文字の大きさ
大
中
小
13 / 70
第一章 愛証
13※
「ナシェル、もう少し我慢だよ………良いね」
決然と囁かれたその言葉を、ナシェルはまるで遠くの世界の出来事のように聞いていた。
父の腕に抱かれて上体をふらふらと起こし、繋がったまま座らされる。向かい合わせで、父の股の上に跨る形だ。
ナシェルは未だ王に注がれた甘美な力の前に酔いしれ、茫然自失していた。
幼い彼が劣情の白い迸りとともに身の内に受け取ったものは、あまりに崇高なものであったので、彼はまだたとえようのない喪失感と恍惚の狭間をうつろっていたのだ。
不意に、腋の下を支えられて、そのまま躯を幾分か持ち上げられたかと思うや………がくんと容赦なく落とされた。
少年の躯は、腕の力だけでも軽々と持ち上がる。人形のようにくたっと脱力したままナシェルは、王の腿の上で肉塊に穿たれたまま軽やかに伸びあがり、そして全体重をかけて落とされながら再び最奥まで貫かれた。
「ひ………ッ………!?」
ずくん、という激しい衝撃がまたも全身を襲った。
ナシェルはそこで我に返り、父王が放精してもまだこの災禍が終わっていなかったのだということにはじめて気づき、狂惑のあまり泣きじゃくり始めた。
今宵初めて華散らされたばかりだというのに、休む間もなく座位でふたたび貫かれるのは激甚な辛苦であった。
「お………お、願ぃ…………!……も……ゆるし、て……!…父、上!!」
その姿勢ではもはや痴態を演じようとする僅かな理性とて保てぬ。暴れる体力ももうない。ただただ下から突き上げてくるものに驚愕しながらも身を任せるしかなかった。
王のそうした続けざまの凌辱は精神的にも効いた。か弱い心は陶酔の海から突如地底に叩き落とされたような感覚の中、縋る場所もなく、千々に錯乱した。
痛みのあまり全身に鳥肌を立て、中で荒れ狂う肉塊を鎮めようとするかのように両手で下腹を抱え、躯を丸め、汗に湿った髪が顔中にべっとりと張り付いているのも構わず、ナシェルは静かに激しく、慟哭した。
彼の涙ながらの懇願は、舌を噛みそうなほどのしばらくの上下運動の間繰り返された。
王の弩形が、ず、ず、と凶悪な音を立てて王子の蕾の内壁を削ぐ。繋がった部分から溢れ、二人の太腿を滴りおちてゆく汁は、血と精液とが混じりあい、濁った緋桃色をしていた。
……いつしかふっつりと涕泣が途絶え、王子が失神したのだと悟ると、冥王は下肢を繋げあったまま王子の肩を優しく揺すって目を覚まさせる。
「起きていなさい……。そなたに、もう一度さっきのをあげるから。ちゃんと、受け取る瞬間を躯で感じてくれなくては駄目だよ………」
激烈な苦痛は無論、王とて判っているのだ。
だがこの壁はこのさき未来へ亘って、王子自身が乗り越えて行かねばならぬ壁だ、と冥王は認識していた。己と同じ神司を持ち、同じ場所に生を受けた唯一の神として、この小さき分身には己の神司を浴びる権利と、神司を受け取る義務がある………と。
闇神の唯一の同族として、権利を行使するにしてもこの行為は避けて通れぬものであるし、義務として自分に抱かれるならばなおさら、慣れてもらわねばならぬ。
そうした特殊な思考から年端もゆかぬ少年神にも容赦なく苦行を強いた冥王はのちに、成神となったナシェルに「本当に頭がおかしい」と断言されてしまうのであるが………。
感想 1
あなたにおすすめの小説
【BL】惚れた男に嫌われたくなくて「男遊びならしてもいい」と言ったら、本当に男遊びを始められて絶望している侯爵令息の話
多額の借金で没落寸前の実家を救うため、結婚相手を探していた男爵令息のラキにカムグロス侯爵家から求婚状が届く。
お相手は同性のディートリヒで、初対面で歓迎されるどころか冷たく突き放されてしまう。
『必要最低限関わるな』
『愛人を作るな』
『男遊びならしてもいい』
ディートリヒから実家の借金を完済する条件を言われたラキは、学園で令息たちとの交流を満喫中。
褒め上手なラキの周りには可愛い令息が集まり、推し活状態に。
一方、ディートリヒだけが嫉妬で胃を痛める日々。
ラキへの恋心を隠し続けた不器用侯爵令息に、幸せな未来は訪れるのか?
.
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
女の子として育てられた身代わりメイド、冷酷公爵に正体を暴かれ執着の檻に閉じ込められる 〜夜に咲く花〜
女の子として育てられたラナには、誰にも言えない秘密があった。
――僕は、男だ。
18歳の冬、没落した一族の罪を贖うため、冷酷な公爵・セヴェランにメイドとして捧げられた。
純白のフリルに身を包み、偽りの乙女を演じ続ける日々。
正体が露見すれば即処刑――薄氷の上を歩くような緊張が、常にラナを縛りつけていた。
しかし、ある穏やかな午後。
その均衡は、あまりにも呆気なく崩れ去る。
逃げ場を失った身体を捕らえられ、隠し続けてきた真実を見抜かれたとき、
氷のように冷え切っていた主従関係は、静かに形を変えた。
「お前は男ですらない。……ただの、私の所有物だ」
突きつけられたのは死ではなく、逃れられない執着。
行き場を失った孤独な存在を囲い込み、決して手放そうとしない絶対的な支配。
偽りの乙女としての時間は終わりを告げ、
ラナは一人の青年として、抗えないほど深く書き換えられていく。
それは救いか、それとも堕落か。
孤独を抱えた二人の魂は、背徳の熱の中で静かに絡み合っていく――。