47 / 47
47話 ★
しおりを挟む
『藤村隼人が助演男優賞受賞! 続編制作決定!』
『藤村隼人出演作品、上映会は絶賛の嵐! 鳴り止まないスタンディングオーベーション!』
『世界を魅了した藤村隼人! これまでの出演作品からその魅力を徹底解説!』
スーツケースを持った人々が行き交う空港のベンチで、隼人はスマートフォンで自分の記事を一通りチェックする。かつてネットを騒がせた隼人のゴシップはとっくに忘れ去られ、芸能トピックスは見事に隼人が映画祭で受賞した内容で一色になっている。
あれだけ隼人のことを叩いていた各メディアは、今や手のひらを返して隼人を評価していた。
「……爪痕は残せたってところだな」
社長や仙崎の思惑通り、隼人はオーディションを実力で勝ち取り日本以外の場所でその存在を広めるに至った。
演技力を評価してくれた監督やプロデューサーからは作品が撮り終わる前に次の仕事の話を貰え、撮影スタッフの口コミのお陰で毎日のように何処からともなく仕事が舞い込むようになっていた。
また隼人の性欲が暴走してしまう問題は、撮影終了まで一度も起こることがなかった。撮影のある日の前日は仙崎に抱いてもらっていたことも影響しているのだろうが、性欲のコントロールが出来なくて困っていた頃が夢か幻かのように思えるほど何の反応も起こらなかった。喜ばしいことだが困惑していた隼人とは対称的に、仙崎の嬉しそうな表情が印象に残っている。
何となくだが、隼人には性欲が暴走しなかった理由も仙崎が嬉しそうにしていたことにも察するものがあった。ここ最近は、達し方がメスイキばかりで射精が伴わないことが多く、仙崎に重く張ってしまった睾丸を揉まれながら搾り取るか、吸い取って貰わないと出せなくなっていた。
自分の身体は雄としての機能を忘れていっているように感じるが、たとえ本当にそうだとしても後悔はない。愛されていると断言できるほどの愛情を注いでもらっていて、肉体の変化は仙崎も歓迎している。愛している人の望む方向へ身体が変化しているだけだから何も問題はない。
「ふう、エゴサはもういいや」
隼人はいくつかの記事に軽く目を通して他はタイトルだけをさらっと見ると、スマートフォンの電源を切ってリュックにしまう。
こういった記事に一喜一憂していた昔の自分が懐かしい。
隼人がぼんやりと電光掲示板を眺めていると、隣に座っていた仙崎が声をかけてきた。
「隼人、搭乗時間までまだ時間があります。何か食べておきますか?」
「う~ん、日本に着いてからでいいや。久々にラーメン食べたい」
「ではそうしましょう。それにしても本当に帰国してしまっていいのですか? 沢山オファーが来ているので、このまま海外に活動拠点を移せばもっと人気が出るでしょう」
「まあそうなんだろうけどね」
実力を認めてもらえたことは純粋に嬉しかった。
トップスターと肩を並べられる日が来た時は本当にテンションが上がって眠れなかった。
本当にいい経験になったし、充実した日々を過ごすことが出来た。
仙崎の言う通り、このまま海外で活動するのも有りではあるのだが。
「正直に言って仕事をしに来るだけならともかく、こっちで生活するのはキツい。俺は国外に出て初めて日本の良さがわかったよ」
隼人自身、この考えに至るまではまだ海外でトップスターの道を目指してみようか、という考えもあった。芝居に関しては、有名なスター達と張り合えると自負していた。しかし仕事以外の現実がそんなには甘くなかった。
「財布はスられるし、リュックは切られるし、銃声は良く聞こえてくるし、薬物でラリってる奴らがそこら中にいてマジで怖い。大通りから一本横道に移動しただけでゴミと注射針の山なのヤバイ。ご飯もあんまり口に合わなくって水は一本千円超え。日本がどれだけ安全でご飯が美味しいのかよーーくわかった。俺は夜中にコンビニ行きたいし、ラーメンとうどんとか手軽に食べたい」
「確かに日本と同レベルに治安が良い国はそんなにありませんね。物価も急激に高くなっていますし」
苦笑いする仙崎に、隼人はチラッと意味深な視線を送る。
色々と日本に帰りたい理由を上げたが、一番の理由はそこではない。
なにせ帰国すれば隼人の生活圏は地下室だと決まっている。許されてもせいぜい仙崎宅の敷地内のみ。コンビニに行くことはないし、ラーメンもうどんも手作りで用意してくれる可能性が高い。
活躍できる可能性を捨ててでも帰国したい最大の理由、それは――。
「修二さんかなり我慢してるよね。ホテルとかトレーラーハウスだとあんまり汚すようなことは出来ないし、防音機能も良くなかった。本当は激しくしたいのに抑えてるし、撮影がキツかった時は俺の身体を気遣って修二さんは満足出来てないでしょ?」
「……ええ、その通りです。ですがそれだけの理由で帰国を選んでしまっていいのですか? 隼人ならもっと飛躍できる道があるのに」
「それだけなんて言わないでよ。俺の仕事で我慢させちゃったのなら、今度は俺が修二さんのために動くのは当然でしょ。……それに俺も遠慮なしでやれるのを期待してるってことだよ。お金とか名声よりもプライベートを充実させたいんだ」
「隼人は私の扱いが上手くなりましたね。そんなふうに誘われたら今すぐこの場で襲いたくなってしまいます。帰国したら覚悟して下さいね」
仙崎は目を輝かせて極上の笑顔を浮かべながら物騒な発言をする。
隼人は仙崎の満面の笑みに隠れた獣性をしっかりと感じ取り、人前にもかかわらず腹の奥がきゅんっと疼いた。
「望むところだよ。最後まで付き合ってあげる」
「はあっ、んんっ! あっ、あっ…、ふふっ、修二さんがっつき過ぎ。んあっ!」
「隼人の言っていたようにかなり我慢していたんです。ここに帰ってきたのならもう遠慮はなしでいきます」
帰国した隼人達は、空港で待ち構えていたマスコミを適当にあしらうと二人だけの愛の巣へ直行した。
キスを交わしながら身体を絡め合い、お互いに服を脱がせながら久々の地下室へとなだれ込む。隼人がベッドに押し倒された時には既に二人共一糸まとわぬ姿になっていた。
乳首を吸われ脇を舐められ、息をする暇もないほどにキスを交わし合って体温を高めていく。仙崎に散々快楽を教え込まれたこの身体は、周りに配慮したセックスなんて物足りないくて仕方がなかった。
これから激しく繋がり合うのだと、高揚しながら抱き合っていると、ふと思い出したように仙崎が顔を上げた。
「隼人にプレゼントがあるんです」
「プレゼント?」
「ええ、向こうで受け取っていたのですが、帰国準備で慌ただしかったので渡すタイミングを逃していたんです」
少し待っていて下さい、そう言って仙崎が地下室から出ていくと、すぐに戻ってきた手には小さな箱を持っていた。
「さあどうぞ。きっと似合いますよ」
そう言って開けられた箱から、桜のようなピンク色の宝石がついた一組のイヤリングが入っていた。金属部分が白銀なのでより宝石のピンクが際立っている。プラチナだろうか。
「イヤリングだ。これを俺に?」
「ええ。ピアスだと穴を開けなければいけませんからイヤリングにしました。色が濃くてこの大きさのピンクダイヤモンドはなかなか見つからないので手に入れるのに時間がかかりました。綺麗なピンク色でしょう? 隼人の可愛らしい乳首をさらに可愛く彩ってくれますよ」
「えっ!? 乳首につけるの?」
仙崎のとんでもない発言に隼人は思わず聞き返してしまう。
「せっかくですから私がつけますね」
「あ、うん」
隼人は動揺が収まらないまま仙崎に胸を差し出した。
彼の指が乳首を刺激して勃たせると、左右両方の乳首にイヤリングがつけられた。
イジられてぷっくりと充血した乳首を、プラチナの白さが摘み上げて強調し、ダイヤのピンク色が卑猥さを際立たせている。
とてもエッチだ。股間がむずむずしてしまう。
そして隼人は両方の乳首に施されたイヤリングを見て、頭をよぎったイメージがあった。
(なんか、これって……)
牛っぽくないだろうか。牛にこういう鼻輪がつけられていたイメージがある。
隼人にオシャレのセンスがないから思うことなんだろうか。
「似合ってる?」
「よく似合ってますよ! とっても扇情的です」
「そう、それならいいんだ。俺、なんか牛みたいに見えちゃったからさ」
「牛ですか?」
「いや、俺にセンスがないだけ。気にしないで」
「いいえ、それもありです。隼人は私専用のミルクを生産してくれる乳牛ということですね。そういうのもいいですね。うんうん、ありです」
「……あー、そう? まあ修二さんが興奮してくれるなら何でもいいけどね」
隼人は仙崎の新たな性癖の扉を開けてしまった気がして若干後悔した。
「では隼人のミルクを飲ませてもらいましょうか」
「……どうぞ」
自分が発端とはいえこのノリは恥ずかしいし、オヤジ臭ささもある気もする。しかし彼のためならばどんなプレイも受け入れると決めている。隼人は顔を赤らめて仙崎に脚を開いた。
「……んっ、はっ、あっ……。はうっ、んんっ……」
ぴちゃぴちゃと下肢から響く水音。柔らかな舌が別の生き物のように隼人のあそこを刺激する。マッサージするかのように睾丸を揉まれ陰茎を吸い上げられて、忘れかけている雄の機能を思い出して硬くなっていく。
「あっ……、んっ、んああっ! ああっ!」
掘削するように舌で鈴口をくすぐられ、隼人は思わず仰け反って太ももを震わせる。
「はあっ、はあっ! もう、出ちゃうかもっ!」
「いいですよ、出しなさい」
「あっ、あっ、あああっ! あ、っ――――!!」
仙崎はピクピクと反応する隼人のものを思いっ切り吸い上げながら、会陰部分を優しく押して極みに導いていく。
雄としての射精。しかし一人では到底得られない快楽による絶頂は、隼人を仙崎という名の闇の底へ沈めて縛り上げられる。それがわかっていてもこの闇に浸るのは気持ちが良い。
「やはり海外生活で少し味が変わってしまっています。油や砂糖が多い食事ばかりでしたからね。この地下室に帰ってきたからにはまた以前のように隼人の全てを管理します。ここから出るのは仕事があるときだけ。食事睡眠入浴排泄、全て私が介助します。隼人は私が与えるものだけを享受して私のことだけを考えて過ごしなさい。いいですね」
「はあっ、あっ、んっ。……はい」
またあの快楽漬けの日々が始まる。隼人はぞくぞくと肌を粟立たせて達したばかりの陰茎を震わせる。
何も考えずに、ただ腰を振ってイきまくって疲れたら眠る怠惰で背徳的な毎日。そしてその全てを仙崎に見られ、記録され、余すことなく愛されるこの地下室。
芝居をしている時も楽しい。
仕事を評価されるのも嬉しい。
でも、理想はここにある。
「はっ…、んっ、修二さん、もうきて。お腹の深いところまで俺を愛して」
隼人はより脚を広げて両手で尻の丘を掴み、仙崎に愛されて縦に割れてしまった後孔をしっかりと見せつけた。
「……隼人、本当にあなたは私の理想通りに育ちました。心から愛しています。あなたは私のものです」
「俺もだよ。大好き修二さん――、あっ、あああっ! はあっ、あっ、んああっ!」
ずっぷりと侵入してくる熱い肉棒は、太く滾って隼人の腹を広げていく。何度も受け入れてきた隼人の後孔は、すっかり形も大きさも覚えてしまって侵入する雄に絡みついて歓迎している。
隼人を雌にしてしまう剛直は、根本まで入り切るとゆっくり肉壁を擦り始める。
「はあっ! はあっ! ああっ、いいっ! 修二さん、修二さん!」
「っ…、いいですよ。吸い付いてくる。そう長く持たないかもしれません」
「いいよ、いくらでもイって! 俺の中で出して!」
隼人の望みを受けて、体内を突き上げるスピードが増して良い所をごりごりと刺激していく。
激しく揺さぶられイヤリングが跳ねて乳輪や乳首の先端を叩いていく。
「んあああっ! ひうっ、ああっ、いい、気持ちいいっ!」
目の前がチカチカして口の端から涎が溺れてしまう。
身体をもて遊んで、快楽を教え込まれ、隼人を救って雌に落とした酷い人。そこにはどうしようもないほどの愛があった。重くてねばっこくて変態的な愛情だが、一心に向けられれば絆されてしまう。
「隼人っ! ほら、出しますよっ!」
「あっ、あっ、あっ! ああああっ!! っ――――………!」
体内を濡らす熱い体液。ぶっかけられた肉壁は歓喜のあまり痙攣して雄を思いっ切り締め付けて隼人もまた達した。身体の奥に染み込んでいく白濁と、いまだに硬度を持って隼人を串刺しにしている肉棒に隼人は感じ入る。
「まだまだ終わりませんよ」
「っ…! あっ、あうっ! んん、ああっ! ああっ!」
再び動き出したペニスが、白濁を使ってより滑らかに隼人の深いところを突き上げる。
一番奥の壁を先端でノックすると、愛されて開発され続けた身体は簡単に扉を開いてしまう。
「んひいっ!! あああっ、そこっ! ふかいっ!」
「ここが好きでしょう? ほら、ほらっ、もっと気持ち良くしてあげる」
「あっ! あっ! んんっ! あっ、あああっ!」
「隼人、隼人! 可愛いですよ!」
隼人は強烈な快楽に頭を振って、喘ぎながら薄く目を開ける。
目の前の仙崎は、目をギラつかせて汗を流して隼人に一心不乱に腰を打ち付けていた。
隼人を攻める言葉とは裏腹に彼も余裕がないらしく、隼人の腰を力強くつかんで腰を振っている。
あのいつも格好良い彼がただ種付するために腰を振るだけの獣になっている。
(必死に腰を振ってる。可愛いかも…)
無性に湧き上がった感情に、隼人は彼の腰に脚を絡ませて自ら腰を振り始めた。
仙崎の動きに合わせて隼人も腰を振り、後孔に力を入れて彼の雄に絡みつかせる。
「くっ……! ふぅ、ああ、最高です!」
「んひいっ! ああっあっ! はあっ、あああっ! ああっ、いくうっ!!」
隼人が絶頂しそうになったその瞬間、仙崎は大きく引いて奥まで突き上げ、最奥をぐりぐりと抉って強烈な快感を隼人に与える。
「ひっ!? ぐっ、んあああっ――――……!!」
最奥を熱い液体が濡らしていく。
目の前が真っ白になって身体が浮遊するような感覚と共に、まるで天国にでも招かれたかのような最高の幸福感に包まれた。
「オーディションのウラ話や撮影秘話などがあればお聞かせ下さい」
「うーん、実はあんまり覚えていないんですよ。英語にも不安がありましたし、あの時はただ無我夢中でした。ただ自分のシーンを撮り終えると、監督が笑顔でOKサインを出してくれて、それで良いのが撮れているんだなって実感していました」
「それは嬉しいですね。それではプライベートなお話に移ろうと思います。休日はどんな事をしていらっしゃいますか?」
「寝て、食べて、運動してが中心ですね」
「身体を鍛えていらっしゃるのですか?」
「そういうわけではないのですが、スクワットとかよくします。後は背中をそらして背筋を鍛えたりとか。後は日光浴したりしますね」
隼人の目線の先でマネージャーが下を向いたのを見た。
きっと吹き出しそうになったに違いない。
「とっても健康的な生活を送られているのですね」
「ええ、プライベートもマネージャーが管理してくれているので助かっています」
「ではこれからの展望についてお聞かせ下さい」
「これからも様々な役に挑戦して、見る人を引き込むような芝居をしていきたいです」
隼人はにっこりと笑顔で締めの挨拶をすると、口角が緩んでいるマネージャーに意味深な笑顔を向けた。
「嘘は言ってないよ」
「ふふっ、まあ確かに嘘は言っていませんね」
「今日は何するの?」
「潮吹きとかどうですか?」
「変態だね~。いいよ、とことん付き合うよ」
「一瞬も目を逸らさないで、しっかり俺のこと見ててね」
『藤村隼人出演作品、上映会は絶賛の嵐! 鳴り止まないスタンディングオーベーション!』
『世界を魅了した藤村隼人! これまでの出演作品からその魅力を徹底解説!』
スーツケースを持った人々が行き交う空港のベンチで、隼人はスマートフォンで自分の記事を一通りチェックする。かつてネットを騒がせた隼人のゴシップはとっくに忘れ去られ、芸能トピックスは見事に隼人が映画祭で受賞した内容で一色になっている。
あれだけ隼人のことを叩いていた各メディアは、今や手のひらを返して隼人を評価していた。
「……爪痕は残せたってところだな」
社長や仙崎の思惑通り、隼人はオーディションを実力で勝ち取り日本以外の場所でその存在を広めるに至った。
演技力を評価してくれた監督やプロデューサーからは作品が撮り終わる前に次の仕事の話を貰え、撮影スタッフの口コミのお陰で毎日のように何処からともなく仕事が舞い込むようになっていた。
また隼人の性欲が暴走してしまう問題は、撮影終了まで一度も起こることがなかった。撮影のある日の前日は仙崎に抱いてもらっていたことも影響しているのだろうが、性欲のコントロールが出来なくて困っていた頃が夢か幻かのように思えるほど何の反応も起こらなかった。喜ばしいことだが困惑していた隼人とは対称的に、仙崎の嬉しそうな表情が印象に残っている。
何となくだが、隼人には性欲が暴走しなかった理由も仙崎が嬉しそうにしていたことにも察するものがあった。ここ最近は、達し方がメスイキばかりで射精が伴わないことが多く、仙崎に重く張ってしまった睾丸を揉まれながら搾り取るか、吸い取って貰わないと出せなくなっていた。
自分の身体は雄としての機能を忘れていっているように感じるが、たとえ本当にそうだとしても後悔はない。愛されていると断言できるほどの愛情を注いでもらっていて、肉体の変化は仙崎も歓迎している。愛している人の望む方向へ身体が変化しているだけだから何も問題はない。
「ふう、エゴサはもういいや」
隼人はいくつかの記事に軽く目を通して他はタイトルだけをさらっと見ると、スマートフォンの電源を切ってリュックにしまう。
こういった記事に一喜一憂していた昔の自分が懐かしい。
隼人がぼんやりと電光掲示板を眺めていると、隣に座っていた仙崎が声をかけてきた。
「隼人、搭乗時間までまだ時間があります。何か食べておきますか?」
「う~ん、日本に着いてからでいいや。久々にラーメン食べたい」
「ではそうしましょう。それにしても本当に帰国してしまっていいのですか? 沢山オファーが来ているので、このまま海外に活動拠点を移せばもっと人気が出るでしょう」
「まあそうなんだろうけどね」
実力を認めてもらえたことは純粋に嬉しかった。
トップスターと肩を並べられる日が来た時は本当にテンションが上がって眠れなかった。
本当にいい経験になったし、充実した日々を過ごすことが出来た。
仙崎の言う通り、このまま海外で活動するのも有りではあるのだが。
「正直に言って仕事をしに来るだけならともかく、こっちで生活するのはキツい。俺は国外に出て初めて日本の良さがわかったよ」
隼人自身、この考えに至るまではまだ海外でトップスターの道を目指してみようか、という考えもあった。芝居に関しては、有名なスター達と張り合えると自負していた。しかし仕事以外の現実がそんなには甘くなかった。
「財布はスられるし、リュックは切られるし、銃声は良く聞こえてくるし、薬物でラリってる奴らがそこら中にいてマジで怖い。大通りから一本横道に移動しただけでゴミと注射針の山なのヤバイ。ご飯もあんまり口に合わなくって水は一本千円超え。日本がどれだけ安全でご飯が美味しいのかよーーくわかった。俺は夜中にコンビニ行きたいし、ラーメンとうどんとか手軽に食べたい」
「確かに日本と同レベルに治安が良い国はそんなにありませんね。物価も急激に高くなっていますし」
苦笑いする仙崎に、隼人はチラッと意味深な視線を送る。
色々と日本に帰りたい理由を上げたが、一番の理由はそこではない。
なにせ帰国すれば隼人の生活圏は地下室だと決まっている。許されてもせいぜい仙崎宅の敷地内のみ。コンビニに行くことはないし、ラーメンもうどんも手作りで用意してくれる可能性が高い。
活躍できる可能性を捨ててでも帰国したい最大の理由、それは――。
「修二さんかなり我慢してるよね。ホテルとかトレーラーハウスだとあんまり汚すようなことは出来ないし、防音機能も良くなかった。本当は激しくしたいのに抑えてるし、撮影がキツかった時は俺の身体を気遣って修二さんは満足出来てないでしょ?」
「……ええ、その通りです。ですがそれだけの理由で帰国を選んでしまっていいのですか? 隼人ならもっと飛躍できる道があるのに」
「それだけなんて言わないでよ。俺の仕事で我慢させちゃったのなら、今度は俺が修二さんのために動くのは当然でしょ。……それに俺も遠慮なしでやれるのを期待してるってことだよ。お金とか名声よりもプライベートを充実させたいんだ」
「隼人は私の扱いが上手くなりましたね。そんなふうに誘われたら今すぐこの場で襲いたくなってしまいます。帰国したら覚悟して下さいね」
仙崎は目を輝かせて極上の笑顔を浮かべながら物騒な発言をする。
隼人は仙崎の満面の笑みに隠れた獣性をしっかりと感じ取り、人前にもかかわらず腹の奥がきゅんっと疼いた。
「望むところだよ。最後まで付き合ってあげる」
「はあっ、んんっ! あっ、あっ…、ふふっ、修二さんがっつき過ぎ。んあっ!」
「隼人の言っていたようにかなり我慢していたんです。ここに帰ってきたのならもう遠慮はなしでいきます」
帰国した隼人達は、空港で待ち構えていたマスコミを適当にあしらうと二人だけの愛の巣へ直行した。
キスを交わしながら身体を絡め合い、お互いに服を脱がせながら久々の地下室へとなだれ込む。隼人がベッドに押し倒された時には既に二人共一糸まとわぬ姿になっていた。
乳首を吸われ脇を舐められ、息をする暇もないほどにキスを交わし合って体温を高めていく。仙崎に散々快楽を教え込まれたこの身体は、周りに配慮したセックスなんて物足りないくて仕方がなかった。
これから激しく繋がり合うのだと、高揚しながら抱き合っていると、ふと思い出したように仙崎が顔を上げた。
「隼人にプレゼントがあるんです」
「プレゼント?」
「ええ、向こうで受け取っていたのですが、帰国準備で慌ただしかったので渡すタイミングを逃していたんです」
少し待っていて下さい、そう言って仙崎が地下室から出ていくと、すぐに戻ってきた手には小さな箱を持っていた。
「さあどうぞ。きっと似合いますよ」
そう言って開けられた箱から、桜のようなピンク色の宝石がついた一組のイヤリングが入っていた。金属部分が白銀なのでより宝石のピンクが際立っている。プラチナだろうか。
「イヤリングだ。これを俺に?」
「ええ。ピアスだと穴を開けなければいけませんからイヤリングにしました。色が濃くてこの大きさのピンクダイヤモンドはなかなか見つからないので手に入れるのに時間がかかりました。綺麗なピンク色でしょう? 隼人の可愛らしい乳首をさらに可愛く彩ってくれますよ」
「えっ!? 乳首につけるの?」
仙崎のとんでもない発言に隼人は思わず聞き返してしまう。
「せっかくですから私がつけますね」
「あ、うん」
隼人は動揺が収まらないまま仙崎に胸を差し出した。
彼の指が乳首を刺激して勃たせると、左右両方の乳首にイヤリングがつけられた。
イジられてぷっくりと充血した乳首を、プラチナの白さが摘み上げて強調し、ダイヤのピンク色が卑猥さを際立たせている。
とてもエッチだ。股間がむずむずしてしまう。
そして隼人は両方の乳首に施されたイヤリングを見て、頭をよぎったイメージがあった。
(なんか、これって……)
牛っぽくないだろうか。牛にこういう鼻輪がつけられていたイメージがある。
隼人にオシャレのセンスがないから思うことなんだろうか。
「似合ってる?」
「よく似合ってますよ! とっても扇情的です」
「そう、それならいいんだ。俺、なんか牛みたいに見えちゃったからさ」
「牛ですか?」
「いや、俺にセンスがないだけ。気にしないで」
「いいえ、それもありです。隼人は私専用のミルクを生産してくれる乳牛ということですね。そういうのもいいですね。うんうん、ありです」
「……あー、そう? まあ修二さんが興奮してくれるなら何でもいいけどね」
隼人は仙崎の新たな性癖の扉を開けてしまった気がして若干後悔した。
「では隼人のミルクを飲ませてもらいましょうか」
「……どうぞ」
自分が発端とはいえこのノリは恥ずかしいし、オヤジ臭ささもある気もする。しかし彼のためならばどんなプレイも受け入れると決めている。隼人は顔を赤らめて仙崎に脚を開いた。
「……んっ、はっ、あっ……。はうっ、んんっ……」
ぴちゃぴちゃと下肢から響く水音。柔らかな舌が別の生き物のように隼人のあそこを刺激する。マッサージするかのように睾丸を揉まれ陰茎を吸い上げられて、忘れかけている雄の機能を思い出して硬くなっていく。
「あっ……、んっ、んああっ! ああっ!」
掘削するように舌で鈴口をくすぐられ、隼人は思わず仰け反って太ももを震わせる。
「はあっ、はあっ! もう、出ちゃうかもっ!」
「いいですよ、出しなさい」
「あっ、あっ、あああっ! あ、っ――――!!」
仙崎はピクピクと反応する隼人のものを思いっ切り吸い上げながら、会陰部分を優しく押して極みに導いていく。
雄としての射精。しかし一人では到底得られない快楽による絶頂は、隼人を仙崎という名の闇の底へ沈めて縛り上げられる。それがわかっていてもこの闇に浸るのは気持ちが良い。
「やはり海外生活で少し味が変わってしまっています。油や砂糖が多い食事ばかりでしたからね。この地下室に帰ってきたからにはまた以前のように隼人の全てを管理します。ここから出るのは仕事があるときだけ。食事睡眠入浴排泄、全て私が介助します。隼人は私が与えるものだけを享受して私のことだけを考えて過ごしなさい。いいですね」
「はあっ、あっ、んっ。……はい」
またあの快楽漬けの日々が始まる。隼人はぞくぞくと肌を粟立たせて達したばかりの陰茎を震わせる。
何も考えずに、ただ腰を振ってイきまくって疲れたら眠る怠惰で背徳的な毎日。そしてその全てを仙崎に見られ、記録され、余すことなく愛されるこの地下室。
芝居をしている時も楽しい。
仕事を評価されるのも嬉しい。
でも、理想はここにある。
「はっ…、んっ、修二さん、もうきて。お腹の深いところまで俺を愛して」
隼人はより脚を広げて両手で尻の丘を掴み、仙崎に愛されて縦に割れてしまった後孔をしっかりと見せつけた。
「……隼人、本当にあなたは私の理想通りに育ちました。心から愛しています。あなたは私のものです」
「俺もだよ。大好き修二さん――、あっ、あああっ! はあっ、あっ、んああっ!」
ずっぷりと侵入してくる熱い肉棒は、太く滾って隼人の腹を広げていく。何度も受け入れてきた隼人の後孔は、すっかり形も大きさも覚えてしまって侵入する雄に絡みついて歓迎している。
隼人を雌にしてしまう剛直は、根本まで入り切るとゆっくり肉壁を擦り始める。
「はあっ! はあっ! ああっ、いいっ! 修二さん、修二さん!」
「っ…、いいですよ。吸い付いてくる。そう長く持たないかもしれません」
「いいよ、いくらでもイって! 俺の中で出して!」
隼人の望みを受けて、体内を突き上げるスピードが増して良い所をごりごりと刺激していく。
激しく揺さぶられイヤリングが跳ねて乳輪や乳首の先端を叩いていく。
「んあああっ! ひうっ、ああっ、いい、気持ちいいっ!」
目の前がチカチカして口の端から涎が溺れてしまう。
身体をもて遊んで、快楽を教え込まれ、隼人を救って雌に落とした酷い人。そこにはどうしようもないほどの愛があった。重くてねばっこくて変態的な愛情だが、一心に向けられれば絆されてしまう。
「隼人っ! ほら、出しますよっ!」
「あっ、あっ、あっ! ああああっ!! っ――――………!」
体内を濡らす熱い体液。ぶっかけられた肉壁は歓喜のあまり痙攣して雄を思いっ切り締め付けて隼人もまた達した。身体の奥に染み込んでいく白濁と、いまだに硬度を持って隼人を串刺しにしている肉棒に隼人は感じ入る。
「まだまだ終わりませんよ」
「っ…! あっ、あうっ! んん、ああっ! ああっ!」
再び動き出したペニスが、白濁を使ってより滑らかに隼人の深いところを突き上げる。
一番奥の壁を先端でノックすると、愛されて開発され続けた身体は簡単に扉を開いてしまう。
「んひいっ!! あああっ、そこっ! ふかいっ!」
「ここが好きでしょう? ほら、ほらっ、もっと気持ち良くしてあげる」
「あっ! あっ! んんっ! あっ、あああっ!」
「隼人、隼人! 可愛いですよ!」
隼人は強烈な快楽に頭を振って、喘ぎながら薄く目を開ける。
目の前の仙崎は、目をギラつかせて汗を流して隼人に一心不乱に腰を打ち付けていた。
隼人を攻める言葉とは裏腹に彼も余裕がないらしく、隼人の腰を力強くつかんで腰を振っている。
あのいつも格好良い彼がただ種付するために腰を振るだけの獣になっている。
(必死に腰を振ってる。可愛いかも…)
無性に湧き上がった感情に、隼人は彼の腰に脚を絡ませて自ら腰を振り始めた。
仙崎の動きに合わせて隼人も腰を振り、後孔に力を入れて彼の雄に絡みつかせる。
「くっ……! ふぅ、ああ、最高です!」
「んひいっ! ああっあっ! はあっ、あああっ! ああっ、いくうっ!!」
隼人が絶頂しそうになったその瞬間、仙崎は大きく引いて奥まで突き上げ、最奥をぐりぐりと抉って強烈な快感を隼人に与える。
「ひっ!? ぐっ、んあああっ――――……!!」
最奥を熱い液体が濡らしていく。
目の前が真っ白になって身体が浮遊するような感覚と共に、まるで天国にでも招かれたかのような最高の幸福感に包まれた。
「オーディションのウラ話や撮影秘話などがあればお聞かせ下さい」
「うーん、実はあんまり覚えていないんですよ。英語にも不安がありましたし、あの時はただ無我夢中でした。ただ自分のシーンを撮り終えると、監督が笑顔でOKサインを出してくれて、それで良いのが撮れているんだなって実感していました」
「それは嬉しいですね。それではプライベートなお話に移ろうと思います。休日はどんな事をしていらっしゃいますか?」
「寝て、食べて、運動してが中心ですね」
「身体を鍛えていらっしゃるのですか?」
「そういうわけではないのですが、スクワットとかよくします。後は背中をそらして背筋を鍛えたりとか。後は日光浴したりしますね」
隼人の目線の先でマネージャーが下を向いたのを見た。
きっと吹き出しそうになったに違いない。
「とっても健康的な生活を送られているのですね」
「ええ、プライベートもマネージャーが管理してくれているので助かっています」
「ではこれからの展望についてお聞かせ下さい」
「これからも様々な役に挑戦して、見る人を引き込むような芝居をしていきたいです」
隼人はにっこりと笑顔で締めの挨拶をすると、口角が緩んでいるマネージャーに意味深な笑顔を向けた。
「嘘は言ってないよ」
「ふふっ、まあ確かに嘘は言っていませんね」
「今日は何するの?」
「潮吹きとかどうですか?」
「変態だね~。いいよ、とことん付き合うよ」
「一瞬も目を逸らさないで、しっかり俺のこと見ててね」
11
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(8件)
あなたにおすすめの小説
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
朔の生きる道
ほたる
BL
ヤンキーくんは排泄障害より
主人公は瀬咲 朔。
おなじみの排泄障害や腸疾患にプラスして、四肢障害やてんかん等の疾病を患っている。
特別支援学校 中等部で共に学ぶユニークな仲間たちとの青春と医療ケアのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
仙崎さんの懐、底無しですねw隼人くんを閉じ込めるだけじゃなくて、俳優の仕事も傍で支えて♥️すごい素敵なハッピーエンドでした😆
新しい作品も楽しみに待ってます!
これまで応援して頂きありがとうございました😂
初めて感想を貰った日のことをよく覚えています。
最後まで続けられたのもきかるさんのお陰です。
次作はジャンルさえまだ決まっていないのですが、この先も創作活動を続けていこうと思います。
本当にありがとうございました🙇✨
控えめに言って最高ー。。。
今からクラブ頑張れそうです!!😂
感想ありがとうございます
yunaさんの力になれたのなら私も嬉しいです😄
クラブお疲れ様です!
こんばんは。隼人くんのメンタル、大丈夫かなぁ😂仙崎さんがいるからきっと大丈夫だと思うけれど😅ネット炎上がリアルですね。毒ままんに鉄槌を!更新楽しみに待ってます(^^)
感想ありがとうございます!
頑張ります!