ままのひみつ ぼくのひみつ

栗菓子

文字の大きさ
上 下
5 / 9

おばあちゃんのひみつ

しおりを挟む
天国へ戻ったぱぱは、ままのお母さん おばあちゃんが気になった。
ぱぱは、おばあちゃんに会ったことがない。
ぱぱが、人間になってままとあった時、おばあちゃんはすでに天国へ行っていた。
おばあちゃんはどこへと神様にぱぱはたずねた。

神様は、えええとなることをぱぱに言った。

おまえの義母となったおばあちゃんは、とんでもない偉大なひとだったぞ。

地上にとても恨みをもって非業の死を遂げた昔の武将 何百年も前に亡くなったのに、いまだに恨みで
多くの人に災いをもたらそうとしていた。それを祟り神というんだ。

おばあちゃんは巫女の血を引いていた。

おばあちゃんは、祟り神を宥める力があったんだよ。

恨みが浄化されて、天に召されるまでおばあちゃんはずっと、祟り神を宥めていた。

みんなは見えないからおばあちゃんを頭のおかしい女と言っていたけど神様はおばあちゃんが一番良いことをしていたと知っているよ。

お前が結婚した女の人もおばあちゃんの血を引いているから、土着神に、地上の神々に親しいんだろう。

だから、ままはあんなに善良なんだとぱぱは今更のように謎が解けていくような思いだった。

それでお義母さんはどこへと尋ねたら、一度は天国へ昇ったが、黄泉の国へ行ってしまった。

おばあちゃんの夫。おじいちゃんを探しに行った。

おばあちゃんはとても良いことをしたから天国へ来たけど、おじいちゃんは古い神様の血を引いていた。

黄泉の国といって、とても古い時代の死者の国だよ。

そこでは、とても怖い神様もいるんじゃ。 実は天国は良いことをした人のための国なんじゃ。

普通の人はまあ、そこそこのところで修行中じゃな。 悪いことをしたやつはやはり地獄で一度罰を与えられるだろう。
だが、おじいちゃんはそれにあてはまらない。元々、古い神様の血を引いていたから、黄泉の国へと下ったんじゃよ

お前の家族は、とんでもない家族じゃの。 死んでもなかなか、家族一同集まらぬかもしれぬ。

どうしてですか? ままは人助けはしているし天国ゆきでしょう。

もちろん、その通りじゃ。 神様は言った。 しかしお前の息子 おにいちゃんは、地獄の獄卒 罪人を罰するためのお仕置き人だったんじゃよ。 鬼だったんじゃ。ある日。もう嫌になった。疲れた。 燃え尽きた。仕事にうんざりしてな。 人間に生まれ変わりたい。 どうせなら懇意にしている巫女の血筋に生まれ変わりたいと地獄の王 閻魔王に嘆願したんだ。

おにいちゃんはとても偉大な巫女が好きだったんだ。

しかし元は、鬼。それも罪人を罰するお仕置き人だ。とても優秀でな。死んだら戻ってくれと地獄の王 閻魔王に頼まれたんだ。

天国へはいかずに、地獄で働くだろう。


ぱぱには吃驚することばかりだった。 巫女? 鬼? 黄泉の国?

あの世にも、古い時代と新しい時代が重なっているところがあるんじゃよ。

家族でも死んだら、それぞれの魂にふさわしいところへ行くんじゃよ。

天国は、良いことやとても良いことを成し遂げた人しか行けないんじゃよ。

その代わり、天国の人はどこにでも行ける。あの世は地上より広大じゃよ。


弟はまだわからぬが、ちょっと悪いところがあるのお。 ユルセナイと声が聞こえているのに知らんぷりしたり
おんなの人が罪を犯そうとしているのを止めなかった。あれで良かったんじゃないかとも思っている。
酷い目にあった人が復讐をしようとしているのを止めなかった。

子どもだから仕方がないが、大人になるとそうはいかんよ。
決して良いこととはいえない。


神様は苦々しい顔をして弟のことを語った。

ぱぱは弟のことが気になった。お兄ちゃん。頼むぞ。弟をなるべく良き道へ進ませてくれ。

悪いことをしたら罰してもいいから。お前は元お仕置き人だからお手の物だろう。

なるべく死んでも、また一緒に会いたいんだ。家族だもの。分かってくれるだろう。

ぱぱは天国でお兄ちゃんにこの事を伝えてくれと神様に頼んだ。

神様は夢でお兄ちゃんに伝えることにした。




しおりを挟む

処理中です...