248 / 262
番外編
かけがえのない日々㉒※
しおりを挟む「ね、お願いです……うずいて、たまらない、から……動いて…」
「全く欲しがり屋だね。……少し力を緩めてごらん、息を吐いて」
言われた通り、悦びにひき攣る後孔の力を抜く。こんなに力が籠っていたのかと、自分でも驚いた。
王は少々身を起こし、深い吐息をついてみせる。
「……あまり、締めすぎてはいけないよ。持っていかれそうになる」
王が、自分の内壁の緊さに少し追い立てられていたと知り、歓喜と愛おしさがこみ上げてくる。ナシェルは済まなそうにおずおずと両手を伸ばした。流れる黒髪の間をぬって王の秀麗な頬に触れ、額ににじんだ汗を指でぬぐう。ナシェルはナシェルで、あいかわらず内臓を串刺されるような肉の圧力に襲われ続けている。
繋がった興奮と悦びに、互いに少しばかり余裕を失っている。……可笑しいけれど、王が一方的に猛々しく攻めるだけでなく時折そういう表情を垣間見せてくれるのも、また嬉しい。
「悪い子だ、ナシェル」
言葉と裏腹に、王の視線は甘く柔らかく注がれる。ナシェルは腰のいたずらを封じられて、欲しさでたまらず艶めかしい視線で見上げる。
「……だって、我慢できなくて……。いい子にするから――お願い、もっと奥にきて」
切実な訴えに、王は溜飲を下げたように目尻を蕩かせた。
「――こうして……突いて欲しいの?」
「――っあ、ぁ!」
不意に膝を抱えられ、ぐっと奥の奥まで挿入された。ナシェルの体は急な突き上げを受けてびくんと反りかえる。胸の尖りについたピアスの鎖が、跳ねた衝撃で肌を打つ。
「ああっ、いいっ、もっとして―――」
王の肉を咥え込んだまま、うわ言のように口走る。全身が熱くなり肌が薔薇色に紅潮してゆく。
しどけなく反ったナシェルの肢体を眺め下ろし、王がほれぼれと賛じた。
「綺麗だ、ナシェル。それに今日はいつにもまして感度が良い――どうしてだろう」
「あっ、そんな、わ、分かんな……ぃ……」
「……乳首をたくさんしたからかな」
「んうぅ――……!」
左胸の金の輪をそっと指の腹で撫でられ、ひき攣れたような感覚にびくびくと腰が躍る。
また下腹に力が入りそうになり、焦りで動悸を感じる。
「や、ぁっ――……!」
「まだ、痛む?」
「じんじんしてる…、…から……や、触っちゃ……」
しかし王はそのままピアスの鎖を指で持ちあげ、半泣きのナシェルが怖がって首を振るのを眺めながら、ゆっくりと腰を前後に使いはじめた。
はじめは甘く突かれて、ナシェルはひぃひぃと善がる。
やがて抜き差しは、臓物が根こそぎもっていかれるような激越なものに変わっていった。
重たく固い弓形が腸孔の深奥部まで、寸分の躊躇いもなく突き入れられる。引くときには特大の雁首で内腔を削ぎ取られるような、凄まじい快感が襲ってくる。
荒波のような抽送に翻弄され、待ち遠しかった快感に、ナシェルは喉を嗄らしてよがり欷いた。
「ああ……! んっ――はぁ――」
じゅくじゅくとした卑猥な水音に王の吐息、ナシェルの上ずった喘ぎが重なり天蓋の内に響き渡る。声を殺したくても呼吸するのが精いっぱいで、開きっぱなしの口からとめどなく鳴声があふれてしまう。
時おり鎖をかるく揺すられると乳首に衝撃が伝わり、とろけた精神に稲妻のような緊張が奔る。愛しい王に与えられる刺激はすべて脳内で快楽へと切り替えられて、ナシェルの意識を陶酔の淵へと誘う。
いつしか鎖で乳首を引っ張られる都度に、無意識にくぱくぱと括約筋を開閉させて責めに応えていた。
「ひ、ぃっ!…ん、っふ……ぁあっ! きもちぃい、すご、い……父上っ……ちちうえ……っすき……」
「ナシェル、可愛い、愛してる……中が熱い、蕩けそうだよ……」
腰をしならせ全身汗に塗れて、時間も忘れまぐわった。
……脈打つ灼熱に体腔を隅々まで検められて、朦朧としかけた頃、不意に二の腕を引かれ体を引き起こされた。
繋がったまま、胡坐の王の上に足を広げて座らされる。
ふらふらと揺れる頭をようやく起こすと、王の紅玉の瞳と目が合った。この体勢でするのかと視線で問えば、王が肯定するように瞼を細めて、背を抱きしめ、ナシェルの鎖骨に舌を這わせてくる。
「んっ……はぁ、はぁ、あぅ…ッ……」
今度は体面座位でじっくりと犯され、首を舐められて、ナシェルも応じるように王の肩に縋り腰を揺り動かす。しゃらしゃらと胸の鎖も揺れる。全身を羞恥にあかく染めながら、ナシェルは力強い愛に応えるべく下肢の力を振り絞った。
「ナシェル、ここ、自分でしてごらん」
繋がりながら王が自慰を促してくる。腰を上下させながら、とても無理だとナシェルは首を振って赦しを乞うが、王の手がナシェルの片腕をとり性器を握らせてくる。
その上から、王の手がナシェルの指ごと、それを包み込んだ。
さきほど香油を塗りたくられたそこは二人の腹の間に挟まれ苦しげに張りつめて、鈴口から透明な蜜を滴らせている。指ごと父の大きな手に包み込まれると、さらなる焦熱がこみ上げてきた。
「手を動かして……こうして」
「あっ、あっ」
誘導されるように手を動かされて、そり返った花芯がますます固く昂る。
思わず腰の動きを忘れそうになると、咎めるように叱咤するように、下から強い突き上げが来る。
ナシェルはいつしか陶然となり、上下に揺れながら己の性器を無心に扱いていた。興奮で涙が溢れ、汗とともに顎をしたたり落ちる。ぬれた頬に髪が貼りついて気持ちが悪いが、顔をぬぐう余裕もない。
「ああっ……だめ、もう、持たない……イッちゃう……いっちゃうの、父上ぇ」
「――いいよ、見ててあげる。逝きなさい」
悠々とした表情の王も、吐く息を少し荒らげている。
視線を交わし、後孔に嵌った逸物に内襞をめくりあげられながら、自分のモノを一心不乱に追い上げてゆく。
「あっ……あぁ゛っ、一緒にイって……!……っ、ぅあああっ―――」
喉を嗄らして哀願しつつ、ナシェルは背を反らして白濁を吹き散らした。
同時に王も獣の唸りのような声を発し、ナシェルの肩を狂おしいほどに引き掴んで、奥深くに欲望を開放する。
……瑞々しい神司で体内を満たされて、ナシェルは陶然と王の胸の中に倒れ込んだ。
疲労が頂点に達し、絶頂感も手伝って、猛烈な睡魔が襲ってくる。
王は二度、三度と、爆ぜる雄をナシェルの中に擦りつけ精を注ぎ込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる