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暴露と覚醒
発覚
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「何事でござるっ!?」
悲鳴のあった脱衣所に急ぐ。
そこには壁に打ち付けられたようにダウンしたユウ氏と、局部を両手で隠す全裸姿のエル氏が居た。
「いてて……」
部屋のソファに座り、僕は自分の身体に"治療の聖法"をかける。
「突然のことだったとは言え、護衛すべき相手に怪我をさせてしまうなんて……マリガン・エル一生の不覚ですわ!」
服を着たエルさんが頭を下げる
「いえ、気付かずに洗面所から出てきた僕も悪いので……」
いつの間にかベッドで寝かされていた僕は全身のベタつきが気になって浴場の手前にある洗面所に行った。
脱衣所で物音がしたので灯花かサーラさん達だと思って出ていくと、そこには一糸まとわぬ姿のエルさんが居たのだ。
「悲しい事故でござったな……」
あまり悲しそうではない表情で遠くを見つつ、灯花は僕に何かを書いたメモの切れ端を渡してきた。
"魔王紋の刺青をファンデーションで隠してるからエル氏に絶対バレないように"
そこで僕は食事に行った時の出来事を思い出した。
灯花がどこかに消えて、自分じゃ抑えきれない感情の波に飲み込まれてしまったことを。
そこから先は覚えてないけど、恐らくそれがキッカケで魔王紋が出てしまったんだろう……。
「エルさん、僕はもう大丈夫なのでお風呂に入ってもらって構いませんよ」
「はい……。次はユウさんに裸を見られても動揺しないようにしますわ!」
エルさんはもう一度頭を下げて部屋から出ていった。
「…………」
扉が閉まったのを確認して、僕は灯花の方に向き直る。
「説明をしてくれるか?」
「魔王紋がエル氏にバレると非常にマズイのでござる」
「僕が魔王だと思われるから?」
「それもあるでござるが、一番の理由は……」
コンコン
「失礼します」
返答を待たずにサーラさんとアルネリアちゃんが入ってくる。
「どうして魔王紋が消えてるんですか?」
二人は机を挟んで対面のソファに座ると僕に質問を投げかけた。
「消えたわけじゃなくて、灯花がファンデーション……化粧で上塗りしてくれたんだ」
だんだん慣れてきてはいるけど、全身にベタつく感触があるのは早めに何とかしたい。
「こんな自然な色で肌を隠せるなんて……。これはユウ様の世界の品物ですよね?」
「うん」
灯花が化粧品を学校に持ってきてて助かった。
「なんにせよ、エルに見られなかったのは幸運でした。もしかしたらそのまま討伐される危険もありましたから」
「ユウお兄さま危なかったね……」
え、一歩間違えば殺されるところだったってこと?
「ファンデが落ちないように警戒しつつ進まないといけないでござるな」
「化粧品が僕の命綱なのか……。エルさんと別れるまで頼むよ灯花」
「了解でござる!」
灯花がビシッと敬礼する。
「それでは、もう夜も遅いですしお暇しましょうか」
サーラさんが席を立つ。
「ユウお兄さま、おやすみなさい!」
「うん、二人ともおやすみ」
扉を開けて出る時にアルネリアちゃんが笑顔でこっちを振り返り手を振る。
それを見て僕と灯花も手を振り返した。
「それじゃ、拙者も失礼するでござる」
「あぁ。色々と迷惑かけてごめんな」
「拙者とユウ氏の仲でそんなこと言いっこなしでござるよ~!」
ニコッと笑って灯花も立ち上がる。
「あ、そう言えばさ」
「?」
「全身にファンデーションを塗ってくれたんだよな?」
「当然でござる!心臓を中心に全身へと広がる魔王紋を全て塗り潰したのでござるから!」
「パンツの中も塗ってるよな?」
「さらばでごさる!!」
僕の質問に答えること無く、目にも止まらぬ速さで灯花は扉を開けて出ていった。
手紙鳥は飛ぶ。
東の方へと手紙鳥は飛ぶ。
色は黒。"普通"の青ではなく、"高速"の黄でもなく、"緊急"の赤でもない黒い手紙鳥。
夜空に紛れて飛ぶ姿は、地上からだと闇に吸い込まれて誰かに見られることは無い。
誰にも知られず国境を越え、黒い手紙鳥は目的地へと飛ぶ。
"魔王出現"の報せを携えて。
【第四章 完】
悲鳴のあった脱衣所に急ぐ。
そこには壁に打ち付けられたようにダウンしたユウ氏と、局部を両手で隠す全裸姿のエル氏が居た。
「いてて……」
部屋のソファに座り、僕は自分の身体に"治療の聖法"をかける。
「突然のことだったとは言え、護衛すべき相手に怪我をさせてしまうなんて……マリガン・エル一生の不覚ですわ!」
服を着たエルさんが頭を下げる
「いえ、気付かずに洗面所から出てきた僕も悪いので……」
いつの間にかベッドで寝かされていた僕は全身のベタつきが気になって浴場の手前にある洗面所に行った。
脱衣所で物音がしたので灯花かサーラさん達だと思って出ていくと、そこには一糸まとわぬ姿のエルさんが居たのだ。
「悲しい事故でござったな……」
あまり悲しそうではない表情で遠くを見つつ、灯花は僕に何かを書いたメモの切れ端を渡してきた。
"魔王紋の刺青をファンデーションで隠してるからエル氏に絶対バレないように"
そこで僕は食事に行った時の出来事を思い出した。
灯花がどこかに消えて、自分じゃ抑えきれない感情の波に飲み込まれてしまったことを。
そこから先は覚えてないけど、恐らくそれがキッカケで魔王紋が出てしまったんだろう……。
「エルさん、僕はもう大丈夫なのでお風呂に入ってもらって構いませんよ」
「はい……。次はユウさんに裸を見られても動揺しないようにしますわ!」
エルさんはもう一度頭を下げて部屋から出ていった。
「…………」
扉が閉まったのを確認して、僕は灯花の方に向き直る。
「説明をしてくれるか?」
「魔王紋がエル氏にバレると非常にマズイのでござる」
「僕が魔王だと思われるから?」
「それもあるでござるが、一番の理由は……」
コンコン
「失礼します」
返答を待たずにサーラさんとアルネリアちゃんが入ってくる。
「どうして魔王紋が消えてるんですか?」
二人は机を挟んで対面のソファに座ると僕に質問を投げかけた。
「消えたわけじゃなくて、灯花がファンデーション……化粧で上塗りしてくれたんだ」
だんだん慣れてきてはいるけど、全身にベタつく感触があるのは早めに何とかしたい。
「こんな自然な色で肌を隠せるなんて……。これはユウ様の世界の品物ですよね?」
「うん」
灯花が化粧品を学校に持ってきてて助かった。
「なんにせよ、エルに見られなかったのは幸運でした。もしかしたらそのまま討伐される危険もありましたから」
「ユウお兄さま危なかったね……」
え、一歩間違えば殺されるところだったってこと?
「ファンデが落ちないように警戒しつつ進まないといけないでござるな」
「化粧品が僕の命綱なのか……。エルさんと別れるまで頼むよ灯花」
「了解でござる!」
灯花がビシッと敬礼する。
「それでは、もう夜も遅いですしお暇しましょうか」
サーラさんが席を立つ。
「ユウお兄さま、おやすみなさい!」
「うん、二人ともおやすみ」
扉を開けて出る時にアルネリアちゃんが笑顔でこっちを振り返り手を振る。
それを見て僕と灯花も手を振り返した。
「それじゃ、拙者も失礼するでござる」
「あぁ。色々と迷惑かけてごめんな」
「拙者とユウ氏の仲でそんなこと言いっこなしでござるよ~!」
ニコッと笑って灯花も立ち上がる。
「あ、そう言えばさ」
「?」
「全身にファンデーションを塗ってくれたんだよな?」
「当然でござる!心臓を中心に全身へと広がる魔王紋を全て塗り潰したのでござるから!」
「パンツの中も塗ってるよな?」
「さらばでごさる!!」
僕の質問に答えること無く、目にも止まらぬ速さで灯花は扉を開けて出ていった。
手紙鳥は飛ぶ。
東の方へと手紙鳥は飛ぶ。
色は黒。"普通"の青ではなく、"高速"の黄でもなく、"緊急"の赤でもない黒い手紙鳥。
夜空に紛れて飛ぶ姿は、地上からだと闇に吸い込まれて誰かに見られることは無い。
誰にも知られず国境を越え、黒い手紙鳥は目的地へと飛ぶ。
"魔王出現"の報せを携えて。
【第四章 完】
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