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番外編
かけがえのない日々㉑※
下腹に父の猛りを感じ「挿れて」とせがむナシェルを落ち着かせるように、王の舌が奥まで這入り込んできた。喉彦まで丁寧に犯されて息がつまる。
ナシェルの全身を抱きしめてから、仰向けに横たえ、王は精霊たちに香油を運んで来させた。
「慌てなくても大丈夫だよ。少し解そう、そなたに苦痛を与えたくはないのだよ」
自分の体などどうなってもいいから今すぐ神司を身の奥に浴びたいと思うと同時に、王の労わりが嬉しくもある。従順に頷くと、なみなみと香油で満たされた小皿が運ばれてきた。猥らな口づけで蕩かされたナシェルは、濡れた唇を拭うこともなくぼんやりとその様を見つめる。
小皿を受け取った王は身を起こし、仰向けのナシェルの半勃起した花芯や、会陰の奥の秘蕾に向けてたっぷりと香油を垂らして、全体に手で馴染ませた。
「あ、あぁ……ん……」
この日初めて陰茎に触れてもらえて、嬉しさで腰が浮き、ねだるように上下に揺れてしまう。乳首でたくさんイッたからか、体がいつも以上に敏感になっている。腰を揺らすと、胸の鎖もシャラシャラと音を立てる。
父の大きな掌でつつまれ香油を満遍なく塗り込められると、少し落ち着いていた陰茎もみるみる硬さを取り戻し、再び尖端に蜜を溜めはじめる。
「足を開いてごらん」
頬を染めながらも、ナシェルはしどけなく両脚を開いて膝を抱え上げた。双丘の間のぬめった秘部を、王に晒す。
「力を抜いていなさい」
冷静な声と共に、震える臀部の窄まりに、香油塗れの長い指がずくりと挿し入れられた。
「……ひうっ……」
ナシェルの上げた幽かな喘ぎにも頓着せず、王は、すぐに指を二本に増やしてヒクつく入口や、その奥の皺襞をほぐしていった。中で指を回転させ、一度抜いて香油を足し、三本に増やしてまた深く突き刺す。抉り、内部で指を曲げて快楽の壺を探り当てる。中の良いところを丹念に擦られて、ナシェルは息を上げ身をよじる。膝を抱えた姿勢を維持できない。膝から手を離すと、王が空いている手でナシェルの片方の膝裏をかかえ、畳むようにして、さらに奥処へと指をめり込ませた。
「はぁ……は……ッあん……」
今度はその姿勢で、長時間にわたってじくじくと深奥を弄られた。前立腺を中から刺激され絶頂感が駆け上がってくる。達きそうになって叫ぶと、ぎりぎりのところで指が離れる。ぐったりしながら呼吸を整えていると、再び指が這入り込んで、息も吸えないほど入念に愛撫される。
この快感は、ほとんど拷問に近い。まだ繋がってもいないのにこれでは…、とナシェルは霞む意識の底で思った。本物が来たら体がどうなってしまうのか分からない。失神してしまうかもしれない……。
片膝を担ぎあげられほぼ横向きの体勢で、延々と秘蕾をほぐされる。浅ましい恰好で嬲られるうちに羞恥も理性も奪われていき、気づけばシーツを掻きむしるようにしてヨがり、卑猥な懇願をこぼしてした。
「ぇ……ッひぅ……も、だめ……ください……お願いです、父上の……、で、して……もう」
泣き声で繰り返し慈悲を訴えるとようやく指が抜かれた。ナシェルは息絶え絶えで横臥する。
…そうしてナシェルの肛孔の奥を十分に馴らしてから、王は前袷の上衣をようやく脱いで腰帯を外した。
現われ出でた裸身は鍛え上げられて逞しく、下腹に眼を遣れば、大きな雄茎が欲情あらわに怒張している。ナシェルは待ち焦がれた逸物に口衝けしたくてごくりと唾を呑んだ。しかし息を落ち着かせるのが精一杯で、体が動かない。
充分に解された蕾の奥も、もうたまらず疼いて呼吸するようにヒクヒクしている。
物欲しそうな表情に気づかれ、汗みずくの顔を優しく撫でられた。
咥えたいの?
はい……。
また今度ね。今日は後ろも待ちきれないだろう。
特に会話することなく、視線だけでやりとりした。王が気持ちを理解してくれて嬉しい。次はきっと口でさせてくれるだろう。
……広げられた両脚の間。覆い被さってきた王に弩形の尖端をひたりと宛がわれて、少し時間をかけじっくりと貫かれた。
王はびくんとこわばるナシェルの体を優しく撫でて、声をかけ落ち着かせながら直径の最も大きな雁首の部分をぎちぎちと肉襞に侵入させる。孔に塗り込められた香油があふれてナシェルの太腿をつたい流れてゆく。ナシェルは昂りと悦びと息苦しさにひぃひぃと息を喘がせながら灼熱を受け入れて、やっと繋がれた感動に打ち震え、シーツに涙をこぼした。
「っ……ぁあ、く、っ……ん、おっきぃ……中、いっぱい……なって、」
「ナシェル、大丈夫か?」
「は……っ、だいじょ…ぶ……動いて……父上……」
しかし根元まで全て繋がったあと、王はナシェルの内部でその固いものを馴染ませるように軽く揺すっただけで、はじめは深く衝こうとはしない。
ナシェルは自分を串刺す圧倒的な存在に満たされ、呼吸を上ずらせる。…奥まで侵入した屹立に押しのけられ、臓腑がせりあがるような異様な圧迫感に襲われていた。
息が肺の奥まで取り込めない。空気が足りない。
それでも、愛する王とひとつになっていることが嬉しい…。
王の指がナシェルの指を捕らえてきた。汗と涙に濡れたシーツの上で、掌を重ね合わせ、指を絡ませる。
「ナシェル、こちらを見て」
繋がるときの衝撃がつらくて、目をぐっと瞑っていたことに気づく。眸を開けると、涙の膜の向こうに優しい王の眼差しが見えた。父はナシェルの惑乱が収まるまで律動はせずじっと待っていた。
そのまま何呼吸か見つめ合った。ナシェルの吐息が落ち着いてくると、王は身を屈めてご褒美のような甘い口づけをくれる。
喘ぎを吸い取られ歯列を舐められて、そのまま這入り込んできた舌に、舌を掬われる。
「―……ん、…っぅ……」
脈動する剱を下の入口で受け止め、上の口からも愛をたっぷり注がれて。
また、酸欠になりそう……。
ナシェルはキスに没頭し、愛を、悦びを伝えたくて、内壁をきゅうと収斂させてみる。
すると父の性器がぐっと強く反応を示した。更に直径が増した気さえする。ああ、もう待てない。いいかげん衝き上げてほしくて、ナシェルの腰は誘うようにひとりでに前後してしまう。奥も、あふれる精液を早く呑みたがって王のモノを搾るように、更に固くすぼまる。
父はひくりと眉を動かし、唇を離した。
「ナシェル、ひとりで勝手に動いては駄目だろう……?」
「ご……め……なさい……きもちよくて、腰が、動いちゃ…っ…ぅ」
「あせらなくとも良いよ……ゆっくりしようね。せっかく繋がれたのだから、余もそなたの中にたっぷりと長く居たいのだよ」
「でも、……でも、もぅ……待てな……もっと、」
こんなにも服従の歓喜に満たされているのに。こんなにも腸壁が苦しいのに。もっと刺激を求めてしまうなんて。体はもうずっと変な調子だし、頭もとうとうおかしくなってしまったと、ナシェルは思った。
この惑乱するほどの愛は普段は胸にしまい込んであるけれども、こうして交わるときに王は優しく(時には少し手荒に)みえない表皮を剥いて、ナシェルの愛の形を確かめてくれる。身と心のすべてを王の観察眼の前に晒け出されることもまた、ナシェルにとってはこの上ない歓びだ。というより今さら心を繕う余裕もない。
王とて、もう思うさま中を嬲り尽くしたいであろうに…、こちらを気遣ってなのか、なかなか律動に移らないのがもどかしい。
ただただ突いてほしくて、更なる快感が欲しくて、注いでほしくて。泣き濡れた瞳で見上げ、哀訴した。
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