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試験終わりに
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試験を終えた俺に、理事長先生が近づいてきた。
近くで見ると、その魔力保有量に圧倒される。
「ほほ、見事な魔法でしたな」
「ありがとうございます……理事長先生、すごい魔力ですね」
「おやおや、隠してるのですがわかってしまいましたか」
「隠してるのですか?」
俺から見ると、丸わかりだけど。
魔法使いの魔力量や技量を見抜くのは、必須だとエリスに教わってきたし。
「普通の人にはわからないようになってますよ。流石は、あの方が育て上げた子ですな」
「あの方? ……もしかしてエリスのことですか?」
「エリス……いや、そうですな。実は彼女とは古い知り合いでして、手紙などで話を聞いていたのですよ。仕えてる家に、面白い子が生まれたとか」
「面白い……まあ、よく遊ばれてますけど」
「ほほ、気に入られてる証拠です。さてさて、面白くなりそうですね」
「あの、俺が呼ばれた理由ってなんでしょうか? 理事長先生なら知ってるかと思うのですが」
来たはいいけど、何をしたらいいのかわからない。
何か目的があって呼んだはずだし。
「ええ、知ってますとも。ですが、私からは言えないのです。ただ、貴方は思う通りにやってくれたら良いと言っておきましょう」
「思う通りに……好き勝手ってことですか?」
「ええ、そういうことです。おっと、そろそろ次の試験ですな。では、私はこれにて……貴方の活躍を期待してます」
「はぁ……頑張ります?」
「ほほ、そのうちわかりますよ」
そうして、理事長先生が去っていく。
俺は釈然としないまま、二人の元に戻る。
「ユウマさん! すごいです!」
「本当にすごいわ。よく、あのミレーユ様に勝てたわね」
「いやいや、属性の相性が良かったから。それに、あの人も本気じゃなかっただろうし」
「それはそうかもだけど、それでもすごいことよ? あの人、学園でも上位に入る実力者だって話だし」
「ふーん、そうなんだ。さて、俺は終わったしどうしようかなー。寮に戻るか、適当に観光でもするかな」
どうやら、今日はこれで終わりらしいし。
まだお昼くらいだし、午後の時間は結構ある。
「あ、あの! わたしにお礼をさせてください!」
「お礼? ……ああ、別にいいのに。あれは俺が勝手にやったことだしね」
「そう言えば……その、二人はどういう知り合いなの?」
「ああ、えっと……」
その時、二人の名前が呼ばれる。
「あっ、わたし達呼ばれましたよ」
「そうみたいね。それじゃ、ユウマは校門で待ってること。私達も、あとで行くから」
「わかった。それじゃ、二人も頑張ってね」
二人を見送り、俺は体育館を後にする。
その時に、生徒達にじろじろと見られたけど、一体なんだったのだろうか?
どうせなら、話しかけてくれれば良いのに……そういや、友達ってどうやって作るんだろ?
しまった、俺ってば自分から友達作ったことないや。
◇
そして、待つこと十分ほど経つと……二人が体育館から出てくる。
その顔を見るに、どうやら上手くいったらしい。
「ユウマ! 終わったわ!」
「終わりました!」
「二人とも、お疲れ様。そういえば、魔法しかやってないけど良いのかな?」
「ユウマ、得意分野の説明はしなかったの?」
「……聞かれなかったね。一応、剣も使えるんだけど」
いきなり、魔法でやることになってたし。
理事長をみるに、俺が魔法が使えることは知ってたみたいだけど。
「じゃあ、元々知っていたってこと? ……そもそも、肝心なこと聞き忘れていたけど、どうして入学したの?」
「それが、俺にもよくわからないんだよね。なんか、父上が国王陛下に頼まれたらしい。俺を、この学校に入学させてくれって」
「わぁー! それってすごいことでは!? だって、ここは入りたくても入れない人がたくさんいるって」
「貴方、どうしてそれを言わないのよ!」
「いや、聞かれなかったし……」
すると、二人が顔を見合わせて苦笑する。
なんだか、息がぴったりになってるし。
「ユウマさん、この学園はエリート揃いの学校らしいです」
「ここは将来、それなりの立場に着く人が多いの。だから、それぞれの得意分野を中心に伸ばしつつ、色々な授業を受けていくわ」
「あっ、そうなんだ? そりゃ、楽しみになってきたね」
せっかく学校に通うなら、今よりも強くなりたいし。
ダンジョン探索とか、冒険者とかにもなってみたい。
「もう、お気楽なんだから」
「えへへ、ほんとですね。でも、おかげで緊張せずに済みました」
「それなら良かった。それより、二人はこれからどうするの? さっきも言ったけど、お礼とか気にしなくても良いよ」
「だ、だめです! とりあえず、お昼をご馳走させてください!」
「そうよ。というか、私だってお礼してないし……そもそも、何があったか聞かせてもらえるかしら?」
「うげぇ……はーい」
これは絶対に怒られるパターンだなと思いつつ、諦めて二人に連行される。
両脇には美少女……正直言って、ドキドキするから困るんだよなぁ。
俺ってば、同い年くらいの女の子と関わってこなかったし。
もしかして、父上が行けって言ったのはお嫁さん探しの意味もあるとか?
……まさかね。
近くで見ると、その魔力保有量に圧倒される。
「ほほ、見事な魔法でしたな」
「ありがとうございます……理事長先生、すごい魔力ですね」
「おやおや、隠してるのですがわかってしまいましたか」
「隠してるのですか?」
俺から見ると、丸わかりだけど。
魔法使いの魔力量や技量を見抜くのは、必須だとエリスに教わってきたし。
「普通の人にはわからないようになってますよ。流石は、あの方が育て上げた子ですな」
「あの方? ……もしかしてエリスのことですか?」
「エリス……いや、そうですな。実は彼女とは古い知り合いでして、手紙などで話を聞いていたのですよ。仕えてる家に、面白い子が生まれたとか」
「面白い……まあ、よく遊ばれてますけど」
「ほほ、気に入られてる証拠です。さてさて、面白くなりそうですね」
「あの、俺が呼ばれた理由ってなんでしょうか? 理事長先生なら知ってるかと思うのですが」
来たはいいけど、何をしたらいいのかわからない。
何か目的があって呼んだはずだし。
「ええ、知ってますとも。ですが、私からは言えないのです。ただ、貴方は思う通りにやってくれたら良いと言っておきましょう」
「思う通りに……好き勝手ってことですか?」
「ええ、そういうことです。おっと、そろそろ次の試験ですな。では、私はこれにて……貴方の活躍を期待してます」
「はぁ……頑張ります?」
「ほほ、そのうちわかりますよ」
そうして、理事長先生が去っていく。
俺は釈然としないまま、二人の元に戻る。
「ユウマさん! すごいです!」
「本当にすごいわ。よく、あのミレーユ様に勝てたわね」
「いやいや、属性の相性が良かったから。それに、あの人も本気じゃなかっただろうし」
「それはそうかもだけど、それでもすごいことよ? あの人、学園でも上位に入る実力者だって話だし」
「ふーん、そうなんだ。さて、俺は終わったしどうしようかなー。寮に戻るか、適当に観光でもするかな」
どうやら、今日はこれで終わりらしいし。
まだお昼くらいだし、午後の時間は結構ある。
「あ、あの! わたしにお礼をさせてください!」
「お礼? ……ああ、別にいいのに。あれは俺が勝手にやったことだしね」
「そう言えば……その、二人はどういう知り合いなの?」
「ああ、えっと……」
その時、二人の名前が呼ばれる。
「あっ、わたし達呼ばれましたよ」
「そうみたいね。それじゃ、ユウマは校門で待ってること。私達も、あとで行くから」
「わかった。それじゃ、二人も頑張ってね」
二人を見送り、俺は体育館を後にする。
その時に、生徒達にじろじろと見られたけど、一体なんだったのだろうか?
どうせなら、話しかけてくれれば良いのに……そういや、友達ってどうやって作るんだろ?
しまった、俺ってば自分から友達作ったことないや。
◇
そして、待つこと十分ほど経つと……二人が体育館から出てくる。
その顔を見るに、どうやら上手くいったらしい。
「ユウマ! 終わったわ!」
「終わりました!」
「二人とも、お疲れ様。そういえば、魔法しかやってないけど良いのかな?」
「ユウマ、得意分野の説明はしなかったの?」
「……聞かれなかったね。一応、剣も使えるんだけど」
いきなり、魔法でやることになってたし。
理事長をみるに、俺が魔法が使えることは知ってたみたいだけど。
「じゃあ、元々知っていたってこと? ……そもそも、肝心なこと聞き忘れていたけど、どうして入学したの?」
「それが、俺にもよくわからないんだよね。なんか、父上が国王陛下に頼まれたらしい。俺を、この学校に入学させてくれって」
「わぁー! それってすごいことでは!? だって、ここは入りたくても入れない人がたくさんいるって」
「貴方、どうしてそれを言わないのよ!」
「いや、聞かれなかったし……」
すると、二人が顔を見合わせて苦笑する。
なんだか、息がぴったりになってるし。
「ユウマさん、この学園はエリート揃いの学校らしいです」
「ここは将来、それなりの立場に着く人が多いの。だから、それぞれの得意分野を中心に伸ばしつつ、色々な授業を受けていくわ」
「あっ、そうなんだ? そりゃ、楽しみになってきたね」
せっかく学校に通うなら、今よりも強くなりたいし。
ダンジョン探索とか、冒険者とかにもなってみたい。
「もう、お気楽なんだから」
「えへへ、ほんとですね。でも、おかげで緊張せずに済みました」
「それなら良かった。それより、二人はこれからどうするの? さっきも言ったけど、お礼とか気にしなくても良いよ」
「だ、だめです! とりあえず、お昼をご馳走させてください!」
「そうよ。というか、私だってお礼してないし……そもそも、何があったか聞かせてもらえるかしら?」
「うげぇ……はーい」
これは絶対に怒られるパターンだなと思いつつ、諦めて二人に連行される。
両脇には美少女……正直言って、ドキドキするから困るんだよなぁ。
俺ってば、同い年くらいの女の子と関わってこなかったし。
もしかして、父上が行けって言ったのはお嫁さん探しの意味もあるとか?
……まさかね。
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