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第11話 夜の静寂、あるいは未熟な均衡
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夕食の「質の低い出汁」による落胆を、俺は脳内の『宿泊産業改善リスト』に放り込み、意識を自由時間へと切り替えた。
旅館『古都の風』の夜。200人の生徒たちがクラスごとに時間をずらして大浴場へ向かい、その前後の時間はロビー脇の売店が「修学旅行バブル」の様相を呈していた。
「おい任三郎! 見ろよこれ、龍が巻き付いた木刀! マジで格好良くないか?」
門廻邦彦が、埃を被った売り場の隅から、いかにも昭和の観光地然とした木刀を引っ張り出してきた。日焼けした精悍な顔に、15歳特有の無邪気な熱狂を浮かべている。
「……邦彦。その物体を八王子まで運搬するコストと、帰宅後のゴミとしての処理費用を計算したことはあるか? その龍の彫り込みに、実利は一切存在しない。情報の密度がゼロに近い、典型的な『不要債権』だ。買うのはやめておけ」
「……お前、相変わらず夢がねぇな。じゃあ、こっちの『新選組』って書かれたTシャツは?」
「さらに酷いな。文字のタイポグラフィが1980年代で止まっている。公共の場でそれを着用すれば、君の社会的信用は暴落するぞ」
「けっ、お堅い銀行員様だぜ。じゃあお前は何を買うんだよ」
邦彦が拗ねたように唇を尖らせた。
俺は迷わず食品コーナーへと歩を進めた。
陳列棚には、定番の八ツ橋、そしてなぜか三重の赤福まで並んでいる。流通網が整備されつつある1998年とはいえ、京都の旅館で伊勢の名物を売るという雑なラインナップに、俺は微かに眉を動かした。
「母さんには『夕子』のニッキ抜き。父さんには茶菓子として日持ちする煎餅だ。お土産とは、贈る相手の嗜好を分析した上での『関係性への再投資』だよ。適当な木刀を渡して、相手が心から喜ぶ確率がどれほど低いか理解しているか?」
「……お土産を『再投資』って呼ぶやつ、初めて見たよ。葛石のお母さん、あんなに綺麗なんだから、もっと可愛いもん買ってやれよ」
邦彦が心配そうに俺のチョイスを眺めるが、俺は曖昧に肩をすくめて返した。
「……母さんは現実的だ。形の残るガラクタより、胃に収まって消える『消え物』の合理性を理解している」
母の、あの瑞々しく完璧な肢体と聡明な瞳を思い出す。彼女なら、俺がこの修学旅行中に「何を見てきたか」を、土産物のセンス一つで読み取ろうとするだろう。
「あ、葛石くんたち。お土産選んでるの?」
不意に背後から、湯上がりの石鹸の香りと共に、透明感のある声が届いた。
振り返った瞬間、俺と邦彦は言葉を失った。
そこには、大浴場から上がったばかりの東鶴襟華、上波茜、そして日名川彩の三人が並んでいた。
旅館の備え付けの浴衣。本来なら野暮ったく見えるはずのその衣服が、彼女たちの前では高級メゾンのコレクションのように洗練されて見えた。
襟華は、愛らしい笑顔を浮かべている。濡れたショートカットの先から滴る雫が、浴衣の襟元に小さな染みを作っていた。その無防備なうなじの白さに、15歳の少年たちの本能が激しく揺さぶられる。
「……おい任三郎。なんでアイツら、いつもより3割増しで可愛く見えるんだ?」
「……毛細血管が拡張し、肌のヘモグロビン濃度が上昇しているせいだろう。それと、湿った髪による光の乱反射。視覚的ノイズが減り、本質的な造形美が際立っているだけだ」
「……お前、本当に分析マシーンだな。でも、否定はできないぜ」
邦彦が小声で唸る。
茜は、高潔なオーラを纏い、長身に映える浴衣を完璧に着こなしていた。腰帯の締め方一つにも隙がなく、陶器のような肌が風呂上がりで微かに上気している様は、絵画のような完成度だった。
「葛石くん。そんなに凝視されると、スコアをつけられているみたいで落ち着かないわ」
茜が、薄い唇を微かに綻ばせて微笑む。
「……いや、失礼。素材の良さが、安価な浴衣という制約の中でどれほど反発するか、興味深く観察していただけだ」
「ふふ、相変わらずね」
彩が、優雅で柔らかな空気を纏って一歩前に出た。
「葛石くん、八ツ橋を選ぶなら、こっちの老舗の方が小豆の炊き方が丁寧よ。私の感覚だと、ここのが一番『本物』に近いわ」
彼女が指し示したのは、棚の奥にある地味なパッケージの銘柄だった。職人気質の彩が言うのなら、間違いはない。
「……助かるよ、日名川さん。君の審美眼を信じよう」
三人の美少女が揃った売店前は、もはや一つの聖域だった。他の男子生徒たちが、遠巻きに指をくわえて眺めている。1998年の初夏の夜、彼女たちが放つ熱量は、不自由な56kbpsの回線の向こう側にあるどんなデジタルデータよりも、鮮烈に俺の脳幹を刺激していた。
21時。自由時間が終わり、俺たちは大部屋へと戻った。
10畳以上の広い座敷に、隙間なく敷き詰められた布団。15歳の少年たちが10人以上、一つの空間に閉じ込められる。この状況で静かに眠るなど、マーケットが明日閉鎖されると予言するより不可能なことだ。
「よし、野郎ども! 戦争の時間だ!」
誰かの叫び声と共に、修学旅行の「儀式」が始まった。
枕投げだ。
そば殻が詰まった硬い枕が、暗い部屋の中を無秩序な放物線を描いて飛び交う。布団はぐちゃぐちゃになり、舞い上がった埃で誰かがむせ返る。
「……やめておけ。ハウスダストの飛散による呼吸器へのダメージを考えろ。クラスに一人、喘息持ちの佐々木がいるだろう。彼を病欠からさらに追い込むつもりか?」
俺が冷徹なトーンで静止をかける。
「……葛石、お前、こういう時はノリが悪りぃなぁ!」
「ノリの問題ではない。リスク管理の問題だ」
俺の言葉に、北子直樹が苦笑いしながら加勢した。
「邦彦、葛石の言うことも一理ある。これ以上やると、見回りの先生が来るぞ。戦術的撤退だ」
枕投げの嵐が落ち着くと、部屋は奇妙な「夜のノリ」へと移行した。
押し入れの奥に潜んで「御札」を探し始めるオカルト好き、こっそり女子の部屋へ繋がる避難経路を確認しようとする血気盛んな連中。
2043年の静寂と孤独を知る俺にとって、この混沌は、あまりに未熟で、しかし眩しすぎる生命の躍動だった。
「なぁ任三郎。……お前、本当は誰が好きなんだよ」
暗闇の中、邦彦の問いかけが部屋の空気を一変させた。
「恋バナ」という、修学旅行における最大のメインディッシュの登場だ。周囲の連中も、一斉に耳をそば立てているのが気配でわかる。
俺は少し考え、深みのある声で答えた。
「……私の隣に並び、数字では測れない価値を、共に維持できる知性を持った相手だ。……強いて言うなら、理解し合えるという幻想を、最後まで美しく維持し続けられる人間だな」
「…………はぁ?」
邦彦が素っ頓狂な声を上げた。
「お前、マジで何を言ってるんだ? もっとこう、襟華ちゃんとか、隣のクラスの上波さんとか、具体名を出せよ!」
「……具体名を出すことは、ポートフォリオを公開することと同じだ。それは手の内を明かす無能のすることだよ」
周りの連中が「うおー! 格好つけすぎだろ!」「でも葛石ならありえる!」と騒ぎ出す。15歳の純情な問いに対する、60歳の回答。その埋めがたいギャップが、夜のテンションをさらに加速させていく。
「こら! 何時だと思ってるんだ! 静かにしろ!」
22時を過ぎた頃、廊下に重い足音が響き、担任の先生が乱入してきた。
「……全員、寝ろ! 明日は朝から奈良だぞ! 次に声が聞こえたら、全員廊下で正座だ!」
先生が去ると、数秒の静寂の後、再びクスクスという笑い声が漏れる。
「……なぁ、女子の部屋はどうなってるかな」
「聞いた話だと、上波さんが見張り役をやってるらしいぜ。彼女が入り口に立ってたら、先生も気圧されて入れないって噂だ」
「……上波さんならやりそうだな。彼女の規律は、この程度の教師の権威を上回っている」
俺は直樹の言葉に同意した。
女子の部屋では、襟華が本を読み、茜がスケジュールを精査し、彩が持参したアロマで皆を癒やしているのだろう。そんな想像を絶するほど豪華な光景が、同じ屋根の下に存在している。
やがて、一人、また一人と寝息が聞こえ始めた。
邦彦も「明日こそは鹿をドリブルで抜いてやる……」と意味不明な寝言を呟きながら、深い眠りに落ちている。
俺は一人、開いた窓から京都の夜空を見上げた。
街の灯りは1998年らしく、どこか控えめだ。
スマホの通知も、SNSの喧騒もない。情報の遮断された、純粋な夜。
「……悪くない。情報のノイズが少ない夜は、思考を研ぎ澄ませるのに最適だ」
前の人生では、こうした夜を「ただの退屈」として浪費していた。
だが今は違う。
明日、奈良の古刹で確認すべき土地の価値、そして新幹線の車中で打ち込んだIT株の推移。すべては、この静かな夜の裏側で脈動している。
「日本社会の認識を、私が書き換える。……そのためには、まずこの未熟な世代の『夢』を、資本に変える器を作らなければならない」
俺は、冷徹で底知れぬ野心を湛えた瞳を閉じ、短い眠りについた。
1998年、修学旅行1日目の夜。
黄金の覇道は、少年たちの青臭い恋バナと、少女たちの浴衣の香りを糧にして、さらに強固な「未来の設計図」を描き始めていた。
旅館『古都の風』の夜。200人の生徒たちがクラスごとに時間をずらして大浴場へ向かい、その前後の時間はロビー脇の売店が「修学旅行バブル」の様相を呈していた。
「おい任三郎! 見ろよこれ、龍が巻き付いた木刀! マジで格好良くないか?」
門廻邦彦が、埃を被った売り場の隅から、いかにも昭和の観光地然とした木刀を引っ張り出してきた。日焼けした精悍な顔に、15歳特有の無邪気な熱狂を浮かべている。
「……邦彦。その物体を八王子まで運搬するコストと、帰宅後のゴミとしての処理費用を計算したことはあるか? その龍の彫り込みに、実利は一切存在しない。情報の密度がゼロに近い、典型的な『不要債権』だ。買うのはやめておけ」
「……お前、相変わらず夢がねぇな。じゃあ、こっちの『新選組』って書かれたTシャツは?」
「さらに酷いな。文字のタイポグラフィが1980年代で止まっている。公共の場でそれを着用すれば、君の社会的信用は暴落するぞ」
「けっ、お堅い銀行員様だぜ。じゃあお前は何を買うんだよ」
邦彦が拗ねたように唇を尖らせた。
俺は迷わず食品コーナーへと歩を進めた。
陳列棚には、定番の八ツ橋、そしてなぜか三重の赤福まで並んでいる。流通網が整備されつつある1998年とはいえ、京都の旅館で伊勢の名物を売るという雑なラインナップに、俺は微かに眉を動かした。
「母さんには『夕子』のニッキ抜き。父さんには茶菓子として日持ちする煎餅だ。お土産とは、贈る相手の嗜好を分析した上での『関係性への再投資』だよ。適当な木刀を渡して、相手が心から喜ぶ確率がどれほど低いか理解しているか?」
「……お土産を『再投資』って呼ぶやつ、初めて見たよ。葛石のお母さん、あんなに綺麗なんだから、もっと可愛いもん買ってやれよ」
邦彦が心配そうに俺のチョイスを眺めるが、俺は曖昧に肩をすくめて返した。
「……母さんは現実的だ。形の残るガラクタより、胃に収まって消える『消え物』の合理性を理解している」
母の、あの瑞々しく完璧な肢体と聡明な瞳を思い出す。彼女なら、俺がこの修学旅行中に「何を見てきたか」を、土産物のセンス一つで読み取ろうとするだろう。
「あ、葛石くんたち。お土産選んでるの?」
不意に背後から、湯上がりの石鹸の香りと共に、透明感のある声が届いた。
振り返った瞬間、俺と邦彦は言葉を失った。
そこには、大浴場から上がったばかりの東鶴襟華、上波茜、そして日名川彩の三人が並んでいた。
旅館の備え付けの浴衣。本来なら野暮ったく見えるはずのその衣服が、彼女たちの前では高級メゾンのコレクションのように洗練されて見えた。
襟華は、愛らしい笑顔を浮かべている。濡れたショートカットの先から滴る雫が、浴衣の襟元に小さな染みを作っていた。その無防備なうなじの白さに、15歳の少年たちの本能が激しく揺さぶられる。
「……おい任三郎。なんでアイツら、いつもより3割増しで可愛く見えるんだ?」
「……毛細血管が拡張し、肌のヘモグロビン濃度が上昇しているせいだろう。それと、湿った髪による光の乱反射。視覚的ノイズが減り、本質的な造形美が際立っているだけだ」
「……お前、本当に分析マシーンだな。でも、否定はできないぜ」
邦彦が小声で唸る。
茜は、高潔なオーラを纏い、長身に映える浴衣を完璧に着こなしていた。腰帯の締め方一つにも隙がなく、陶器のような肌が風呂上がりで微かに上気している様は、絵画のような完成度だった。
「葛石くん。そんなに凝視されると、スコアをつけられているみたいで落ち着かないわ」
茜が、薄い唇を微かに綻ばせて微笑む。
「……いや、失礼。素材の良さが、安価な浴衣という制約の中でどれほど反発するか、興味深く観察していただけだ」
「ふふ、相変わらずね」
彩が、優雅で柔らかな空気を纏って一歩前に出た。
「葛石くん、八ツ橋を選ぶなら、こっちの老舗の方が小豆の炊き方が丁寧よ。私の感覚だと、ここのが一番『本物』に近いわ」
彼女が指し示したのは、棚の奥にある地味なパッケージの銘柄だった。職人気質の彩が言うのなら、間違いはない。
「……助かるよ、日名川さん。君の審美眼を信じよう」
三人の美少女が揃った売店前は、もはや一つの聖域だった。他の男子生徒たちが、遠巻きに指をくわえて眺めている。1998年の初夏の夜、彼女たちが放つ熱量は、不自由な56kbpsの回線の向こう側にあるどんなデジタルデータよりも、鮮烈に俺の脳幹を刺激していた。
21時。自由時間が終わり、俺たちは大部屋へと戻った。
10畳以上の広い座敷に、隙間なく敷き詰められた布団。15歳の少年たちが10人以上、一つの空間に閉じ込められる。この状況で静かに眠るなど、マーケットが明日閉鎖されると予言するより不可能なことだ。
「よし、野郎ども! 戦争の時間だ!」
誰かの叫び声と共に、修学旅行の「儀式」が始まった。
枕投げだ。
そば殻が詰まった硬い枕が、暗い部屋の中を無秩序な放物線を描いて飛び交う。布団はぐちゃぐちゃになり、舞い上がった埃で誰かがむせ返る。
「……やめておけ。ハウスダストの飛散による呼吸器へのダメージを考えろ。クラスに一人、喘息持ちの佐々木がいるだろう。彼を病欠からさらに追い込むつもりか?」
俺が冷徹なトーンで静止をかける。
「……葛石、お前、こういう時はノリが悪りぃなぁ!」
「ノリの問題ではない。リスク管理の問題だ」
俺の言葉に、北子直樹が苦笑いしながら加勢した。
「邦彦、葛石の言うことも一理ある。これ以上やると、見回りの先生が来るぞ。戦術的撤退だ」
枕投げの嵐が落ち着くと、部屋は奇妙な「夜のノリ」へと移行した。
押し入れの奥に潜んで「御札」を探し始めるオカルト好き、こっそり女子の部屋へ繋がる避難経路を確認しようとする血気盛んな連中。
2043年の静寂と孤独を知る俺にとって、この混沌は、あまりに未熟で、しかし眩しすぎる生命の躍動だった。
「なぁ任三郎。……お前、本当は誰が好きなんだよ」
暗闇の中、邦彦の問いかけが部屋の空気を一変させた。
「恋バナ」という、修学旅行における最大のメインディッシュの登場だ。周囲の連中も、一斉に耳をそば立てているのが気配でわかる。
俺は少し考え、深みのある声で答えた。
「……私の隣に並び、数字では測れない価値を、共に維持できる知性を持った相手だ。……強いて言うなら、理解し合えるという幻想を、最後まで美しく維持し続けられる人間だな」
「…………はぁ?」
邦彦が素っ頓狂な声を上げた。
「お前、マジで何を言ってるんだ? もっとこう、襟華ちゃんとか、隣のクラスの上波さんとか、具体名を出せよ!」
「……具体名を出すことは、ポートフォリオを公開することと同じだ。それは手の内を明かす無能のすることだよ」
周りの連中が「うおー! 格好つけすぎだろ!」「でも葛石ならありえる!」と騒ぎ出す。15歳の純情な問いに対する、60歳の回答。その埋めがたいギャップが、夜のテンションをさらに加速させていく。
「こら! 何時だと思ってるんだ! 静かにしろ!」
22時を過ぎた頃、廊下に重い足音が響き、担任の先生が乱入してきた。
「……全員、寝ろ! 明日は朝から奈良だぞ! 次に声が聞こえたら、全員廊下で正座だ!」
先生が去ると、数秒の静寂の後、再びクスクスという笑い声が漏れる。
「……なぁ、女子の部屋はどうなってるかな」
「聞いた話だと、上波さんが見張り役をやってるらしいぜ。彼女が入り口に立ってたら、先生も気圧されて入れないって噂だ」
「……上波さんならやりそうだな。彼女の規律は、この程度の教師の権威を上回っている」
俺は直樹の言葉に同意した。
女子の部屋では、襟華が本を読み、茜がスケジュールを精査し、彩が持参したアロマで皆を癒やしているのだろう。そんな想像を絶するほど豪華な光景が、同じ屋根の下に存在している。
やがて、一人、また一人と寝息が聞こえ始めた。
邦彦も「明日こそは鹿をドリブルで抜いてやる……」と意味不明な寝言を呟きながら、深い眠りに落ちている。
俺は一人、開いた窓から京都の夜空を見上げた。
街の灯りは1998年らしく、どこか控えめだ。
スマホの通知も、SNSの喧騒もない。情報の遮断された、純粋な夜。
「……悪くない。情報のノイズが少ない夜は、思考を研ぎ澄ませるのに最適だ」
前の人生では、こうした夜を「ただの退屈」として浪費していた。
だが今は違う。
明日、奈良の古刹で確認すべき土地の価値、そして新幹線の車中で打ち込んだIT株の推移。すべては、この静かな夜の裏側で脈動している。
「日本社会の認識を、私が書き換える。……そのためには、まずこの未熟な世代の『夢』を、資本に変える器を作らなければならない」
俺は、冷徹で底知れぬ野心を湛えた瞳を閉じ、短い眠りについた。
1998年、修学旅行1日目の夜。
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