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第一章 愛証
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次に、躯が突き上げられる感覚とともに、なにか巨大なものがずん、ずん、と、音を立てて眼前に迫ってくるような錯覚にとらわれる。
王がゆるやかに律動を開始したのだ。
「ふぅ――ッ、ふぅ――ッ、ん――っ」
耐えられない狂惑のなかで、ナシェルは引き千切らんばかりに噛んだ指の隙間から延々と嗚咽を漏らし続けた。
とめどなく溢れる涙と、悲しい泣訴は目の前の父に届いておらぬはずがないのだが、冥王は何か譲られぬ信念にでも突き動かされているように、頑としてナシェルの内部に燃え盛る杭を打ちたて続けた。
王の舌啜によってあらかじめしっとりと湿らされた秘蕾の中は、今やナシェルの鮮血や、王の器官から分泌される先走りの露なども入り混じり、底なし沼のようにべったりと潤み、王の律動に従ってじゅく、じゅく、と音を立てている。
下半身に感ずる、すべてを押しのけられるような激越な抽送感。
痛い!痛い……っ!
それ以外、今は何も考えられなかった。
なんとか痛みを逃そうとしたナシェルは、やがて律動に合わせて小刻みに息を吐ききることを覚えはじめた。
まだ嗚咽は止まらなかったが、呼吸を王の振動に合わせると、少しずつだが苦痛が散り、徐々に見失いかけていた己を取り戻せる感じがした。
「ひっ、……ひっ、………ひっ、」
ナシェルの指の間から洩れる、浅く短い吐息に、王の深く短い吐息が重なる。
二人は上下に揺れながら視線を絡めあった。吐息をも合わせていると、陶酔したような王の眼差しの裡に、先ほどまでと何ら変わらぬ――いやむしろ、これまでにないほど深遠な己への愛情があることに気付かされて、ナシェルは、幼い心で、一瞬でも父を疑ったことを悔い、ふたたび滂沱した。
「ナシェル……、……いい子だね、いい子だ」
父は己の感情の変遷もすべて諒解しているのであろうか……、一層温かい声で己の名を呼ばわりながら、奥まで突き入れてくる。
……やがてナシェルは、王のその器官の先端には何か輪が嵌まっているのかと感じはじめた。
「………ッ??」
押し入ってきたものが引き抜かれるたびに、かたい輪のようなものが肉襞をこそいでゆくのだ。
「ふ…あぁん…………っ」
そのとき初めて感じた甘い戦慄のようなものを、いったい何と呼べばよいのだろう………。
王子の口から確かに漏れた悲鳴以外の声を、王も確実に耳にした。
ナシェル自身も、己の放った嬌声というべき声に驚いて、両手で口を押さえた。
王のそれは輪っかなどではなく、硬い亀頭の下の雁首――くびれて盛り上がった部分がそう思わしめるのであった。
陰茎のうちでその直径の最も大きな部分がナシェルの内襞をこすり上げるたびに、紛れもない快感が少年の躯を走り抜けていったのだ。
王はその声を聞いて、王子が確実に、痛みの極致を超えて官能を覚えはじめていると悟った。そしてその妖しい美声に、己の屹立がさらにはち切れんほどに膨張するのを感じた。
「いい声だ………もっと聞かせて」
口元を覆う小さな手を退かすよう命じると、王子は己の声が父をますます昂ぶらせると解したのか、押し殺した声で、泣きあえぎ始めた。
そうすることで、自分を虐める肉塊がさらに直径を増し、己の内部を快感の渦で包むのだと幼なながらに判ったようである。
「…ッああ……はぁん……ふぅあ………」
しどけない嬌態、とまで呼ぶにはいささか稚拙な演技であったが、血と涙を流しながらも父の愛に応えようとしてくれている様があまりにいとおしく、冥王は感動の極みに達して太腿を捕えていた手を外し、脚を下ろさせると、繋がったまま王子を漸くここで抱きすくめた。
「ああ……ナシェル、愛しているよ……愛してる……何と可愛い……」
「ああ……んッ……父上……ちちうえ……ぁ………ん」
汗みずくになって痛みに戦慄き震えながらも、父に応えようと愛らしくむせぶ我が子の、何といじらしいことか!
王もやがて、嬌艶の旋律を奏で続ける王子の、甘い肢体を前に、我を忘れて貪欲に己を推し進めはじめた。
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