1 / 48
1巻
1-1
しおりを挟む第一章 異世界に迷い込んだようだ
ここは……どこだ?
気がついたら、見たことがない植物や生き物に囲まれていた。
来た道を振り返るが、まるで覚えがない場所だった。
「待て……俺は狩りをしていて……いや、まずは自分自身のことだ」
俺の名前は真田日向、三十歳独身の……童貞だ。十八歳の時、両親を交通事故で亡くし、それからは田舎の祖父母に育てられた。祖父から狩猟の技術と剣道を、祖母から料理を叩き込まれた俺は、敬愛する二人が亡くなった後、二人の跡を継いで猟師と料理屋で生計を立てていた。
今日もその料理屋で出す獲物を狩りに山に来て……そうだ、不思議な雰囲気の雄鹿を発見したんだ。それを追っているうちに……ここにいた。だめだ、全然わからん。
その時、草むらからガサガサと音がした。
「うおっ!」
突然飛び出してきた何かに身の危険を感じ、俺は反射的にライフルを放つ。
出てきたのは、黄金の兎だった。弾は見事に胴体に当たり、兎はしばらくビクビクしたあと、動かなくなった。不思議なことに、血は出ていない。
「ショック死か……? 黄金の兎なんて、初めて見るぞ」
すると、今度は聞いたことがない鳴き声が響いた。
「ん? なんだ? いつもより、目がよく見えるような……まるでズームしたみたいだ」
気になって、そちらを見てみると……燃えるような赤い毛皮の熊らしき生き物と、雪のように真っ白な毛皮の狼らしき生き物が対峙していた。
狼も大きいが、熊の方は軽く三メートルを超えていて、かなりの巨体だ。
「俺は一体どこに来てしまったんだ? こんなの、どう考えたって日本の山にはいないぞ」
……まずは、落ち着こう。敬愛する祖父さんも言っていたじゃないか。
『いいか、ヒュウガ。狩りにおいて一番してはいけないこと……それは慌てることだ。どんな時も冷静であれ。慌てるのは、女性関係だけでいい』
「よし……まずは状況確認だ。俺と奴らの距離は十メートルくらいか」
どういうわけか、やたらと目が見えることに戸惑いつつ、俺は二匹を観察する。
熊が炎の息を吐き、狼は氷の息でこれに対抗する。
なんだ!? ブレスか!? 思わず後退るが――こんな時こそ慌ててはいけない。
熊の体には出血こそ見られるものの、余裕がありそうだ。対する狼は所々焦げており、全身血塗れ。そしてよく観察すると、後ろには小さい子狼がいた。
「あいつは……子狼を守っているのか?」
俺にはその姿が、亡き両親と重なって見えた。二人は事故の時に俺を庇って……死んでしまったんだ。
トドメを刺すつもりなのか、熊の口の周りから炎が漏れる。
それを見た瞬間――考えるより先に体が動いていた。
なんだ!? 自分の身体じゃないみたいに速い!?
俺は一瞬で熊に迫り、そのまま体当たりをかます。
熊は唸り声を上げながら二メートルほど吹っ飛び、木に激突した。
あいつの体重が軽かったのか、妙な手応えだが、好都合だ。俺は素早くライフルを構える。
起き上がった熊は、口を開けて炎を放とうとしている。
狙うべきは口だな。焦るな……タイミングが大事だ。
「――ここだっ!」
俺が放った弾は、奴の口の中に吸い込まれ……熊の口の中で爆発が起こった。
奴の体がぐらりと揺れ、地面に倒れ込む。
だが、油断してはいけない。生き物は死にかけが一番危険だ。もし生きていた場合、必死で抵抗する。狩りは死んだと思ってからが、勝負なのだ。
慎重に熊を検分し、動かなくなったことを確認した俺は、狼の様子を窺う。
狼は腹を見せて、尻尾を丸めている。これは確か、服従や降参のポーズだったか?
俺はゆっくり近づいて、狼の状態を確認する。
メスか。あの子狼の母親ってわけだな。だがマズイな、血が流れすぎている。これは、もう助からないか……
「クゥーン……」
白い狼は何か訴えるように弱々しく鳴いた。
「ん? どうした? 安心しろ。ここにいる。ゆっくり休むといい」
見たことのない生き物だろうと、死にゆく命を無下にするつもりはない。
狼はフラフラになりながらも懸命に立ち上がり、子供のところに歩いていく。
「おい、無茶するな! そんな傷で動いたら痛いだろ?」
狼は何か言いたげな表情で俺を見つめている。
そして、気を失った子供を口に咥えて俺に渡してきた。
「え? どういうことだ? まさか……俺に、この子を預けると?」
「クゥーン! ククーン!」
狼はそうだと言わんばかりに激しく首を上下させ、尻尾も振っている。
俺は狼の子供を抱く。体は温かく、鼓動を感じる。
「……良かった、どうやら生きているみたいだ」
狼は一瞬安心したような顔をすると、フラフラと森の奥に消えていった。
俺は、しばらく立ち尽くす。
どうやら、俺は子供を託されたようだ。というか……そもそも、ここはどこだ?
見たことない生き物、場所、まさかな……
少しすると、子狼が目を覚ました。
「クゥン? ……キャン! キャン!」
「おお!? 落ち着け、大丈夫だ。敵じゃないからな」
最初は少し怯えていた子狼だが、その澄んだ瞳で俺をじっと見つめてくる。
俺も気持ちが伝わるように、しっかり見つめ返した。
やがて、気を許したのか、子狼は俺の匂いを嗅ぎ、顔を舐めはじめた。
「うおっ! くすぐったいぞ!? 急にどうした!?」
改めて、子狼を高く抱き上げてみる。
「大きさは三十センチくらいで……オスだな。お前のお母さんは、どこかへ行ってしまったぞ? 俺と一緒に来るか? 俺も、一人ぼっちなんだ……」
母親はもう助からない……だから、俺に託したのかもな。
よくわからないが、子狼は尻尾を振っている。喜んでいるのか?
まあ、いいか。連れて行くとしよう。親がいない寂しさは、俺も身に染みているからな。
そういえば、名前をつけてやらなくてはな……何が良いだろう。
あの狼は氷を吐いていたな。氷……雪だと可愛すぎるな……なら、雪か。
「よし! 決めた! お前の名前は、セツだ!」
「クゥン? ……キャン!!」
どうやら、気に入ってくれたようだ。セツは嬉しそうに尻尾を振っている。
それはともかく、俺はこのあとはどうすれば……?
再び立ち尽くす俺に、セツが首を傾げる。
「……そうだな、このまま突っ立っていても仕方ないか」
とりあえず、ここは俺の知る世界ではない――まずはその現実を受け入れることにする。
両親も祖父母も亡くした天涯孤独の身なので、大した感慨はなかった。
俺は兎を腰の袋に入れ、背負っていたリュックを確認する。
とりあえず、水はある。弾はあれで最後だ。
さすがに熊は持っていけないと思ったが、さっきからやけに身体の調子が良い。
試しに熊を持ち上げてみたところ……あっさり動かせてしまった。
「はあ!? なんだこの軽さは? 羽毛布団みたいだ! どういうことだ?」
自分で言うのもなんだが、元々俺は力持ちだ。身長は百九十センチあるし、体格にも恵まれていている。だが……いくらなんでもこれはおかしい。
戸惑う俺を、セツが不思議そうな顔で見上げてくる。
「そうだな……考えていても、仕方ないか」
熊をおんぶのような形で背負い、前に抱えたリュックの中にセツを入れる。
そして片手で猟銃を持ち、歩き出す。
こんなに重そうな熊を担いでいる割に抵抗なく動けるので、調子に乗ってどんどんスピードを上げていくと――
「な、なんだ!? この速さは!? と、止まれない!」
勢いがつきすぎてすぐに止まれそうにないので、諦めてそのまま走り抜ける。
あちこちに見た事のない生き物がいるが、それらもすべて置き去りだ。
ジェットコースター感覚なのか、セツは「キャウン!」と鳴いて、ご機嫌の様子だ。
それから熊を背負ったまま三十分くらい走り続けただろうか。
「全く疲れないのだが……」
そんなことを考えていると、いつの間にか目の前に大木が迫っていた。
「ぶ、ぶつかる!」
俺は咄嗟に体を捻り、肩から木に体当たりする。
直後、大きな音がして、太さ二メートルはある大木が倒れた。
だが、全く痛くない。さっきのスピードといい、俺の身体はどうしたんだ?
とりあえず、無事に停止できたから良しとしよう。
辺りを見回すと、ブドウやオレンジといった果実が散乱していた。大木が倒れた際に周りの木が巻き込まれて、落ちてきたのか。
とりあえず果実を拾って、リュックの隙間に詰めておく。
「セツ、大丈夫か?」
そう問いかけると、セツは元気に吠えて応えた。
「そうか……そういえば、お腹空いてないか?」
「ククーン……」
「やっぱり空いてそうだな。狼みたいだから、この熊の肉を食べさせてみるか」
リュックを下ろすと、セツが出てくる。
「まずは血抜きをして解体する必要があるが……時間がかかるな。少し待ってろよ」
お預けを食らったセツは「クゥン?」と首を傾げる。
木か何かに吊してやった方が楽なんだが、あいにくこの巨体を支えられそうなロープを持っていないから、地面で作業する。
まずはサバイバルナイフで、クマの皮を剥ごうとするが……なんて硬いんだ、全然刃が立たない。
無理やり力を込めると、呆気なく刃が折れてしまった。
ナイフなしじゃ解体は無理だ。
万事休すと思われたが、そこで俺の頭にある考えが浮かぶ。
先程から身体がおかしい。
パワーもスピードも、今までの自分の身体じゃないみたいに増している。もしかしたら、素手で行けるんじゃないか?
さすがに皮剥ぎや内臓の処理みたいな細かい作業は難しいが、力任せに腕を一本切り落とすくらいならできそうだ。
手をピンと伸ばして、一本の刀をイメージする。
「スゥ――セァ!」
俺の放った手刀は、クマの腕を骨ごと切断した。
うぉ!? で、できた!
理由はわからないけれど、俺の身体は変化しているらしい。
強引に皮を裂いて剥がし、腕を食べやすい大きさにぶつ切りにして、セツの前に置いてやる。
それを見たセツは、飛び跳ねて喜んだ。思い切りわしゃわしゃしてやると、とろけたような顔になる。
「そうか、嬉しいか。ふふ、可愛いやつだ。さあ、お食べ」
しかし、セツはそれを咥えると……俺の前に置いた。
「クゥン?」
「もしかして、一緒に食べたいってことか?」
「キャン!」
なんて優しい子! まだ、こんなに小さいのに……偉いなぁ。
では、急いで準備しよう。
俺は適当な木や枯葉を拾うと、地面に燃えるものがない場所に移動する。
地面に刺した二本の太い枝を支柱にして、蔓と枝を使って肉をぶら下げる。
あとはマッチで火をつけて……
パチパチと焚き火が爆ぜる心地よい音がする。焼けた肉から脂が滴って良い匂いだ。
最近は一人キャンプが流行っているらしいが、俺には何が良いのかわからない。
俺はそもそもぼっちだしなぁ。
どうも顔が怖いらしく、友達は少ないし、彼女もいたことがない。道を歩けばみんなが避けて、子供には泣かれ、警察官には職質される。
暗い考えに浸っていると……セツが顔を舐めてきた。
「もしかして……僕がいるよってことか? ありがとうな、セツ」
「キャン!」
しばらくして、肉に火が通ったので……セツと一緒に齧りつく。
「では、いただきます……辛っ! でも美味い!」
なんだ!? 香辛料も使っていないのに、ホットな辛さが口の中で爆発したぞ!?
しかも、臭くないし……歯ごたえのある肉を噛んでいると、旨味が出てくる!
セツも気に入ったみたいだ。
「キャウン!」
「そうか、美味いか!」
肉の味もさることながら、誰かと食べる飯って、こんなに美味いんだな。
それに、一人じゃないのがこんなに嬉しいなんて……そんな当たり前のことを忘れていたよ。
食事を終えた俺は、セツを再びリュックに入れて移動を再開する。
しばらく走ると……ついに森を抜けた。
俺はそのまま走りながら、あちこちを見回す。
辺りは暗くなってきたが、遠くの方も良く見える。明らかに視力が良くなったみたいだ。
とにかく、日が落ちる前に人里に着きたい。
三十分ほどで、明かりが見えてきた。
「町だ! 助かった! よかった!」
徐々にスピードを落としながら近づいていくと、門みたいなところにたどり着いた。
中世っぽい鎧を身につけた兵士がそこを守っている。
僅かに見える街並も日本の田舎とは明らかに違っていて、西洋風の造形だ。
なんとなく予想していたが、やっぱり異世界に来てしまったらしい。
「すみません! お尋ねしてもいいですか!?」
俺が声をかけた途端に、門兵達が慌ただしく動き出す。幸い、言葉は通じたようだが、露骨に警戒されている。
「怪しい奴め! ん、その熊は……レッドベアー!?」
「お腹には見たことのない狼まで!? おそらく、強いぞ! 出合え、出合え!」
「この町には一歩も入れん!」
俺はあっという間に兵士らしき人達に囲まれてしまった。
参ったなぁ……大人しく捕まった方がいいか?
そこへ、凛とした声を響かせて、軽装の鎧を纏った騎士風の女性が歩いてきた。
「やめないか! その者は無抵抗だ! 敵意も感じない!」
ロングの銀髪に、碧い瞳。身長は百七十ほどと背が高く、手足が長くて、スタイルも抜群に良い。
年齢は、おそらく二十五歳前後と思われる。
綺麗だ。こんな女性がこの世にいるとは……
俺は思わず美女に見惚れていたが、そこで祖父さんの言葉を思い出してハッとした。
『いいか? 綺麗な女性に見惚れるなとは言わん。だが、そういう視線は失礼になることもある。もし見惚れるほどの女性に出会ったなら、第一印象が大事だ。礼儀正しく、相手の目を見て正直に話すといい』
確か、こんなことを言っていたはず……
「失礼いたしました。私はヒュウガ――真田日向と申します。信じてもらえないかもしれませんが、知らないうちにこの辺りに来てしまって、右も左もわからないのです。どうか話を聞いてもらえないでしょうか?」
「丁寧な言葉遣い……姿勢……そしてその目……とりあえず、盗賊の類ではなさそうですね。わかりました、話を聞きましょう」
よし! 第一段階クリア!
「クゥン?」
「セツ、良い子だ。少し、じっとしていてくれ」
顔を出して様子を窺うセツを宥めていると、女性が口元をほころばせた。
「ふふ……賢いし、可愛い子だな」
いや、貴方の微笑みこそ……女神のようですけど?
◆
俺は町の入り口にある小屋に通され、審査(?)を受けることになった。
いきなり牢屋に入れられずに済んで一安心ではあるが、何故か周りにいる人達は、俺を恐ろしいものを見るような目で見てくる。
そんな中、銀髪の美人が切り出した。
「では、今から質問するので、答えてください。私の名前はユリア。普段はここに近いナイゼルという都市で騎士をしています。この町には巡回に来ているところです」
「ご丁寧にどうも。俺の名前は真田日向。おそらくですが……こことは別の世界から来ました。多分なんですけど……異世界人です」
そもそも異世界人で通じるのかはともかく、嘘はついてない。
「「「ナニィィ――!?」」」
大きな音がして、兵士さん達が椅子から転げ落ちた。
目の前のユリアさんも固まっている。
「何かマズイですか?」
「……失礼ですが、少々お待ちください」
そう断って一度席を立ったユリアさんは、水晶のようなものを持ってきた。
そしてそれを俺の目の前に置く。
「これに手を置いてください」
そう言って、ユリアさんは俺の後ろ側に回って、水晶を覗き込んでくる。
漂ってきた香水の良い匂いに動揺しつつも、それを悟られぬように大人しく手を置く。
すると、水晶の真上に映像が浮かび上がった。
びっくりした……なんか、アルファベットっぽい文字が書いてあるな。
ユリアさんに説明を求めようと振り返ると、固まっていた。
ちなみに、セツは俺の膝の上でスヤスヤ寝ている。
時折、プープーと鼻を鳴らしながら……
何これ、可愛いんですけど?
改めて水晶の文字を確認すると、内容は俺にも理解できた。
ヒュウガ・サナダ 三十歳 人族
体力:A+ 魔力:C+
筋力:A 知力:C+ 速力:B+ 技力:B+
称号:アメノカムの祝福 ラッキーマン 森の主を倒せし者
内容からして、ステータスみたいなものか? 見慣れない感じだが。
「あの……そろそろ説明してもらっても?」
すると、ユリアさんは咳払いをして……
「あ、あまりの衝撃で思考停止してしまいました……ステータスを確認しました。貴方はごく稀に現れる、アメノカム神に誘われた異世界人のようです」
「随分驚いたようですが、異世界人とは、そんなに珍しいのですか?」
「ええ。現れるのは五十年に一度くらいですし、この広い大陸のどこに出現するかもわかりません。なので、普通に生きていたら会う機会などありませんね」
ということは、俺はこの世界では一人ぼっちってわけか……
「なるほど。ところで……さっきから兵士の皆さんが怯えているようですが?」
「それはですね、貴方が森の主――レッドベアーを倒したからです。そんな人物が暴れたら、彼らでは太刀打ちできないので」
「なるほど。理解できました。降りかかる火の粉は払いますけど、そちらが何もしなければ暴れるつもりはありません」
俺の言葉を聞いて、周りの空気が弛緩する。どうやら、少しは警戒が解けたらしい。
「ええ。そのようですね……ですが、いくつか質問してもいいですか? まずは、どうやってレッドベアーを倒したのですか?」
俺は、兵士に渡した銃を指差す。
「あれですね。銃といって、鉛の弾を発射する武器です。この世界にはないのですか?」
「ええ、見慣れませんね」
「へぇ、そうなんですか」
この世界の文明の発達度合は銃が発明されていないくらいなのか?
「では次に……貴方はこの世界で何をするつもりですか? 世界を滅ぼしますか? 文明を変えますか? 英雄になりたいですか? 王様になりたいですか? それとも魔王になりたいですか?」
この世界で何をするか……俺は腕を組んで考えてみる。
ユリアさんの言い方からして、帰るという選択肢はなさそうだ。
やりたいことといえば……あれしかないな。
俺はできるだけ思いが伝わるように、真剣な表情で告げる。
「えっと、俺は料理人になって、美味しいものを作って、自分でも食べたいです」
「「「ウオオオオオオ!!」」」
どういうわけか、俺の答えを聞いた兵士達が歓声を上げた。
36
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。

