20 / 45
第3章 神に愛されし者
第4話 ミモザ視点
しおりを挟む
ミモザは友達が欲しかった。
ミモザもかなり悲惨な境遇に置かれ、客に虐待されたこともあったが、気にならなかった。
仲間や他の人も苦しんでいたから。
ミモザはこれが普通と慣れてしまっていた。
でもいつも殴られながらもへらへらと笑っている彼女が気になっていた。
かのじょはいつも傷だらけだ。
ミモザはほんの少し哀れになり、介抱した。
そして少しずつ分かった。かのじょのこころは壊れている。
だからあんなにいじめられても何もしないんだ。
ミモザは怖くなった。はっと気づくと、他の人はいつの間にか消えている。
嫌な奴らが殺したんだ。ミモザは今の境遇がかのじょを通じてわかり始めた。
このままじゃあ・・ミモザは生存本能と危機本能が蘇るのを感じた。麻痺状態だったのが、感じるようになった。
ミモザはかのじょを友達にした。
かのじょを気に掛けることでミモザは自分の心がどうなっているのか知りたかった。
ミモザは怖い人達と寝ながら、少しでも必要な情報を集めようとした。
ミモザは男たちにとってモノだ。重要な情報を聞いても、まさかモノが動くとは思わないだろう。
それほど、ミモザは人ではなかった。嗚呼・・ここではあたしたちは幸福にはなれない。
ミモザは必死で媚びを売りながら、ある重要な情報を聞いた。
宗教施設? 暗殺部隊? ミモザは必死でその場所を探して、いつかそこへ逃げようと決心した。
もう弱者のままでは嫌だ。
でもいつ逃げるか・・?かのじょはどうする?
ミモザは迷い続けていた。
そんな日、かのじょはいつもより酷い目に合ってミモザの元に現れた。生きているのが不思議。
ミモザは思わずへらりと笑いそうになった。そして泣いた。
嗚呼崩壊する。あたしの心も、彼女の心もこんなところにいたらおしまいだ。
ミモザは、母親から与えられた名だ。ミモザは良い花言葉があるんだよ。
薬にもなる。と病で倒れた母親の顔がちらついた。
今しかない。かのじょがなおったら、逃げよう。連れて逃げよう。
かのじょはへらへらと回復したら、かのじょを傷つけた男たちを殺していた。
それはかのじょにとってとても神聖な行為だったのだろう。
嗚呼・・綺麗だわ。
ふとミモザはいつまでもこの光景を見ていたかった。でも時間がない。
はっと気づくと今度はあいつらの仲間が今度こそかのじょを殺す。
今しかない。
ミモザは必死の形相で、彼女を連れて、走って走って走り続けた。
逃げろ。逃げろ。逃げろ。
血豆ができても、足がボロボロになってもかまわなかった。あんな地獄から逃げるには死んでもかまわないぐらい
走るのだ。
何故これほど走ることができたのが、あの時はかのじょもミモザも思い出せない。断片的だ。
明かりがついた施設らしきものが見えた。黒い装束をつけた女達がたむろしていた。
ミモザは思わず助けて!と叫んだ。
「わたしたちをここで働かせて!なんでもするから!」
泣きながら懇願した。
女達はためらいながらも上の人と話をするといって、偉い人を連れてきた。綺麗な人だった。ダリアと言った。
花の名前だ。
ミモザは土下座しながら助けを求めた。
ダリアは無表情でなんでもするかと言った。ミモザはこくこくと壊れたように頷いた。
うんうんうんうん。
ダリアは深い溜息をついてわかったわ。部隊に入って、鍛えなさい。とミモザとかのじょはダリアに受けいられた。
嬉しかった。
それから目まぐるしい時があった。
いつの間にか、ミモザは『白い婦人』と呼ばれ、暗殺部隊でも頼れるものとして幹部になりつつあった。
かのじょは『地獄の道化師』とよばれるようになった。へらへらと弛緩した顔は変わらない。
あそこよりはましだとミモザは思った。今ではミモザも彼女も強くなった。
でも運命は不思議だ。
ある日、彼女の顔が正気を取り戻した顔になっていった。だんだん良くなっていく顔。
何があったのかと驚いた。
かのじょは天使のような笑顔をした。
「教祖様に治してもらった。 シズナ様だよ。シズナ様はホンモノだね。あたしの心が治るなんでね。」
「ミモザ。ありがとう。」
彼女ははにかんでいった。あたしはミモザに言いたかったけどあたしはもう壊れていたから壁が出来てミモザに手が届かなかった。と呟いた。
なんとなくかのじょの心境光景がまざまざと見えた。
嗚呼・・かのじょは壁からミモザの声を聴いていたんだ。
今壁が壊れたんだ。 かのじょは再生したんだ。
ミモザは神様ってここにいたんだなと思った。
シズナ様・・。ありがとうございます。
ミモザは深く感謝した。ここならミモザもかのじょも幸福になる。ミモザは確信できた。
ミモザもかなり悲惨な境遇に置かれ、客に虐待されたこともあったが、気にならなかった。
仲間や他の人も苦しんでいたから。
ミモザはこれが普通と慣れてしまっていた。
でもいつも殴られながらもへらへらと笑っている彼女が気になっていた。
かのじょはいつも傷だらけだ。
ミモザはほんの少し哀れになり、介抱した。
そして少しずつ分かった。かのじょのこころは壊れている。
だからあんなにいじめられても何もしないんだ。
ミモザは怖くなった。はっと気づくと、他の人はいつの間にか消えている。
嫌な奴らが殺したんだ。ミモザは今の境遇がかのじょを通じてわかり始めた。
このままじゃあ・・ミモザは生存本能と危機本能が蘇るのを感じた。麻痺状態だったのが、感じるようになった。
ミモザはかのじょを友達にした。
かのじょを気に掛けることでミモザは自分の心がどうなっているのか知りたかった。
ミモザは怖い人達と寝ながら、少しでも必要な情報を集めようとした。
ミモザは男たちにとってモノだ。重要な情報を聞いても、まさかモノが動くとは思わないだろう。
それほど、ミモザは人ではなかった。嗚呼・・ここではあたしたちは幸福にはなれない。
ミモザは必死で媚びを売りながら、ある重要な情報を聞いた。
宗教施設? 暗殺部隊? ミモザは必死でその場所を探して、いつかそこへ逃げようと決心した。
もう弱者のままでは嫌だ。
でもいつ逃げるか・・?かのじょはどうする?
ミモザは迷い続けていた。
そんな日、かのじょはいつもより酷い目に合ってミモザの元に現れた。生きているのが不思議。
ミモザは思わずへらりと笑いそうになった。そして泣いた。
嗚呼崩壊する。あたしの心も、彼女の心もこんなところにいたらおしまいだ。
ミモザは、母親から与えられた名だ。ミモザは良い花言葉があるんだよ。
薬にもなる。と病で倒れた母親の顔がちらついた。
今しかない。かのじょがなおったら、逃げよう。連れて逃げよう。
かのじょはへらへらと回復したら、かのじょを傷つけた男たちを殺していた。
それはかのじょにとってとても神聖な行為だったのだろう。
嗚呼・・綺麗だわ。
ふとミモザはいつまでもこの光景を見ていたかった。でも時間がない。
はっと気づくと今度はあいつらの仲間が今度こそかのじょを殺す。
今しかない。
ミモザは必死の形相で、彼女を連れて、走って走って走り続けた。
逃げろ。逃げろ。逃げろ。
血豆ができても、足がボロボロになってもかまわなかった。あんな地獄から逃げるには死んでもかまわないぐらい
走るのだ。
何故これほど走ることができたのが、あの時はかのじょもミモザも思い出せない。断片的だ。
明かりがついた施設らしきものが見えた。黒い装束をつけた女達がたむろしていた。
ミモザは思わず助けて!と叫んだ。
「わたしたちをここで働かせて!なんでもするから!」
泣きながら懇願した。
女達はためらいながらも上の人と話をするといって、偉い人を連れてきた。綺麗な人だった。ダリアと言った。
花の名前だ。
ミモザは土下座しながら助けを求めた。
ダリアは無表情でなんでもするかと言った。ミモザはこくこくと壊れたように頷いた。
うんうんうんうん。
ダリアは深い溜息をついてわかったわ。部隊に入って、鍛えなさい。とミモザとかのじょはダリアに受けいられた。
嬉しかった。
それから目まぐるしい時があった。
いつの間にか、ミモザは『白い婦人』と呼ばれ、暗殺部隊でも頼れるものとして幹部になりつつあった。
かのじょは『地獄の道化師』とよばれるようになった。へらへらと弛緩した顔は変わらない。
あそこよりはましだとミモザは思った。今ではミモザも彼女も強くなった。
でも運命は不思議だ。
ある日、彼女の顔が正気を取り戻した顔になっていった。だんだん良くなっていく顔。
何があったのかと驚いた。
かのじょは天使のような笑顔をした。
「教祖様に治してもらった。 シズナ様だよ。シズナ様はホンモノだね。あたしの心が治るなんでね。」
「ミモザ。ありがとう。」
彼女ははにかんでいった。あたしはミモザに言いたかったけどあたしはもう壊れていたから壁が出来てミモザに手が届かなかった。と呟いた。
なんとなくかのじょの心境光景がまざまざと見えた。
嗚呼・・かのじょは壁からミモザの声を聴いていたんだ。
今壁が壊れたんだ。 かのじょは再生したんだ。
ミモザは神様ってここにいたんだなと思った。
シズナ様・・。ありがとうございます。
ミモザは深く感謝した。ここならミモザもかのじょも幸福になる。ミモザは確信できた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる