幼なじみギャル(偽)と異世界転移したら金髪ショタ(謎)に保護されました

定春

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暴露と覚醒

告白

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「用事ができたら呼ぶのであなたは席を外して」
 サーラさんが世話人の子にそう言って部屋の扉を閉めた。
 丸いテーブルを囲んでそれぞれが椅子に座る。
「あまり素性すじょう詮索せんさくするのも良くないと思い今まで聞いてませんでしたが、お二人は一体何者なのですか?」
 聞かれなかったから答えることも無かったが、どうやら灯花とうか刺青いれずみは僕達の事を改めて知る為のきっかけになったらしい。
「僕と灯花は……別の世界からこの世界に"転移"?させられて来たみたいで……」
 僕はあの日の放課後に起きた一連の顛末てんまつと、そこから森でカガリに保護されて聖法イズナを修得したこと、元の世界に戻るための召喚魔法を使える人を探している……と、一通りの説明をした。
「なるほど……。ユウ様がお兄様と酷似こくじしている理由がなんとなく分かりました」
 僕の説明でサーラさんには何かピンと来たらしい。
「それよりも拙者の背中のタトゥーを説明して欲しいでござるっ!」
 灯花が珍しく焦っている。
「トウカお姉さまの背中にあったのは"神樹しんじゅもん"っていう加護のしるしで……」
 アルネリアちゃんが口を開く。
「アルの胸にあるのと同じ、神樹さまからの"ちょうあいのあかし"なんだよ~」
「ふむふむ?」
 分かったような、分からないような……。
「神樹とは各国に存在する大樹の総称です。ドラグ・コトラの龍王樹りゅうおうじゅやロンダバオの大門樹たいもんじゅ、ヒュペレッドの三巴樹みつはじゅなどがそれにあたります」
「拙者の背中やアルちゃんの胸元にあったのはソレということでござるな」
「ええ。普段は見えませんが、感情や法力マナの高まりに応じて神樹の紋は顕在化けんざいかします」
白粉おしろいりみたいなものでござるか……」
 普段は見えないと聞いて灯花は落ち着きを取り戻したようだ。
「それがあるとどうなるの?」
「神樹の力を得ることで常人を超えた力を発揮はっきでき……例えばアルの場合は法力マナを感じ取る力が非常に高く、それによって離れた場所で何が起きたかを知る遠見とおみに近い能力を持っています」
 遠見……超能力的なものか?
「……それって拙者達に言っても良いのでござるか?」
「公表はしていませんが、私達のことを知る人は予想しているでしょう。エルは国の軍事力を示すため公称していますし」
「エルさんも付いてるの?」
「エルにも付いてます」
「もう少し言い方を変えて欲しいでござる……」
 灯花がよく分からないことを気にしている。
「ここからが本題なのですが、紋はそれぞれ神樹によって意匠いしょうが違います。エルの龍王樹の紋と私達の三巴樹の紋が違うように。そしてトウカさんのそれはとある・・・神樹の紋なのですが……」
「何か良くないのでござるか?」
「いえ、普通は書物でしか見れないと言われるような門外不出の紋なので真偽しんぎが不明でして……」
 サーラさんは深く息を吐き、何か決心したような真剣な表情になる。

「トウカさんの背中に付いているのは聖王樹せいおうじゅの紋です」

「聖王樹……?」
 たしか、カガリの持ち物に"聖王樹の灰"ってあったな……。
「聖王樹は神樹の中で最も格が高く、その紋を持つ者は聖光教において聖女の扱いを受けると言われています」
「拙者が聖女……」
「もしカガリに見られてたら大変なことになってたかもな」
 今ごろ旅どころじゃなくなってたりして。
「とにかく、それは他の誰にも見られてはいけません。元の世界に戻るのが目的なら尚更なおさらです」
「もし見られたら……?」
「トウカさんは聖王国で監禁かんきんに近い状態にされ一生を過ごすことになるでしょう」
 想像以上にハードな事態だった。
ゆえに門外不出。聖女とはそれ程の立場なのです」
「なるほどなるほど。そう言えばさっき"私達の・・・"って言っていたでござるが、サーラ氏にもあるのでござるか?」
 普段は隠れていると言ってたけど、浴室で見た時にはそれらしいものは無かったな。
「私の場合は目立ちにくい場所にありますので……今も顕在化させてますが分からないでしょう?」
 服を着ているのに分かるか聞くってことは、いま見えている部分のどこかにあるのか?
「うーん……」
 腕や足を見ても分からない。首から上のどこかだろうか?
「髪の毛の中とか?」
「ふふっ。違いますよ」
 サーラさんがイタズラっぽく笑う。
「正解はココです」
 右眼を指さすサーラさん。よくよく見ると、確かに眼の中になにか紋章のようなものが見える。
「以前、ユウ様に言いましたが私には法力マナの流れが見えます。更に言うと、その法力に干渉かんしょうして少しですが思考を誘導したりもできるんですよ」
 その言葉で会食の時に起きた出来事を思い出した。
「あの時も使ってたってこと?」
 サーラさんはニコニコと笑う。
「えぇ。ユウ様を籠絡ろうらくしてしまおうと思ってましたので」
 その姿には特に悪びれている様子は無い。
「どうして?……それは僕がお兄さんに似ているのとなにか関係があるの?」
 サーラさんがうなずく。
「もしかして、それってユウ氏がそのお兄様と酷似しているのとも関係してたりするのでござるか?」
 再びサーラさんが頷いた。
「単刀直入に言いましょう。少なくとも、ユウ様は誰かに利用される為にこの世界へと呼び出されています」
 突然の話に僕は動揺する。
「"利用"って……僕は特別なことなんてなにも出来ないよ?」
 僕は普通の一般人で、特別な何かを持っている人間なんかじゃないんだから。
「いえ、あなたのたましいはこの世に唯一無二ゆいいつむにの特別なものです。なぜなら」
 次の瞬間、サーラさんが信じられない言葉を放った。

「お兄様……魔王アザム・トールの魂とほぼ同一なのですから」
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