33 / 38
第5章 修羅の時代
第7話 ミキの運命の相手
しおりを挟む
ミキが、各国の名士が集う貴族階級の社交界でデピュタントしたのは、春の祝祭の季節だった。
神秘的で、謎めいた雰囲気を纏ったミキは、やはり貴族の血を引いていたのだろう。 水を得た魚のようにミキは社交界で、誘ってくる男性たちを丁重にあしらっていく様は、貴族として超然としていた。
茶金色の流れるような長髪を丁寧に結い上げ、宝石でできた花の飾りを王冠の様に巻き付けたミキは、古代の女神のように見えた。 薄い青の瞳も光によって変化する奇妙な瞳をしていた。
淡い桃色の染料をした花模様のドレスは、異国風に誂えていた。 上品で軽やかな滑らかな生地は、見る眼が肥えている貴婦人たちを魅了した。
唇は、緑のように見えて真紅にも見える。玉虫色の紅をつけていた。その奇妙な異国風の化粧もミキの美しさを一層華やかにしていた。
そんな中、運命を感じた男性は数人いた。
褐色の肌をした端正な男アジュル・サーデイ 彼は荒野の大鷲を思わせた。貴族として紳士然としていたが、ミキの暗殺者としての本能が、この男は一流の武人として腕を磨いていると感じた。
彼も、ミキの実力と容姿を漠然と気に入ったようだった。
アジュルの藍色の瞳が嫣然とミキを見て、「美しき姫よ。今宵は貴方に会えて良かった。貴方は非常に魅力的な方だ。」 と蕩けるような甘い声でミキの手を取った。
まあ・・なんと魅力的な甘言だろうか・・。私が昏い道を歩んでいなかったら、大抵の貴族令嬢はこれで陥落するでしょうね・・。ミキは冷然と分析していた。
彼は非常に聡明で、己の魅力を思う存分に生かす能力に恵まれている。自信も、自尊心も高い人だ。
しかしその反面、挫折するほど重大な危機に陥ったら、脆弱な面を現すかもしれない。
ミキは、暗殺の中で、そういう哀れな人達の末路を見てきた。
彼は、そういう時が訪れることが無いといいけど・・。ミキは見透かすように微笑んだ。
2人目は、パリス・エンデイル伯爵の第3子 パリエルは、天使のように美しい容貌をした青年だった。
柔らかな栗色の髪をして、碧玉の瞳をした両性具有的な美を持った麗しき男だった。
彼は、女性的な心を持ちながらも、男性的な獰猛な面があった。
面白い方だ・・。下手したら喰われるかもしれない猛禽類の鳥だわ。 ああそうね。天使は戦う者だった。
正に彼に相応しい。
彼と戦ったらどちらが勝つだろうか?ミキは挑戦的にパリエルを見た。
パリエルもミキの実力を見て取り、ニイとかすかにアルカイックスマイルをした。
愚かな女と思われただろうか?しかし彼には戦いたいとも思わせる戦士の魅力があった。
3人目は、この世の者とは思えぬ絶世の美貌の持ち主だった。光り輝くような美貌をした金の髪、蒼玉の瞳
名工が魂を込めて彫ったような彫刻の男性神が息をしているような眩い男性だった。
圧倒的なオーラと、支配者の風格を見せている男性は、ルシル・ド・アーデン侯爵の子息だった。
彼は本当に神々しい存在だった。 ルシアンと言った。
ミキを見てかすかに目を見開いたが、その奇妙な様子は何故か印象に残った。
お互いに話もしなかったが、目と目が合って、しばらく彼らは目を離せなかった。
やがてミキとルシアンは離れたが、奇妙な余韻が残っていた。
ミキは不意に汗が出ているのを感じた。あれはヒトなのだろうか?あまりにも浮世離れしている・・。存在感が違う。怖い。ミキは何か別の生き物に出会ったようだった。
ミキはふうと溜息をついてこの世は広い。なんと不思議な人達ばかりなの・・。
ミキは、少し疲れたので、貴族の休憩の間に赴いた。
他の貴族の令嬢も艶やかにデピュタントしていたが、ミキの神秘的な容姿や美貌にはなかなか匹敵する者はいなかった。
嫉妬、恨みや女達から敵意を向けられたが、ミキは動じなかった。この位容易いものだ。
そんな暇があったら、己を磨けばよいものを‥暇な女達・・。ミキは内心思った。
ミキのデビュタントは成功を収めた。 のちに求愛の手紙や、求婚などが多く実家に送られてきた。
執事と、両親の厳しい検閲の元、数通だけがミキに渡された。
あの3人の男性の手紙もあった。
神秘的で、謎めいた雰囲気を纏ったミキは、やはり貴族の血を引いていたのだろう。 水を得た魚のようにミキは社交界で、誘ってくる男性たちを丁重にあしらっていく様は、貴族として超然としていた。
茶金色の流れるような長髪を丁寧に結い上げ、宝石でできた花の飾りを王冠の様に巻き付けたミキは、古代の女神のように見えた。 薄い青の瞳も光によって変化する奇妙な瞳をしていた。
淡い桃色の染料をした花模様のドレスは、異国風に誂えていた。 上品で軽やかな滑らかな生地は、見る眼が肥えている貴婦人たちを魅了した。
唇は、緑のように見えて真紅にも見える。玉虫色の紅をつけていた。その奇妙な異国風の化粧もミキの美しさを一層華やかにしていた。
そんな中、運命を感じた男性は数人いた。
褐色の肌をした端正な男アジュル・サーデイ 彼は荒野の大鷲を思わせた。貴族として紳士然としていたが、ミキの暗殺者としての本能が、この男は一流の武人として腕を磨いていると感じた。
彼も、ミキの実力と容姿を漠然と気に入ったようだった。
アジュルの藍色の瞳が嫣然とミキを見て、「美しき姫よ。今宵は貴方に会えて良かった。貴方は非常に魅力的な方だ。」 と蕩けるような甘い声でミキの手を取った。
まあ・・なんと魅力的な甘言だろうか・・。私が昏い道を歩んでいなかったら、大抵の貴族令嬢はこれで陥落するでしょうね・・。ミキは冷然と分析していた。
彼は非常に聡明で、己の魅力を思う存分に生かす能力に恵まれている。自信も、自尊心も高い人だ。
しかしその反面、挫折するほど重大な危機に陥ったら、脆弱な面を現すかもしれない。
ミキは、暗殺の中で、そういう哀れな人達の末路を見てきた。
彼は、そういう時が訪れることが無いといいけど・・。ミキは見透かすように微笑んだ。
2人目は、パリス・エンデイル伯爵の第3子 パリエルは、天使のように美しい容貌をした青年だった。
柔らかな栗色の髪をして、碧玉の瞳をした両性具有的な美を持った麗しき男だった。
彼は、女性的な心を持ちながらも、男性的な獰猛な面があった。
面白い方だ・・。下手したら喰われるかもしれない猛禽類の鳥だわ。 ああそうね。天使は戦う者だった。
正に彼に相応しい。
彼と戦ったらどちらが勝つだろうか?ミキは挑戦的にパリエルを見た。
パリエルもミキの実力を見て取り、ニイとかすかにアルカイックスマイルをした。
愚かな女と思われただろうか?しかし彼には戦いたいとも思わせる戦士の魅力があった。
3人目は、この世の者とは思えぬ絶世の美貌の持ち主だった。光り輝くような美貌をした金の髪、蒼玉の瞳
名工が魂を込めて彫ったような彫刻の男性神が息をしているような眩い男性だった。
圧倒的なオーラと、支配者の風格を見せている男性は、ルシル・ド・アーデン侯爵の子息だった。
彼は本当に神々しい存在だった。 ルシアンと言った。
ミキを見てかすかに目を見開いたが、その奇妙な様子は何故か印象に残った。
お互いに話もしなかったが、目と目が合って、しばらく彼らは目を離せなかった。
やがてミキとルシアンは離れたが、奇妙な余韻が残っていた。
ミキは不意に汗が出ているのを感じた。あれはヒトなのだろうか?あまりにも浮世離れしている・・。存在感が違う。怖い。ミキは何か別の生き物に出会ったようだった。
ミキはふうと溜息をついてこの世は広い。なんと不思議な人達ばかりなの・・。
ミキは、少し疲れたので、貴族の休憩の間に赴いた。
他の貴族の令嬢も艶やかにデピュタントしていたが、ミキの神秘的な容姿や美貌にはなかなか匹敵する者はいなかった。
嫉妬、恨みや女達から敵意を向けられたが、ミキは動じなかった。この位容易いものだ。
そんな暇があったら、己を磨けばよいものを‥暇な女達・・。ミキは内心思った。
ミキのデビュタントは成功を収めた。 のちに求愛の手紙や、求婚などが多く実家に送られてきた。
執事と、両親の厳しい検閲の元、数通だけがミキに渡された。
あの3人の男性の手紙もあった。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
石塔に幽閉って、私、石の聖女ですけど
ハツカ
恋愛
私はある日、王子から役立たずだからと、石塔に閉じ込められた。
でも私は石の聖女。
石でできた塔に閉じ込められても何も困らない。
幼馴染の従者も一緒だし。
聖女を騙った罪で追放されそうなので、聖女の真の力を教えて差し上げます
香木陽灯
恋愛
公爵令嬢フローラ・クレマンは、首筋に聖女の証である薔薇の痣がある。それを知っているのは、家族と親友のミシェルだけ。
どうして自分なのか、やりたい人がやれば良いのにと、何度思ったことか。だからミシェルに相談したの。
「私は聖女になりたくてたまらないのに!」
ミシェルに言われたあの日から、私とミシェルの二人で一人の聖女として生きてきた。
けれど、私と第一王子の婚約が決まってからミシェルとは連絡が取れなくなってしまった。
ミシェル、大丈夫かしら?私が力を使わないと、彼女は聖女として振る舞えないのに……
なんて心配していたのに。
「フローラ・クレマン!聖女の名を騙った罪で、貴様を国外追放に処す。いくら貴様が僕の婚約者だったからと言って、許すわけにはいかない。我が国の聖女は、ミシェルただ一人だ」
第一王子とミシェルに、偽の聖女を騙った罪で断罪させそうになってしまった。
本気で私を追放したいのね……でしたら私も本気を出しましょう。聖女の真の力を教えて差し上げます。
【完結】シロツメ草の花冠
彩華(あやはな)
恋愛
夏休みを開けにあったミリアは別人となって「聖女」の隣に立っていた・・・。
彼女の身に何があったのか・・・。
*ミリア視点は最初のみ、主に聖女サシャ、婚約者アルト視点侍女マヤ視点で書かれています。
後半・・・切ない・・・。タオルまたはティッシュをご用意ください。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる