうん、セリスは愛されてるね。
ひとまず、これで安心して旅ができるや。
442
あなたにおすすめの小説
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる