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第5章~神々の国へ~
第35話
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バルドル様とは仲良くやっているよ。
昨日は酒につき合わされたが、彼がうっかり飲み過ぎて酔っ払ってしまってな。もちろん何もなかったが、神様でも酔っ払うことがあるみたいだ。ちょっと新鮮だった。お茶目なところもあって、楽しいよ。
兄上の方はどうだ?
俺がいないからって、あまりいい加減な生活はしないでくれよ? ちゃんとご飯は三食食べるんだぞ。夜更かしばかりしないで、早寝早起きを心掛けるように。
また手紙を書くよ。兄上からの手紙も待ってるからな。
愛してる。
アクセルより」
――よし、こんなもんか。
ざっと見返して、誤字脱字がないかチェックする。
最後の一言は少し恥ずかしかったが、兄の「大好き」に応えたくてつい書いてしまった。
インクが乾いたら封筒に入れようと思い、先にランニングの汗を流すことにした。
バルドルの屋敷の浴室には、お湯が自動で出てくる管のようなものがついている。本格的な湯浴みでなくても、少し汗を流したいなと思った時に手軽に浴びられる。便利なものだ。後で知ったのだが、これは「シャワー」という道具らしい。
――これだけ便利なら、兄上と会話できる機械とか、作ってくれないかなぁ……。
声だけで通信できる道具とか。そういうものがあれば、兄との距離もぐっと縮まると思う。
もっとも、手紙がこれだけすぐに届くのだから、あまり贅沢も言えないけれど。
浴室から出て身体の水分を拭き取り、机で乾かしておいた手紙を確認した。もうインクが完全に乾いていたので、四つ折りにして封筒にしまった。これも後で出しに行こう。
昨日は酒につき合わされたが、彼がうっかり飲み過ぎて酔っ払ってしまってな。もちろん何もなかったが、神様でも酔っ払うことがあるみたいだ。ちょっと新鮮だった。お茶目なところもあって、楽しいよ。
兄上の方はどうだ?
俺がいないからって、あまりいい加減な生活はしないでくれよ? ちゃんとご飯は三食食べるんだぞ。夜更かしばかりしないで、早寝早起きを心掛けるように。
また手紙を書くよ。兄上からの手紙も待ってるからな。
愛してる。
アクセルより」
――よし、こんなもんか。
ざっと見返して、誤字脱字がないかチェックする。
最後の一言は少し恥ずかしかったが、兄の「大好き」に応えたくてつい書いてしまった。
インクが乾いたら封筒に入れようと思い、先にランニングの汗を流すことにした。
バルドルの屋敷の浴室には、お湯が自動で出てくる管のようなものがついている。本格的な湯浴みでなくても、少し汗を流したいなと思った時に手軽に浴びられる。便利なものだ。後で知ったのだが、これは「シャワー」という道具らしい。
――これだけ便利なら、兄上と会話できる機械とか、作ってくれないかなぁ……。
声だけで通信できる道具とか。そういうものがあれば、兄との距離もぐっと縮まると思う。
もっとも、手紙がこれだけすぐに届くのだから、あまり贅沢も言えないけれど。
浴室から出て身体の水分を拭き取り、机で乾かしておいた手紙を確認した。もうインクが完全に乾いていたので、四つ折りにして封筒にしまった。これも後で出しに行こう。
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