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1章:高校生の身体を乗っ取った事になった俺は高校に通う事になった

閑話:大人達の会話

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良哉が部屋に行ってしまい、リビングに残された大人達。
「昭子、良哉の記憶は?」といったは兄である宗次郎。
その質問に少し哀しげな表情になる昭子。 そして首を横にふる。
「まったくなのか?」と聞く、宗次郎。 溜息交じりだ。
「ええ、私の事も昭子さんと呼ぶようになるし。 
 自分の息子ではないみたいで、記憶喪失であそこまで性格もかわるのかしら?」と悩まし気な昭子。
「俺も記憶喪失の人間にあった事がないからな。 
 逆に、学園で何か起きて、その影響で人格が変わったのかもしれない。 なぁ、康則はどう思う?」って宗次郎。

「俺は、良哉とは塾の臨時講師と生徒とっていう関係だったからな。 
 確かに実技は周りの生徒から遅れてはいたが、それを補うように勉強に励んでいたな。
 それで勉強は今しているのか? 昭子さん?」

「それが、あまり塾生って事を今朝まで言ってなかったの。 
 だから、塾の勉強は一切してないみたい。 
 入院中も含めて、雑誌とかは読んでるのを見たけど、高校の勉強をしたいとか言わないから、あえて学校の事は触れずにいたわ。」って昭子だ。

「そっか。 となると、復学した時に大変かもしれないな。」って宗次郎。
「ええ、でも学園ではイジメはなかったって言われてしまってるし、それに今はまだ良哉に無理に学園に復学しろとは言えないわ」って昭子。

「昭子さん、それでも塾には通わないと。」って康則。
「塾でイジメられていたって事はないの?」って昭子だ。
「それはない。 仲間同士の関係は、俺が見ていた中では良好だった。」という康則。
「俺が正式に講師になるのは、来週からだ。 理事長も、学園の復学については良哉の気持ちが落ち着いてからでいいと、言っているが、塾については来週から復帰する事って言っているんだ。」っていう康則。
「え! あの子まだ骨折が治ってないのよ。 それに無理させたくないわ。」と反対する昭子。
「わかってるが、既に3週間も遅れている。 実技は、見学でいいが、学科には復帰する必要があるんだ。」という康則。
「昭子、本当は良哉にその話も今日したかったんだが、本人は復学でどうもショックのようだ。 
 お前から伝えてくれないか?」という宗次郎。
「ええ、今夜の夕食の時にでも、伝えるだけ伝えるわ」という昭子。
「その時でいいから、この教材も渡しておいてくれ」とおもむろにバックから数冊のノートを出す康則。
「これは?」と聞く昭子だ。
「良哉が休み中の塾の生徒がとっていたノートだ。 記憶喪失って事で役に立たないかもしれないが、これをきっかけに何かを思い出すかもしれないしな」という康則。
あまり気乗りはしない昭子だったが、
「渡すだけ、渡してみるわ」と受け取るのだった。

その後、大人達3人は、良哉の復学や塾について話合いをするのだった。
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