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第1章~あなたを目指して~
第22話
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チェイニーがやや呆れたような表情になる。
「ひっどいよなぁ、フレイン様。弟を忘れた挙げ句、腕まで斬り落としちゃうなんてさ。愛しのお兄様、生前からそんなドSだったわけ?」
「いや、そんなことは……。まあ、人の顔と名前を覚えるのは苦手だったけど……」
そう言いつつ、思い出したら腹が立ってきた。一途に兄だけを追いかけてきた身としては、あの仕打ちはどうしても納得できなかった。
他の人を忘れるならまだしも、何故よりにもよって弟を忘れるのか。兄にとって自分はその程度の存在なのか? 俺は一日たりとも兄上を忘れたことなんてないのに!
腹立ち紛れに、アクセルは天に向かって叫んだ。
「兄上の馬鹿ー! 大雑把のニワトリ男めー!」
「? なんでニワトリなのさ?」
「ニワトリは三歩歩くとすぐ忘れちゃうだろ。今度会ったら頭にトサカ投げつけてやる!」
「まあ落ち着きなよ。ほらアレだ、ここに来た時ヴァルキリーが言ってたじゃん。『エインヘリヤルになる時に、生前の記憶が一部欠損することがあります』って。フレイン様の物忘れはそれが原因じゃないの?」
「だとしても! 弟のことは忘れちゃいけないだろ! 忘れるならもっと別のことを忘れてくれ!」
「そんなこと言われてもねぇ……」
「ホントにあり得ない……! 十一年ぶりの再会だったのに、第一声が『誰だっけ?』なんて……! 『ランク上げ、頑張って』じゃなくてもっと他に言う事あるだろ……!」
「ひっどいよなぁ、フレイン様。弟を忘れた挙げ句、腕まで斬り落としちゃうなんてさ。愛しのお兄様、生前からそんなドSだったわけ?」
「いや、そんなことは……。まあ、人の顔と名前を覚えるのは苦手だったけど……」
そう言いつつ、思い出したら腹が立ってきた。一途に兄だけを追いかけてきた身としては、あの仕打ちはどうしても納得できなかった。
他の人を忘れるならまだしも、何故よりにもよって弟を忘れるのか。兄にとって自分はその程度の存在なのか? 俺は一日たりとも兄上を忘れたことなんてないのに!
腹立ち紛れに、アクセルは天に向かって叫んだ。
「兄上の馬鹿ー! 大雑把のニワトリ男めー!」
「? なんでニワトリなのさ?」
「ニワトリは三歩歩くとすぐ忘れちゃうだろ。今度会ったら頭にトサカ投げつけてやる!」
「まあ落ち着きなよ。ほらアレだ、ここに来た時ヴァルキリーが言ってたじゃん。『エインヘリヤルになる時に、生前の記憶が一部欠損することがあります』って。フレイン様の物忘れはそれが原因じゃないの?」
「だとしても! 弟のことは忘れちゃいけないだろ! 忘れるならもっと別のことを忘れてくれ!」
「そんなこと言われてもねぇ……」
「ホントにあり得ない……! 十一年ぶりの再会だったのに、第一声が『誰だっけ?』なんて……! 『ランク上げ、頑張って』じゃなくてもっと他に言う事あるだろ……!」
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