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第10話 鉄路の咆哮、あるいは構造の軋み
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1998年、6月。修学旅行当日の朝は、霧雨を孕んだ重い雲が低く垂れ込めていた。
午前5時30分。俺は、自室のデスクで最終的な持ち物点検を行っていた。
「……写ルンです、予備を含めて3本。おやつは300円以内という建前だが、カロリーメイトとウィダーインゼリーで実利を取る。しおり、筆記用具。そして、緊急連絡用のテレホンカード」
俺は、彫りの深い貌を鏡に向けた。
荷物は、当時のスタンダードな大型リュックサックにまとめている。最近ではキャリーケースを引く生徒も増え始めていたが、段差の多い京都の寺社仏閣や、砂利道での機動性を考えれば、背負うタイプが正解だ。「階段で詰まる」「電車内で場所を取る」といった、集団行動におけるボトルネックを避けるのは、元銀行マンとしてのリスク管理の基本である。
当時の撮影事情は、デジタルカメラがまだ一般的ではなかった。
写真は、フジカラーの『写ルンです』のようなレンズ付きフィルムが主流だ。修学旅行の終わりには、クラス全員が同じような緑色のプラスチックの塊を手にし、現像に出して数日待たなければ結果がわからない。個人でカメラを持つ者は稀で、たまに親から借りたAPSカメラを持っている奴がいれば、それが羨望の的となる、そんな牧歌的な時代だった。
「任三郎、時間よ! お父さんが駅まで車で送ってくれるって」
階下から、母の声が響く。
リビングに降りると、そこには薄手のニットにタイトなスラックスを合わせた、早朝とは思えないほど完璧な美しさを湛えた美津子がいた。彼女のしなやかな肢体と、朝露のように瑞々しい肌は、八王子の静かな住宅街において、あまりに過剰な華やかさを放っている。
「……父さん、悪いな。仕事の前に」
「気にするな。任三郎、京都の歴史もいいが、今の関西がどう動いているか、しっかり見てこいよ。銀行員としての視点を忘れるな」
父が、ハンドルを握りながらバックミラー越しに息子を見た。
「……ああ。観光の皮を被った、実地監査だと思って見てくるよ」
午前6時45分。八王子駅の改札前は、巨大なリュックを背負った中学3年生たちで埋め尽くされていた。
同学年、約200人。クラスごとに整列し、担任による点呼が始まる。
「3年2組、全員いるか? ……一人足りないな。佐々木か?」
担任が、駅の公衆電話から親に連絡を入れる。まだ携帯電話が子供に普及していない時代、急な遅刻や欠席の確認には時間がかかる。結局、佐々木は急な高熱による病欠であることが判明した。
「……情報の伝達速度が、この時代の最大の脆弱性だな」
俺は心の中で呟いた。
「おい任三郎! 準備万端かよ。俺、昨日の夜興奮して全然寝れなかったぜ!」
門廻邦彦が、朝日を反射するような輝かしい笑顔で駆け寄ってきた。
日焼けした肌、清潔感のある短髪。彼はまさに1998年の太陽そのものだ。その後ろからは、クールな塩顔の北子直樹が、落ち着いた足取りで続いてくる。
「邦彦、騒ぐな。まだ八王子だぞ。……葛石、新幹線は何系に乗れるか聞いたか?」
直樹の鋭い視線が、ホームへと向けられる。
「……横浜線で新横浜へ向かい、そこから『のぞみ』か『ひかり』だ。ホームで待っているのは、300系あたりが自然だろうな。カモノハシのような先頭形状。あれが日本の高度経済成長の最後を象徴する『鉄路の怪物』だ」
「鉄路の怪物……。お前、相変わらず言い回しが独特だな」
俺たちは横浜線に揺られ、新横浜駅へ。
新幹線のホームに滑り込んできたのは、期待通りの300系新幹線だった。白地に青いライン、少し角張ったそのフォルムに、生徒たちから「うおー!」「速そう!」と歓声が上がる。
「見て! 私、お父さんからこれを借りてきたの」
東鶴襟華が、バッグから小さなシルバーのカメラを取り出した。
愛らしい笑顔と知的なショートカット。彼女の手には、当時最新鋭だった『Canon IXY』――APSカメラが握られていた。
「すごいわね、新幹線。横から見ると、本当に巨大な槍みたい。任三郎くん、一緒に撮ってあげる」
「……俺は、撮られるより撮る方が専門だ。シャッターチャンスは、歴史が動く瞬間にしか訪れないからな」
「もう、理屈ばっかり。はい、ポーズ!」
襟華の屈託のない笑顔に、俺の冷徹な仮面が微かに緩む。APSフィルムの「カシャッ」という軽快な巻き上げ音が、旅の始まりを告げていた。
新幹線の車内。
自由行動の班は、俺、邦彦、襟華、直樹、そして1組から合流した上波茜、日名川彩の6人で構成されていた。
「よろしくお願いします、葛石くん。門廻くん」
上波茜が、圧倒的な気品で、深々と頭を下げた。170cm近い長身に、陶器のような白い肌。野球部マネージャーとして鍛えられた彼女の背筋は、中学生とは思えない高潔なオーラを放っている。
「日名川です。移動中のお菓子、少し多めに作ってきちゃった。みんなで食べましょう」
日名川彩が、柔らかく透明感のある微笑みでタッパーを差し出す。彼女から漂うハーブと焼き菓子の香りが、殺伐とした新幹線の空気感を一瞬で「サロン」に変えてしまった。
「……賑やかな班になりそうだな。直樹、バランス調整を頼むぞ」
「了解した。俺はこの個性の強すぎる連中を、時間通りに京都へ届けることに全力を尽くすよ」
直樹が苦笑いしながら席を整える。
座席を回転させ、6人で向かい合わせになる。
窓の外、富士山がゆっくりと通り過ぎていく。1998年の景色。まだ高層ビルが少なく、空が広い。
「よし、新幹線といえばUNOだろ! 負けた奴は、好きな奴の名前を白状する。いいな!」
邦彦がカードを配り始める。
俺は配られたカードを、財務諸表を監査するように眺めた。
数字の増減。相手の残りの手札。表情の揺らぎ。
UNOという子供の遊びですら、俺にとっては情報の非対称性を利用したシミュレーションの場だ。
「葛石くん、さっきから全然表情が変わらないわね。……ドロー4を出された時も、まるで金利の上昇を見守る銀行員みたいに冷静なんだもの」
襟華が楽しそうに俺の顔を覗き込む。
「……カードの配分には確率論があるだけだ。そこに一喜一憂するコストは支払わない」
「ふふ、でも、日名川さんの『ワイルド』カードには勝てないみたいよ?」
茜が、涼しげな瞳で俺の敗北を予言した。
京都までの数時間。
UNOの応酬と、1998年の初夏の車窓。
俺の内側に潜む60歳の亡霊は、この「無価値な時間」こそが、2043年には失われていた最大の贅沢であることを、皮肉にも噛み締めていた。
京都に到着すると、駅前の喧騒は修学旅行生と外国人観光客で溢れかえっていた。
俺たちは団体用のバスに乗り込み、清水寺、金閣寺、銀閣寺を強行軍で巡った。
「金閣寺……。足利義満の権力誇示の極致だな。だが、この金箔の維持費に、どれだけの拝観料が投じられているのか」
俺が呟くと、後ろでスコアブックをつけていた茜が頷いた。
「規律ある美しさね。でも、どこか空虚だわ。……見られていることを意識しすぎている」
「私は銀閣寺の方が好きだな。わびさび……。時間をかけて色褪せていくものにしか宿らない価値があるわ」
彩が、静かな佇まいで、庭園の苔を見つめていた。
初日の観光を終え、俺たちが向かったのは京都市内の大規模な旅館だった。
長い回廊を通り、案内されたのは、100畳はあろうかという広い座敷。
そこには、200人の生徒たちが一堂に会して夕食を取るための、簡素な御膳が並べられていた。
「……いただきます」
一斉に食事が始まる。
だが、一口食べた瞬間、班の女子たちの表情が曇った。
「……味が、薄いというか。素材の味が死んでるわね」
彩が、職人気質の鋭い味覚で眉を寄せた。
「冷めてるわ。効率を重視して、数時間前から並べていたのが丸分かりね」
茜が、規律に厳しい視線で御膳を見つめる。
「京都の旅館って、もっと繊細なものだと思ってたんだけど……。ちょっと期待外れかな」
襟華が、愛らしい顔を少しだけ歪めた。
邦彦と直樹は「腹に入れば同じだぜ!」と豪快に食べていたが、俺は箸を置き、その光景を分析した。
(サービス低下……。一見客である修学旅行生を『効率的な処理対象』としてしか見ていない証拠だ。大量生産・大量消費の観光モデル。これが将来のリピーター減少を招き、宿泊産業を衰退させる毒になる)
俺は、2043年の地獄を思い出した。
(未来では、こうした伝統ある旅館の多くが外資に買い叩かれ、あるいは人手不足で廃墟と化していた。今、目の前にあるこの『手抜き』こそが、崩壊への不渡り手形だ)
「……任三郎くん。また、怖い目をしてるわよ」
襟華が、そっと俺の袖を引いた。
「……いや。この出汁の薄さは、今の日本経済の『体力のなさ』と同期しているようでな。……東鶴さん。この味を覚えておくといい。これが『失われる前』の、末期の輝きだ」
「……何それ、不吉ね」
俺は心の中で、自分自身の「裏の行程表」を更新した。
観光資源としての日本。それを再生するには、単なる「もてなし」の精神だけでは足りない。
圧倒的な資本による再編。そして、本物の価値を理解する者だけを顧客にする、会員制の極めて排他的なプラットフォームの構築。
(まずは、この修学旅行中に、京都の土地勘と『本物の価値』がどこに隠されているか、私の審美眼で再評価してやろう)
午前5時30分。俺は、自室のデスクで最終的な持ち物点検を行っていた。
「……写ルンです、予備を含めて3本。おやつは300円以内という建前だが、カロリーメイトとウィダーインゼリーで実利を取る。しおり、筆記用具。そして、緊急連絡用のテレホンカード」
俺は、彫りの深い貌を鏡に向けた。
荷物は、当時のスタンダードな大型リュックサックにまとめている。最近ではキャリーケースを引く生徒も増え始めていたが、段差の多い京都の寺社仏閣や、砂利道での機動性を考えれば、背負うタイプが正解だ。「階段で詰まる」「電車内で場所を取る」といった、集団行動におけるボトルネックを避けるのは、元銀行マンとしてのリスク管理の基本である。
当時の撮影事情は、デジタルカメラがまだ一般的ではなかった。
写真は、フジカラーの『写ルンです』のようなレンズ付きフィルムが主流だ。修学旅行の終わりには、クラス全員が同じような緑色のプラスチックの塊を手にし、現像に出して数日待たなければ結果がわからない。個人でカメラを持つ者は稀で、たまに親から借りたAPSカメラを持っている奴がいれば、それが羨望の的となる、そんな牧歌的な時代だった。
「任三郎、時間よ! お父さんが駅まで車で送ってくれるって」
階下から、母の声が響く。
リビングに降りると、そこには薄手のニットにタイトなスラックスを合わせた、早朝とは思えないほど完璧な美しさを湛えた美津子がいた。彼女のしなやかな肢体と、朝露のように瑞々しい肌は、八王子の静かな住宅街において、あまりに過剰な華やかさを放っている。
「……父さん、悪いな。仕事の前に」
「気にするな。任三郎、京都の歴史もいいが、今の関西がどう動いているか、しっかり見てこいよ。銀行員としての視点を忘れるな」
父が、ハンドルを握りながらバックミラー越しに息子を見た。
「……ああ。観光の皮を被った、実地監査だと思って見てくるよ」
午前6時45分。八王子駅の改札前は、巨大なリュックを背負った中学3年生たちで埋め尽くされていた。
同学年、約200人。クラスごとに整列し、担任による点呼が始まる。
「3年2組、全員いるか? ……一人足りないな。佐々木か?」
担任が、駅の公衆電話から親に連絡を入れる。まだ携帯電話が子供に普及していない時代、急な遅刻や欠席の確認には時間がかかる。結局、佐々木は急な高熱による病欠であることが判明した。
「……情報の伝達速度が、この時代の最大の脆弱性だな」
俺は心の中で呟いた。
「おい任三郎! 準備万端かよ。俺、昨日の夜興奮して全然寝れなかったぜ!」
門廻邦彦が、朝日を反射するような輝かしい笑顔で駆け寄ってきた。
日焼けした肌、清潔感のある短髪。彼はまさに1998年の太陽そのものだ。その後ろからは、クールな塩顔の北子直樹が、落ち着いた足取りで続いてくる。
「邦彦、騒ぐな。まだ八王子だぞ。……葛石、新幹線は何系に乗れるか聞いたか?」
直樹の鋭い視線が、ホームへと向けられる。
「……横浜線で新横浜へ向かい、そこから『のぞみ』か『ひかり』だ。ホームで待っているのは、300系あたりが自然だろうな。カモノハシのような先頭形状。あれが日本の高度経済成長の最後を象徴する『鉄路の怪物』だ」
「鉄路の怪物……。お前、相変わらず言い回しが独特だな」
俺たちは横浜線に揺られ、新横浜駅へ。
新幹線のホームに滑り込んできたのは、期待通りの300系新幹線だった。白地に青いライン、少し角張ったそのフォルムに、生徒たちから「うおー!」「速そう!」と歓声が上がる。
「見て! 私、お父さんからこれを借りてきたの」
東鶴襟華が、バッグから小さなシルバーのカメラを取り出した。
愛らしい笑顔と知的なショートカット。彼女の手には、当時最新鋭だった『Canon IXY』――APSカメラが握られていた。
「すごいわね、新幹線。横から見ると、本当に巨大な槍みたい。任三郎くん、一緒に撮ってあげる」
「……俺は、撮られるより撮る方が専門だ。シャッターチャンスは、歴史が動く瞬間にしか訪れないからな」
「もう、理屈ばっかり。はい、ポーズ!」
襟華の屈託のない笑顔に、俺の冷徹な仮面が微かに緩む。APSフィルムの「カシャッ」という軽快な巻き上げ音が、旅の始まりを告げていた。
新幹線の車内。
自由行動の班は、俺、邦彦、襟華、直樹、そして1組から合流した上波茜、日名川彩の6人で構成されていた。
「よろしくお願いします、葛石くん。門廻くん」
上波茜が、圧倒的な気品で、深々と頭を下げた。170cm近い長身に、陶器のような白い肌。野球部マネージャーとして鍛えられた彼女の背筋は、中学生とは思えない高潔なオーラを放っている。
「日名川です。移動中のお菓子、少し多めに作ってきちゃった。みんなで食べましょう」
日名川彩が、柔らかく透明感のある微笑みでタッパーを差し出す。彼女から漂うハーブと焼き菓子の香りが、殺伐とした新幹線の空気感を一瞬で「サロン」に変えてしまった。
「……賑やかな班になりそうだな。直樹、バランス調整を頼むぞ」
「了解した。俺はこの個性の強すぎる連中を、時間通りに京都へ届けることに全力を尽くすよ」
直樹が苦笑いしながら席を整える。
座席を回転させ、6人で向かい合わせになる。
窓の外、富士山がゆっくりと通り過ぎていく。1998年の景色。まだ高層ビルが少なく、空が広い。
「よし、新幹線といえばUNOだろ! 負けた奴は、好きな奴の名前を白状する。いいな!」
邦彦がカードを配り始める。
俺は配られたカードを、財務諸表を監査するように眺めた。
数字の増減。相手の残りの手札。表情の揺らぎ。
UNOという子供の遊びですら、俺にとっては情報の非対称性を利用したシミュレーションの場だ。
「葛石くん、さっきから全然表情が変わらないわね。……ドロー4を出された時も、まるで金利の上昇を見守る銀行員みたいに冷静なんだもの」
襟華が楽しそうに俺の顔を覗き込む。
「……カードの配分には確率論があるだけだ。そこに一喜一憂するコストは支払わない」
「ふふ、でも、日名川さんの『ワイルド』カードには勝てないみたいよ?」
茜が、涼しげな瞳で俺の敗北を予言した。
京都までの数時間。
UNOの応酬と、1998年の初夏の車窓。
俺の内側に潜む60歳の亡霊は、この「無価値な時間」こそが、2043年には失われていた最大の贅沢であることを、皮肉にも噛み締めていた。
京都に到着すると、駅前の喧騒は修学旅行生と外国人観光客で溢れかえっていた。
俺たちは団体用のバスに乗り込み、清水寺、金閣寺、銀閣寺を強行軍で巡った。
「金閣寺……。足利義満の権力誇示の極致だな。だが、この金箔の維持費に、どれだけの拝観料が投じられているのか」
俺が呟くと、後ろでスコアブックをつけていた茜が頷いた。
「規律ある美しさね。でも、どこか空虚だわ。……見られていることを意識しすぎている」
「私は銀閣寺の方が好きだな。わびさび……。時間をかけて色褪せていくものにしか宿らない価値があるわ」
彩が、静かな佇まいで、庭園の苔を見つめていた。
初日の観光を終え、俺たちが向かったのは京都市内の大規模な旅館だった。
長い回廊を通り、案内されたのは、100畳はあろうかという広い座敷。
そこには、200人の生徒たちが一堂に会して夕食を取るための、簡素な御膳が並べられていた。
「……いただきます」
一斉に食事が始まる。
だが、一口食べた瞬間、班の女子たちの表情が曇った。
「……味が、薄いというか。素材の味が死んでるわね」
彩が、職人気質の鋭い味覚で眉を寄せた。
「冷めてるわ。効率を重視して、数時間前から並べていたのが丸分かりね」
茜が、規律に厳しい視線で御膳を見つめる。
「京都の旅館って、もっと繊細なものだと思ってたんだけど……。ちょっと期待外れかな」
襟華が、愛らしい顔を少しだけ歪めた。
邦彦と直樹は「腹に入れば同じだぜ!」と豪快に食べていたが、俺は箸を置き、その光景を分析した。
(サービス低下……。一見客である修学旅行生を『効率的な処理対象』としてしか見ていない証拠だ。大量生産・大量消費の観光モデル。これが将来のリピーター減少を招き、宿泊産業を衰退させる毒になる)
俺は、2043年の地獄を思い出した。
(未来では、こうした伝統ある旅館の多くが外資に買い叩かれ、あるいは人手不足で廃墟と化していた。今、目の前にあるこの『手抜き』こそが、崩壊への不渡り手形だ)
「……任三郎くん。また、怖い目をしてるわよ」
襟華が、そっと俺の袖を引いた。
「……いや。この出汁の薄さは、今の日本経済の『体力のなさ』と同期しているようでな。……東鶴さん。この味を覚えておくといい。これが『失われる前』の、末期の輝きだ」
「……何それ、不吉ね」
俺は心の中で、自分自身の「裏の行程表」を更新した。
観光資源としての日本。それを再生するには、単なる「もてなし」の精神だけでは足りない。
圧倒的な資本による再編。そして、本物の価値を理解する者だけを顧客にする、会員制の極めて排他的なプラットフォームの構築。
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