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第1章~あなたを目指して~
第24話
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それから一ヶ月ほど経ったある日の朝。アクセルは、ヴァルハラの中心にある世界樹・ユグドラシルを訪れた。
ユグドラシルは、天上・地上・地下の三つの世界を貫いている巨大な樹である。それを辿って三つの世界を行き来することもできるらしく、最高神・オーディンはユグドラシルを頼りに全世界を見渡しているそうだ。
ちなみに、そのオーディンは隻眼の男性で、いつもつばの広い帽子を被っている。思考と記憶と呼ばれる二羽のカラスを飼い、必ず相手に突き刺さる魔法の槍グングニル、神秘の腕輪ドラウプニル、八本脚の神馬スレイプニル等を所有しているらしい。
……が、実際にどうなっているかは不明である。何しろアクセルは、この目でオーディンを見たことがない。年に一度、何かの儀式でヴァルハラを訪れることがあるらしいが、その儀式が何かもよくわかっていなかった。というか、今はそういうことにあまり興味が湧かなかった。
アクセルの興味はただひとつ。自分のランクがどのくらい上がったかだけ。
――もう張り出されているな。
一ヶ月毎に張り出されるランキング表。アクセルはそれをチェックしに来たのだ。
ユグドラシル前の掲示板には大事な連絡事項が全て張り出されており、一週間の見回り当番や死合いのスケジュール、死体回収係や救護当番というのも決められている。誰がどうやって決めているのか知らないが、完全にランダムなのでこの目で確認するまでどうなっているかわからないのだ。
「……!」
ランキング表を見上げたら、まず初めに飛び込んできたのは兄の名前だった。一位から順に名前が列挙されているので、三位の兄はすぐに見つけられる。
――兄上はいつも順位キープしてるな……。
すごいなぁ……と感心しつつ、自分の順位を確認する。前回は一〇〇位以内に入っていたが、今回はどうだろうか。鍛錬は続けているから、少しは上がっていて欲しいのだが。
ユグドラシルは、天上・地上・地下の三つの世界を貫いている巨大な樹である。それを辿って三つの世界を行き来することもできるらしく、最高神・オーディンはユグドラシルを頼りに全世界を見渡しているそうだ。
ちなみに、そのオーディンは隻眼の男性で、いつもつばの広い帽子を被っている。思考と記憶と呼ばれる二羽のカラスを飼い、必ず相手に突き刺さる魔法の槍グングニル、神秘の腕輪ドラウプニル、八本脚の神馬スレイプニル等を所有しているらしい。
……が、実際にどうなっているかは不明である。何しろアクセルは、この目でオーディンを見たことがない。年に一度、何かの儀式でヴァルハラを訪れることがあるらしいが、その儀式が何かもよくわかっていなかった。というか、今はそういうことにあまり興味が湧かなかった。
アクセルの興味はただひとつ。自分のランクがどのくらい上がったかだけ。
――もう張り出されているな。
一ヶ月毎に張り出されるランキング表。アクセルはそれをチェックしに来たのだ。
ユグドラシル前の掲示板には大事な連絡事項が全て張り出されており、一週間の見回り当番や死合いのスケジュール、死体回収係や救護当番というのも決められている。誰がどうやって決めているのか知らないが、完全にランダムなのでこの目で確認するまでどうなっているかわからないのだ。
「……!」
ランキング表を見上げたら、まず初めに飛び込んできたのは兄の名前だった。一位から順に名前が列挙されているので、三位の兄はすぐに見つけられる。
――兄上はいつも順位キープしてるな……。
すごいなぁ……と感心しつつ、自分の順位を確認する。前回は一〇〇位以内に入っていたが、今回はどうだろうか。鍛錬は続けているから、少しは上がっていて欲しいのだが。
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