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第12章~不穏な空気~
第150話
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一体相手は誰なのか……と視線を移したら、アクセルも知っている意外な人物だった。
「……ジーク様?」
「はい、今日のお相手はジーク様です。面識ありますか?」
「ああ、兄のも……友人だからな」
元彼、と言いそうになって慌てて友人と言い直す。
それにしても、ジークがランゴバルトの模擬戦に付き合っているのは驚きだ。あの二人にそんな接点があったのか。
――あまり気が合うとは思えないけどな……。
とはいえ、模擬戦自体は勉強になる。アクセルは離れたところで見学させてもらうことにした。
「グオオォォ!」
「ハアァァッ!」
獣のような雄叫びを上げ、武器を叩き合わせる二人。金属同士がぶつかり合った瞬間、ガキンと火花が飛んでお互いの顔に降りかかった。
「ほらよっ!」
黒塗りの甲冑を全身に纏っているランゴバルトに対し、ジークは最低限の防具しか身につけていない軽装である。当然のことながら動きはランゴバルトより素早く、相手が長戟を一振りする間にお得意の槍で五段突きをかましていた。太刀筋も正確でブレがなく、槍の穂先が全てランゴバルトの首元に吸い込まれているように見えた。
一方のランゴバルトも、ヘビー級の巨体を活かして長戟を振り回している。甲冑の重さや動きにくさをものともせず、ジークの攻撃を弾き飛ばし、空いた拳を突き出していた。
――す、すごいな……。
「……ジーク様?」
「はい、今日のお相手はジーク様です。面識ありますか?」
「ああ、兄のも……友人だからな」
元彼、と言いそうになって慌てて友人と言い直す。
それにしても、ジークがランゴバルトの模擬戦に付き合っているのは驚きだ。あの二人にそんな接点があったのか。
――あまり気が合うとは思えないけどな……。
とはいえ、模擬戦自体は勉強になる。アクセルは離れたところで見学させてもらうことにした。
「グオオォォ!」
「ハアァァッ!」
獣のような雄叫びを上げ、武器を叩き合わせる二人。金属同士がぶつかり合った瞬間、ガキンと火花が飛んでお互いの顔に降りかかった。
「ほらよっ!」
黒塗りの甲冑を全身に纏っているランゴバルトに対し、ジークは最低限の防具しか身につけていない軽装である。当然のことながら動きはランゴバルトより素早く、相手が長戟を一振りする間にお得意の槍で五段突きをかましていた。太刀筋も正確でブレがなく、槍の穂先が全てランゴバルトの首元に吸い込まれているように見えた。
一方のランゴバルトも、ヘビー級の巨体を活かして長戟を振り回している。甲冑の重さや動きにくさをものともせず、ジークの攻撃を弾き飛ばし、空いた拳を突き出していた。
――す、すごいな……。
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