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第四章 天命
第四十二話 光
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擬態の魔人と戦うのはこれで二度目。
そして対策を練る時間はわずかながらあった。
そこから導き出された答えは。
速攻である。
最も近づいていたミミエルが銅の槌を振るう。
それを躱す擬態の魔人にシャルラの矢が迫る。ミミエルに当たってもおかしくない撃ち方だったが、そこはミミエルも了承している。
それさえも躱した擬態の魔人に背後からターハが迫るが髪に潜む蛇がターハをけん制する。
それを見た四人の思いは。
(やっぱりだ)
(擬態の魔人は)
(誰かに擬態しているとき)
(擬態している本人の掟しか使えない!)
現在ラマトの姿をしている擬態の魔人はラマトの掟しか使えない。つまりイレースのメラムを纏った掟……『敵をひれ伏せさせる掟』は使えない。
あれを使われて全滅した前回の失敗は繰り返さない。
だから、可能な限りラマトであるうちに倒す。
……エタ以外の三人はイレースの姿になった魔人をエタの目の前で殺したくないという意図もあったのだが……どうあれ素早く仕留めることに異論はなかった。
エタが知っているラマトの掟は二つ。
槍。『投げると手元まで戻る掟』。『泡を浮かべる掟』を持つ造花。
だが他にも掟を持っているかもしれない。可能であれば、それらさえ使う前に倒す。
三人が擬態の魔人を追い詰める。ラマトは優秀な冒険者だが、さすがに三対一で勝てるほど強くはない。
そして擬態の魔人はその擬態が完璧であるが故か、擬態の魔人が持つ能力は使えても、擬態している本人よりは強くなれない。
擬態の魔人が本来の姿を取り戻す隙は与えない。
とん、とラマトの背中が樹に当たる。追い詰めるようにミミエルとターハが左右から襲い掛かる。
ぶん、と地面を抉りそうな衝撃を纏った攻撃が……樹にあたる。
擬態の魔人はトカゲよりも器用に二本足で樹に張り付いていた。
「あのサンダル、掟だ!」
この場の誰も知る由もないが、ラマトのサンダルには『壁に張り付く掟』が籠められている。
エタたちも初見の掟を使われては有効な対処が困難だった。
さらに擬態の魔人は器用に樹を登り、その幹の上に立つ。明らかな隙を与えてしまった。
「エタ! 逃げなさい!」
ミミエルが叫ぶ。
擬態の魔人は本性を現し、いくつもの動物や植物を組み合わせた奇怪な姿に変身……いやこれすらも擬態なのか。
さらに金色の斧を取り出した。
エタもようやく走り出す。
背後から滔滔と祝詞が聞こえる。
「偉大なる太陽と法の神、シャマシュ神に希う。ここに聖なる威厳を示したまえ」
すさまじい閃光と、轟音が響く。
これがメラムを纏った掟。これがある限り、擬態の魔人は倒せない。この光と音を聞けば誰もが直ちに地に伏せてしまう。
耳を閉じながらエタは必死で走る。あまりにも必死すぎたせいで、、エンリルの神印が胸元から飛び出てしまった。
むしろこうしたほうが安全なのだ。擬態の魔人はエタだけがこの塔を攻略できると思っている。だからエタだけは明確に排除する理由がある。
他はわざわざ殺す理由がない。
だからやはりエタは走る。
そして前の階層に戻る扉を見つけ、そこに飛び込んだ。何度も足を運んだ同じ風景が目に入る。
扉は同じグループの人間しか同じ螺旋階段に通さない。だからこれで擬態の魔人は手を出すことができない。
ただし。
擬態の魔人がシュメールの誰かに擬態しない限り。
扉に振り向いたエタは扉をくぐってきたミミエルと目が合った。もちろん本物のミミエルではない。エタが逃げた螺旋階段にたどり着くために擬態の魔人がミミエルに化けているのだ。
オオカミの瞳が迫る。
そして。
横合いで待ち構えていたラバサルの斧がミミエルに擬態した魔人の片腕を切り落とし、その勢いのまま胸に刃を突き立てた。
そして対策を練る時間はわずかながらあった。
そこから導き出された答えは。
速攻である。
最も近づいていたミミエルが銅の槌を振るう。
それを躱す擬態の魔人にシャルラの矢が迫る。ミミエルに当たってもおかしくない撃ち方だったが、そこはミミエルも了承している。
それさえも躱した擬態の魔人に背後からターハが迫るが髪に潜む蛇がターハをけん制する。
それを見た四人の思いは。
(やっぱりだ)
(擬態の魔人は)
(誰かに擬態しているとき)
(擬態している本人の掟しか使えない!)
現在ラマトの姿をしている擬態の魔人はラマトの掟しか使えない。つまりイレースのメラムを纏った掟……『敵をひれ伏せさせる掟』は使えない。
あれを使われて全滅した前回の失敗は繰り返さない。
だから、可能な限りラマトであるうちに倒す。
……エタ以外の三人はイレースの姿になった魔人をエタの目の前で殺したくないという意図もあったのだが……どうあれ素早く仕留めることに異論はなかった。
エタが知っているラマトの掟は二つ。
槍。『投げると手元まで戻る掟』。『泡を浮かべる掟』を持つ造花。
だが他にも掟を持っているかもしれない。可能であれば、それらさえ使う前に倒す。
三人が擬態の魔人を追い詰める。ラマトは優秀な冒険者だが、さすがに三対一で勝てるほど強くはない。
そして擬態の魔人はその擬態が完璧であるが故か、擬態の魔人が持つ能力は使えても、擬態している本人よりは強くなれない。
擬態の魔人が本来の姿を取り戻す隙は与えない。
とん、とラマトの背中が樹に当たる。追い詰めるようにミミエルとターハが左右から襲い掛かる。
ぶん、と地面を抉りそうな衝撃を纏った攻撃が……樹にあたる。
擬態の魔人はトカゲよりも器用に二本足で樹に張り付いていた。
「あのサンダル、掟だ!」
この場の誰も知る由もないが、ラマトのサンダルには『壁に張り付く掟』が籠められている。
エタたちも初見の掟を使われては有効な対処が困難だった。
さらに擬態の魔人は器用に樹を登り、その幹の上に立つ。明らかな隙を与えてしまった。
「エタ! 逃げなさい!」
ミミエルが叫ぶ。
擬態の魔人は本性を現し、いくつもの動物や植物を組み合わせた奇怪な姿に変身……いやこれすらも擬態なのか。
さらに金色の斧を取り出した。
エタもようやく走り出す。
背後から滔滔と祝詞が聞こえる。
「偉大なる太陽と法の神、シャマシュ神に希う。ここに聖なる威厳を示したまえ」
すさまじい閃光と、轟音が響く。
これがメラムを纏った掟。これがある限り、擬態の魔人は倒せない。この光と音を聞けば誰もが直ちに地に伏せてしまう。
耳を閉じながらエタは必死で走る。あまりにも必死すぎたせいで、、エンリルの神印が胸元から飛び出てしまった。
むしろこうしたほうが安全なのだ。擬態の魔人はエタだけがこの塔を攻略できると思っている。だからエタだけは明確に排除する理由がある。
他はわざわざ殺す理由がない。
だからやはりエタは走る。
そして前の階層に戻る扉を見つけ、そこに飛び込んだ。何度も足を運んだ同じ風景が目に入る。
扉は同じグループの人間しか同じ螺旋階段に通さない。だからこれで擬態の魔人は手を出すことができない。
ただし。
擬態の魔人がシュメールの誰かに擬態しない限り。
扉に振り向いたエタは扉をくぐってきたミミエルと目が合った。もちろん本物のミミエルではない。エタが逃げた螺旋階段にたどり着くために擬態の魔人がミミエルに化けているのだ。
オオカミの瞳が迫る。
そして。
横合いで待ち構えていたラバサルの斧がミミエルに擬態した魔人の片腕を切り落とし、その勢いのまま胸に刃を突き立てた。
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