幼なじみギャル(偽)と異世界転移したら金髪ショタ(謎)に保護されました

定春

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アルド・カガリ

カガリの過去(1/3)

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 アルド・カガリは聖王国の外れにある小さな村に産まれた。
 三十人ほどしかいないせまい村の中で苗字みょうじは必要なく、家族や村民からは"カガリ"と呼ばれていた。
 畑をたがやし家畜を育て、狩猟しゅりょうや釣りができる自然に囲まれた村は食べるものに困ることが無く、きらびやかとは程遠いが満ち足りた環境だった。


 カガリが5歳の誕生日を迎えた日。
 その平和な村はほろびた。



「カーガーリっ!おーはーよっ!」
 朝食を食べていると5つ歳上の幼馴染おさななじみのメリルに家の外から呼ばれる。
 カガリに限らず村の子供全員のまとめ役をつとめるメリルは朝から村中むらじゅうの家をまわる。
「おはようメリルちゃん」
 扉を開けて母さんがメリルに笑いかける。
「おはようございます!カガリは起きてますかっ!!」
 起きてるわよ~とボクの方を見る母さん。
 とうのボクは呼び声が聞こえてから急いで朝食のシチューを飲み干して、今はお皿をめた水につけているところだ。
「いってきます!」
 肩掛けの小さなかばんつかんで母さんの横を通り抜ける。
「忘れ物はない?」
「うん!」
 昨日と同じ。でも、いつもと違う今日の始まりをなんとなく感じながらボクはメリルと一緒に村の広場まで走った。

「それじゃ、今日は腰の怪我で動けないポリフおじじの畑を手伝うよ!」
「「「「「はーい!」」」」」
 村にいる子供が全員集まってメリルの号令で動く。
 外での狩りは大人にならないとできないけど、畑仕事や家畜のお世話だったらボク達でもできる仕事だ。
「メリルお姉ちゃん!キレイな石を拾ったからあげるー!」
 キラキラと光る石を手に持っている短髪の少年はボクと同い歳のオイショ。
「メリルねえ~。これ、みんなで食べてってお母さんが~」
 花の模様もよう刺繍ししゅうされた布のつつみをメリルに渡したリタタは村で1番小さな女の子。
「メリル姉さーん」
「メリル姉~!」
 メリルは子供達みんなから好かれている人気者だ。
「はいはい。おじじのお手伝いが終わったらみんなで笑牛ラクトの散歩をしにお花畑に行こうね~」
「「「「「はーい!」」」」」
 メリルが歩けばみんながついて歩く。
 メリルが笑えばみんなが笑った。
 ボクもそんなメリルとみんなで一緒にいるが大好きだ。

「おぉ……みんな手伝いに来てくれたのか」
 畑のそばのかぶこしけていたポリフおじじがつえで体を支えながらゆっくりとこっちに歩いてくる。
「おじじ!じっとしてないとダメだよ!」
 メリルが走っておじじに肩を貸す。
「いやいや、すまんのう……。家の前に空いていた小さな穴に足を取られてしまってな……」
「もー!今日は私達みんなで手伝うから、おじじはしっかり休んでてね?」
「ありがとうありがとう。みんな、今日はよろしくたのむ」
 弱々しく手を上げるおじじを切り株に座らせて、ボク達は畑に入る。
「こうやって、くわを土に差し込んで持ち上げると畑の土がひっくり返るでしょ?そしたらそこに石ころや根っこがあれば拾って畑からよけるの。簡単でしょ?」
 みんながメリルの説明を聞いて仕事に取り掛かる。
「こ、こう?」
 メリルの次に歳上のナヤンが恐る恐る鍬を振る。
「そうそう!男の子はナヤンが一番歳上だから、そっちは任せるね!」
「わかった!」
 そう言って、メリルは向こうのはしっこから鍬で畑の土をひっくり返し始めた。
 二人がひっくり返した場所に落ちているゴミを拾ってはクズかごに集めてゴミ捨て場に運ぶのを繰り返し続けた。
「あれま、子供総出そうでで手伝ってんのかい?」
「お、ガヤンか。もうそっちの畑は終わったんか?」
 おじじと話しているのはナヤンの父親のガヤンだ。
「いんや、なんかよく分からんが畑の土が全部ひっくり返されててなぁ」
「誰か代わりにやってくれたんか?」
「さあなぁ?おかげで手間がはぶけたが、誰がやったか分からんからなんだか気持ちわりぃよ」
 頭をくガヤンと首をかしげるポリフおじじ。
 そんな二人を横目に見ながら、ボク達はせっせと働く。
 この畑もついでにやってくれてたら良かったのになぁ……なんてことをボクは考えていた。
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