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第5章~神々の国へ~
第1話
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数日後、アクセルが旅立つ日がやってきた。
世界樹・ユグドラシルのすぐ近くにゲートがあり、ここから別の世界――ヴァン神族の世界や下界、黄泉の国にも行けるらしい。
ただ、このゲートは普段は閉じられているので、いつでも気軽に移動できるわけではないそうだ。
――これで本当に、一年間兄上には会えなくなるんだな……。
アクセルは後ろを振り返った。
見送りに来ていたのは兄だけだった。他の者はいなかった。同期のチェイニーくらいは来てくれるかなと思っていたけど、影も形もない。チェイニーが忘れているとは思えないから、もしかしたら「お別れくらいは兄弟水入らずで」と気遣ってくれたのかも……と思った。
「向こうに着いたら、すぐに手紙書いてね」
と、兄が念を押してくる。
「風邪をひかないように注意して。トレーニングも忘れずにやるんだよ? ご飯もちゃんと食べて、しっかり寝て、それから……」
「大丈夫、わかってるよ。もう子供じゃないんだ。基本的なことは自分でできるさ」
ちょっと苦笑しつつ、アクセルは懐から小さめの木像を取り出した。そしてそれを兄に差し出した。
「兄上、これ」
「何だい?」
「兄上にリクエストされてたから、急いで作ったんだ。あまり上手くできなかったが……」
受け取った兄が目を丸くする。それはアクセルの縮小フィギュアだった。
世界樹・ユグドラシルのすぐ近くにゲートがあり、ここから別の世界――ヴァン神族の世界や下界、黄泉の国にも行けるらしい。
ただ、このゲートは普段は閉じられているので、いつでも気軽に移動できるわけではないそうだ。
――これで本当に、一年間兄上には会えなくなるんだな……。
アクセルは後ろを振り返った。
見送りに来ていたのは兄だけだった。他の者はいなかった。同期のチェイニーくらいは来てくれるかなと思っていたけど、影も形もない。チェイニーが忘れているとは思えないから、もしかしたら「お別れくらいは兄弟水入らずで」と気遣ってくれたのかも……と思った。
「向こうに着いたら、すぐに手紙書いてね」
と、兄が念を押してくる。
「風邪をひかないように注意して。トレーニングも忘れずにやるんだよ? ご飯もちゃんと食べて、しっかり寝て、それから……」
「大丈夫、わかってるよ。もう子供じゃないんだ。基本的なことは自分でできるさ」
ちょっと苦笑しつつ、アクセルは懐から小さめの木像を取り出した。そしてそれを兄に差し出した。
「兄上、これ」
「何だい?」
「兄上にリクエストされてたから、急いで作ったんだ。あまり上手くできなかったが……」
受け取った兄が目を丸くする。それはアクセルの縮小フィギュアだった。
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