Ray of Light ~コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長~

Pink Diamond

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金髪BoyのBlue Beat

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こうして璃音と彰の協力で

絵に書いた様に見事な縁故採用が決定した玲は

恐ろしい高卒ニートの未来から早急に抜け出す事が出来たので

密かに胸をなでおろしながら、璃音の後ろをチョコチョコと歩いて

皆で一緒に1階のメインホールへと向かったが

玲と璃音が案内された客席は、

ステージから一番近い、最前列の席だったから

*****

人生初の大きなステージを見上げた玲は

早くも一人でドキドキしながら自分の席に座ったが

残念な事に今から始まるライブはロックのカテゴリなので

次の瞬間、自分以外は誰もシートに座っていない事に気付いた玲は

少し困惑した表情で


(えっ?どうして誰も席に付いていないの?)

と素朴な疑問を心で密かに呟きながら

思わずあたりりをグルっと見渡してみると

なんと、ほぼ全員のお客さんが至って普通に立っていたので


(なんだかよくわかんないけど、みんな普通に立ってるし、
璃音さんもメッチャ普通に立っているんだから、私も立った方がいいよね~?)

と直ちに空気を読んで、このまま無言でシレッと席から立ち上がり、

そして既に満席となっている大きなのホールの最前列に立ちながら

まだ見ぬシャノワールのコンサートの開始を今か今かと待っていたけれど

今この会場に来ているバンドギャル達の大半が、

早瀬翔と蓮の追っ掛け軍団である事を、もちろん玲は全く気付いていなかったから

*****

この後いきなりステージの照明がキラキラと輝いて

そして遂にシャノワールのコンサートが開演時間を迎えた瞬間に

「キャ~!ジローさ~ん!」

「ジロー愛してる~!」

なぜか佐竹組長と同じ名前のドラム奏者に黄色い声援がたくさん贈られて

しかもこの後キンキラキンのド派手な衣装に身を包み、

やや小走りでステージの真ん中に颯爽と現れた、青い瞳のイケメンボーカリストにも


「キャ~!蓮く~ん!」

「ぎやぁああぁーー!レ~ン!レ~ン!」

まるで動物園の様に熱気の籠もった熱い声援が、

アチラコチラの女性客から沢山いっぱい届いていたので


(えっと~……あの子は蓮だよね?)

とは言えない玲は勿論ポカーンとなってしまったが

そんな事よりも とにかくド派手な弟の姿は まさにV系そのものだから


(えっとそのぉ…なんて言うか~、
あの残念な厚化粧は一体なんなの?)

とも言えない姉の玲はメッチャ複雑な心境で

ステージの上から客席に向かってニコニコと手を振る自分の弟を見ていたのに

まるで仮装行列の様にド派手な化粧の蓮に続いて、間髪かんぱつ入れずに今度は何故か、


「キャーー!翔だぁ~!ショオォーー!」

「きぁあああ~!翔好き~!
あ~ん大好き~!愛してるーー!」


なんと、蓮よりもド派手なメイクでバッチリと決めた、

キンキラキンの早瀬翔がギターを抱えてステージの上に降臨したから

もう何がなんだかサッパリ訳がわからない玲は、思わず翔を二度見したけれど、

そんな玲の目の前で、次の瞬間マイクを手にした翔はなぜだか、

突然いきなり大きな声で!


「じゃあ行くぜぇお前らーー!
今夜は限界突破するまで帰さねぇぞお前ら~!!」

と満員の観客に向かって指をさしながら

熱気で溢れるカーネリアンホールのバンドギャル達をガンガン盛り上げ始めたので


(えっと、どうして早瀬君はお客さんを帰さないつもりなのかな?)

きっとこの店のスタッフには向いていない玲は素朴な疑問を感じながらも

やたらと熱いパフォーマンスが超~カッコいい早瀬翔から目が離せなくなっていた。

*****

そして翔の熱い挨拶が終わった後で

なぜか突然右手を上げたド派手な蓮は

最前列の玲を見つめてイミフのウインクをした後すぐに


「じゃあ一発目はー!
お前らの大好きな奴をヤルぜー!Blue~Beat!」

と大きな声で

なんだかサッパリ訳がわからない曲を紹介したけれど……

ノリノリの蓮がこの歌の名前を出した途端に会場からは

「ぎやぁああ~!ブルービートだぁ!」

「きたよ~!一発目からブルーが来ちゃったよーー!」

て感じの大歓声が沸き起こったので、


(はい?ブルーって誰?いったいドコの誰が来たの?)

と早くも一人でオタオタしているアニオタの玲は、更にポカーンとした顔で

冷凍のたい焼きみたいに固まる事しか出来なかったのに

そんな玲とは真逆の蓮は、やたらとカッコいいステップを踏んだ後で長い髪をかきあげて

そして翔がかなでるエレキギターにリズムを合わせてスタンドマイクに手を置きながら、

きっと今世紀最大級にメチャメチャかっこいい決め顔で…♪♪♪

*****

「Blue♪俺の瞳はblue♪光輝くShiny Blue♪

oh yeah~♪そしてお前のeyesはblack beat~♪」


…て感じの意味不明な曲を歌い始めたのだが

はじめて聞いた弟のBlue Beatは、

そりゃあ勿論すべてがチンプンカンプンだったから


(えっと、この曲は~、
蓮の碧眼をそのまま歌にしちゃった感じなのかな?)

と直訳的な感想を持ちながらも

一応真面目にBlue Beatを聞いていたけれど

でも玲は、結局やっぱりドコに行っても何歳になっても、

アニソン ゲーソン ボカロが大好きな生粋のオタクなので、

先程からずーっと自分の隣でガンガンと頭を振りながら

髪を乱してヘドバンをしているお客さんの行動がサッパリ理解できなくて


(えっと、どうしてみんなで一緒に首を振っているのかなぁ……
まさか髪に虫が入ったの?じゃあこのホールには虫がいるの?
マジですか~?こっちに変な虫が飛んできたらどうしよう!
じゃあ なんか気持ちが悪いから、私も一緒に頭を振ろうかなぁ)

て感じの残念すぎる独り言を、

今日も元気に心の中で呟いていたけれど……

そんな事よりもやはり、やっぱり

バンギャの聖地と呼ばれるカーネリアンホールの熱い世界は

今までずっと孤独でオタクだった玲にとっては、まさに異空間そのものだったから、

ド派手な蓮がBlue Beatを歌い終わるその時までは、

隣の席で荒れ狂っているお姉さん達の事を、

メッチャうるさいお客さんだなぁ…と思っていたのに、なんと、この直後!

なぜかいきなり隣の席のお姉さんが、キラキラと美しい歓喜の涙を流しながら、

手のひらで狐を作ってステージに向けている姿を目撃したので

あまりにも純粋な涙に心を打たれた単細胞の玲もついつい、お姉さんのマネをして

人生で初めてのメロイック・サインをしてみたが、


そんな事よりも まさか この後、

こんなにも煩いハードロックのコンサート会場で、

世界中の誰よりも美しくて、そして何よりもキラキラと眩しい、

一筋の光を見つける事が出来るだなんて

やっとロックのムードに慣れたばかりの玲はもちろん夢にも思っていなかった。
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