高校生の身体を乗っ取った事になった俺の話だけど、結局は俺の話

八木恵

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3章:総大将の帰還

帰還した総大将

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Side:海
今は、本家からの帰り、車にのっている。
200年ぶりに帰ってきた、総大将に会いにいった帰りだ。 200年、長かった。
総大将とは子供の時からの付き合い。

「なぁ、ジジイ、あの人が本当に若が尊敬し続けた総大将なのか?」って星の息子の星也セイヤ
「おい、星也、口がわるいぞ」って星。
「でもよ、オヤジ、若は聡明で強かったのに、あの人からは何も感じなかったぞ。 
 確かに、若に似てたけど、本当にジジイと同じ歳なのか?」って星也。

総大将の見た目は、多くみつもっても10代後半にしか見えない。
一方、若は、妖怪年齢相応に歳をとっていった。 あの違いは、なんなんだ。
「ああ、儂と同い年だ。 それに、普段の総大将はあんな感じだ。 初代もそうだった。」
ぬらりひょんをである初代、そしてそれを一番体現しているのは三代目である総大将だ。
総大将の膨大な妖力は隠しても、つねに感じていたが、今回会った時は感じなかった。
この200年で何があったんだ。

「星也、おまえは総大将のすごさをしらない。 あの方は、いざという時に凄いし、
 若は打ち合いで一度も妖術を使わせたことがないときいた。」って星。

「本当なのか? でも、俺は信じられない。 組のことを放置してまで休みたいだの、一人旅にでたいだのいいだしたんだぞ。 すでに200年も放置してだぞ」と憤慨する星也。

なぜ、一人旅にこだわった。
「おい、星、すぐにカラスに連絡して、総大将の身に着けるものに可能なかぎりGPSをつけろっていえ!」って儂。
嫌な予感がする。
「オヤジ、まさか!」
「何いってんだよ、ジジイ。 皆で、最後拘束したじゃないか。」って星也。
「ばか、それをもかわすのがぬらりひょんなんだよ。 なのに、素直に拘束されたこと事態おかしいんだ」って儂。 何故、あの時に気づかなかった。

「オヤジ、カラスにつながらない」って星。
「おい! 本家に戻れ!」って大声で指示した。

◇◇◇
儂は、本家についたが、騒然としている。
「おい、何があった?」って古参の小間妖怪にきいた。
「総大将が、またいなくなっちゃったんです。」
「やっぱりか!」
「おい、ジジイ、もうあんな人どうでもいいだろ」って星也だ。
「お前は、車でまってろ」としかいえない。 今は総大将の行く先だ。

広間をあけて、カラスを見つけた。
「カラス、総大将は、どこにいった? GPSはつけたのか?」
「海さん、やられたわ」って久美様。
「海、GPSをつけてあったが、みつけて壊された」ってカラス

「GPSなんて、総大将しらないだろ?」って儂。
「きっと、異物として外していったのよ。 子供達のネックレスもはずしていたわ。 こっそりGPS仕込んであったんだけど」って久美様。
「どこに行ったか、わからないのですか?」って儂。
「まったくよ。 でかけるとだけ」って久美様。 
「そうですか。」って儂。
「カラス、全国の友好関係にある組、族長にも書状をだしとけ!」とさけぶ儂だ。
「海さん、やめましょう。 陸様のことです。 こうなったら、待ちましょう。 陸様の帰れる家はここだけですから」って久美様。

気丈にふるまっているが、心中は穏やかではないだろう。
俺の子供の時からの親友であり、常に忠誠をしめしている陸は、またいなくなった。
本当、どこにいったんだ。
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