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第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
15話 新バージョン
しおりを挟むどうも、僕です。現在、少々気まずい雰囲気で、“大樹“と対面しています。
「さ、さて、“大樹“に何が起きてるか見てみようかな・・・(まずは“全情報開示“で見てみようかな?・・・)ん??何だこれ・・・」
ソル「どうかなさいましたか?」
「あぁ、もう少し待って・・・(文字がバグってる??)」
“全情報開示スキル“を使い“大樹“を鑑定してみると、そのあまりにも不可解な結果に驚き、つい驚きの声が口に出てしまった。
そして、その驚きの結果がこちらです・・・↓
====================
+精霊樹の枝葉+
詳細:この世界の中心にある聖域内に生えている“精霊樹“、その地中深く広く広がった根の先端から芽吹き、大きく育った“大樹“。
“精霊樹“同様、この世界の自然エネルギーを吸収し、精霊を生み出していると言われている。そして、現在、このような状態の“精霊樹の枝葉“は数箇所存在している。
状態:“大樹“内部に異物があり、機能不全を起こしている。
備考:機能不全を起こしているのは“%‘&#()’‘+>“が“*`$#%&$“して<&%*から・・・
=====================
鑑定の結果の冒頭は普通の説明だったのにも関わらず、“大樹“の状態についての説明が明らかに何か異常があることを示していた、でも、その状態についての備考のほとんどが文字化けしていて、何が原因かはっきり分からない、何度見ても変わらない、説明文に頭を捻っていると・・・
(うーん、なんか、この文字化けの部分、以前にどこかで似たような事があったような・・・( ̄▽ ̄)・・・)
天華『・・・あの“邪神“を鑑定した時の状態に似ていますね・・・』
文字化けした説明文を見ていると、以前どこかで見た事があると、既視感があり、どこで見たのかと一生懸命思い出そうとしている所に、天華が剣呑な空気を纏わせ、そう言ってきた。
(あ!確かに!他にも何回かアイツに関連した物も似たようになってた!(・Д・)・・・(・・?)ん?て、言うことは、今回もアイツが何か仕掛けた?って事!?( ゜д゜))
夜月『かもな・・・』
春雷『それにアトリー様、いつもならたくさんの精霊達が集まり、毎日のように新たに生まれてくる精霊達を待ち望んでいるのですが、周囲の精霊達が言うにはここ数日“精霊樹の枝葉“が、いつもより元気がなく、生まれてくる精霊達の数が少ないように感じるとのことです。もしかしたら、かなり危機的状況なのかもしれません・・・』
(!、それは、嫌な予感しかないね・・・)
天華の言葉に僕自身もやっとその事を思い出して、少し考えてみたら、例の“アイツ、邪神“が関係しているのでは無いか?と気づいてしまった。帝国での騒動以降、“アイツ“の話は全く聞かなかったと言うのに、ここに来て、春雷の情報を聞き、嫌な予感がかなりしてきた事に、僕は苦い表情をした・・・
(・・・面倒な事になったな・・・、ジュール、天華、夜月、春雷、雪花、ちょっと本気で、“大樹“を“見て“みるから、周囲の警戒と、皆んなの安全確保を頼んで良いかな?)
ジュール『任せて!』 天華『問題ありません』 夜月『あぁ、構わない』 春雷&雪花『『お任せください』』
(ありがとう、よろしくね!さて、調査する前に皆んなに少しここから離れてもらおう・・・)
この文字化けだけで、“アイツ“と関連付けるのはあまりにも時期尚早だと言われるかもしれないが、僕の本能がずっと警鐘を鳴らしている、なので、油断する事なく、対策を取るために、周囲の安全と警戒をジュール達に頼み、僕は行動に移す前に皆んなに説明を行う事にした。
「・・・と、言うわけで、今からちょっと本気で調査にあたるので、この場から少し離れて貰います。できるだけ遠くに離れて欲しいですけど、ここは少し場所が狭いので、ここの展望台の入り口付近で皆んなで一塊になってください、そしたらジュール達が皆んなの周囲に防御結界を張ってくれるので、そこから決して動かないでくださいね」
そう言って、皆んなに移動してもらおうとしたら、
ソル「僕はお側に居りますからね」
「・・・ソル・・・はぁ、分かった、自分で結界を張っていられるなら良いよ」
ソル「ありがとうございます」
と、ソルだけは頑として動く気はなかった。
「よぉーし、皆んな離れたね?じゃあ、夜月、皆んなに結界をお願い」
夜月『“超硬度結界“発動』 ブゥンッ・・・
天華『アトリー、不測の事態に対応できるように“神器の祭事服を戦闘モード“に着替えた方が良いです』
ジュール『あと、“千変万化“も出したほうが良いって!主神様が!」
(はいよ~(*´Д`*))
そして、ソルを除く全員が指定の場所まで退避したのを確認して、夜月が結界を張ったのを確認した僕は、天華達の助言に従って準備をする。
「“神器召喚“、“千変万化“、“祭事服“「パァーッ」そして、“神器解放“、“千変万化・太刀“、“祭事服・戦闘モード“」 リィーーーーーンッ! ブワァッ!!
(うぉっ、眩しっ!!Σ('◉⌓◉’))
“神器の召喚“と“神器の解放“をひとまとめに行った事で、周囲は目が開けられないほどの光に満ちて、僕自身も久しぶりの“神器“使用で、眩しさに目が開けていられなかった。
暫くして、光が収まり、徐々に目を開くと・・・
「ん?なんか、以前とまた違った装いになってる・・・」(新バージョン??)
久しぶりに“神器解放“した“祭事服・戦闘モード“は何故か以前のような“騎士服風“でもなければ、“カンフーチャイナ風“でもなく、何故か戦闘ができるような服ではなく、ファンタジー世界の“魔法師“のような“法衣“?みたいなもの、もしくは“錬金術師“が来ている“ローブ“?と言って良いのか分からない格好だ。
もっと詳しく説明するなら、いつもの冒険者装備をフェンタジーの学者風に寄せて、その上からちょっと装飾の多い法衣?ローブ?を羽織った感じ、いわゆる、RPGで出てくるような戦闘できる“錬金術師“?のような格好だった・・・色は白が基調なので白衣に見えて、ちょっと研究分野よりの“医師“にも見える。(ちょっと“マッドサイエンティスト“ぽい・・・(*´ー`*))
(これ、どうみても戦闘服では無いよね?・・・)そんな“学者風“?と言って良いのか分からない戦闘服の腰ベルトに、太刀に変化した“千変万化“を装備し、少し考えてみたのだが、答えが出なかったので、
「・・・まぁ、いっか・・・今は、“大樹“の調査の方が大事だし!」
と、サクッと考えることを放棄して、“大樹“を調査する方に思考を切り替えた。
「“神力解放“、(からの“真眼スキル“発動“)・・・っ!??何だ??・・・動いてる!?」
ソル「!?・・・アトリー様、何があったのです?」
「“大樹“内に何か動くものが入ってる、多分、(“ミルワーム“?見たいな)芋虫?だと思うんだけど・・・それにしては大きい過ぎる、これぐらい・・・うへぇ、気持ち悪い・・・」
“神力“を解放してから“真眼“のスキルを使用して、“大樹“内にあると思われる異物を見つけようと診てみると、“大樹“の幹が透け、内部に何かがある事に気づいた、それを良く見ようと目を凝らすと細く長いニョロニョロと細かく動く物体だった。一瞬、何なのか分からなかったのだが、ニョロニョロと動くそれが何かしらの生物である事がわかると同時に嫌悪感から眉を顰めた。
僕の様子を見てソルが何があったのか気にしてきたので、再度、“大樹“の中を確認してみると、前世にも似た生物、良く鳥やモモンガ、小動物系のペットなどの餌として、販売されていた、少し光沢のある小さな芋虫“ミルワーム“に似た生物だった、一見見た目は似ていたのだが、そのサイズ感が全くもって一致せず、ソルに大体の大きさを手で表してみせる、それをして見せたのはいいが、自分が知ってる“ミルワーム“の数百倍のサイズのその“芋虫?“に鳥肌が立つほどの気色悪さを感じ顔が歪む。
ソル「“大樹“の内部に“大きな芋虫“?が入り込んでいると?「う、うん」その事にリアン様達がいち早く気づいたのですか。確かにそのような異物が入り込んでいては“大樹“に何らかの影響が出て、枯れたりするかもしれませんね、それを心配なさっているのか・・・しかし、その“芋虫?“いったいどこから入り込んだのでしょう?・・・」
「!!・・・確かに、こんな“大きな芋虫“?が入り込むとしたら、“大樹“の表面に大きな穴が空いているはず・・・」
ソル「そうですよね・・・でも、見たところ、“大樹“表面にはそんな大きな穴は空いてませんし・・・」
「ん!?・・・“芋虫?“が木の幹を齧ってる、中の大きな空洞はコイツらのせいなのか・・・えっ!!?“芋虫?“が大きくなった!?この短時間で!??・・・」(このまま“全情報開示“で鑑定“・・・そう言うことか!)
ソルが簡単に現状をまとめ、この“芋虫?“の侵入経路に疑問を持った、確かに、僕の目に見えている“芋虫?“が外から侵入したとするなら、それ相応の大きな穴が空いていなければ、説明がつかないと、ソルと2人で頭を悩ませていると、僕の視界の端で、その“芋虫?“がガリガリと“大樹“の内部を齧っているのを目撃し、何気なくそのまま見ていると、“大樹“を齧った“芋虫?“が目の前で一回り大きくなったのを見て、僕は驚き、それと同時にこの“芋虫?“の異常な成長速度に注目し、スキルを使って鑑定した後、こう予測を立てた・・・
「・・・この“芋虫?“、名前は“ウッドデスワーム“、元はどこにでも生息している木を主食とした普通の小さな芋虫だったものが、何らかの影響で魔物化したらしい、魔物化しても最初はかなり小さかったらしく、目立たず人の目には映らなかったのか、元の小さな“芋虫“と同じで木を主食としていたから、そのまま“大樹“の中に入って内部を齧り、どんどん栄養を得て急速に成長していった結果、巨大化していったと言う感じみたいだ。・・・だとすると、この“ウッドデスワーム“ほんの数日でこんなに大きくなったって言うことか、・・・かなりの成長率だな・・・!!やばい!この“ウッドデスワーム“早急に“大樹“から取り出し退治しないと、領都が危ない!!」
ソル「!!??どう言うことですか!?その“芋虫の魔物、ウッドデスワーム“と言うのはそんなに領都に影響が出るほど大きくなるような魔物なのですか!?」
「ああ!その成長率も脅威だけど、それより今、僕達が見ているこの手前の面に集中して、“ウッドデスワーム“が“大樹“の中で活動し、成長している!今はほんの一部だけに固まっているが、コイツらがどんどん成長して、内部で横に広がっていったりしたら、最初に齧られて脆くなった場所が“大樹“自身の重さに耐えられなくなって壊れたら、前のめりに倒れ込んでくる、そうなるとこの山の麓にある街まで転がっていく可能性は大いにある!」
ソル「!!それはまずいですね。アトリー様、ではどうしますか?早急に“ウッドデスワーム“達を退治するにしても、相手は“大樹“の内部に潜んでいる、どうやってそれを引き摺り出しましょうか?」
僕の説明にどれだけ危機的状況なのか理解したソルはすぐに退治の方法を考え始めた。
「・・・そうだね。・・・少々手荒になるけど、“大樹”の一部を切り取り、イネオス達の力も借りて、内部にいる“ウッドデスワーム“達を1匹残らず除去するしかない」
ソルも一生懸命考えてくれてはいるけど、僕は手っ取り早く、“ウッドデスワーム“達が固まっている場所の表面を切り取り、内部が露わになった所で、僕を含めた冒険者資格を持った面々で1匹残らず地道に除去していく方針を打ち出した。
ソル「確かに他に方法がない・・・分かりました。まずはムーグラーフ辺境伯夫妻に説明をしませんと」
ソルは僕の方針に納得したが、すぐに作戦を始めることはせず、ちゃんと順序として、この地の領主であるカミィ姉様夫婦に説明しに行こうと言ってくれた。
(確かに、よその領地で、勝手に観光の目玉の“大樹“に傷を入れたらダメだね。ちょっと、びっくりして焦っちゃってたよ・・・まぁ、虫退治のために入っちゃう傷や“ウッドデスワーム“に齧られちゃった傷に関しては、治す手立てがないわけでもないからな、それもちゃんと説明したら、姉様達なら作戦の決行を許してくれるはず・・・)
「そうだね・・・」
そうして、ソルの対応の速さをありがたく思いながら、皆んなが避難している場所に向かって歩き始めた。・・・・
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