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第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
17話 何事もやりすぎには要注意!
しおりを挟む(さて、後は・・・)
全ての処理が完了し、皆んなで一息ついていると、
カミィ姉様「皆んな、お疲れ様、皆んなのおかげで大事にならなくて済んだわ」
専属執事のイーロを後ろに引き連れ、子供2人を抱えて、討伐が終わって力を抜いていた僕達を労いながら近づいてきたカミィ姉様。
「カミィ姉様、リアン、モーラ達は大丈夫でしたか?怖がったりは・・・してないようですね?・・・ほっ」
カミィ姉様「ふふっ、えぇ、それどころか、皆んなの戦っている様子を見て凄い凄いと興奮して見ていたわ、ふふっ」
近づいてきた、姉様達に危険が及んでいないのは分かっていたが、急に本格的な戦闘になると予想していなかったので、子供達への配慮が完全では無かった、まだ小さい2人にしてみれば、怖いと思う様な状況だっただろうと思い、心配していたが、どうやらそんな心配は全く要らなかったようだ、2人は姉様に抱えられながらも、目をキラキラと輝かせながら、戦闘後の僕達を見ていた。それはまさに憧れの人を見るような熱い視線だった・・・
リアン「とうさま、すごい!!」
ハウイ義兄様「そうか、そうか、父は凄いだろう?」
リアン「うん!でも!にーにがいちばんすごかった!!」
モーラ「にー、キラキラ!!」
ハウイ義兄様「!!?、おぉ・・・、私が1番じゃないのか・・・」
「あー・・・、ありがとう、2人とも褒めてくれて・・・」(リアン、父親を上げて落とすとか、小悪魔かな?)
2人の憧れが全て僕に向かっていたことに、凹むハウイ義兄様、そんな義兄様を横目に、僕はそう言うしかできなかった・・・
カミィ姉様「ふふっ、モーラはアトリーが“神器“を身に纏った時からずーっと目を輝かせていたわ、ふふっ」
「あ、あぁ、結構、全体が光ってましたからね。光るものが好きなモーラがご機嫌になったのも頷けます」
モーラは女の子らしく、キラキラ光るアクセサリーや魔道具が好きなようで、よく僕が身につけている物に興味を示していた。それを知っている僕は、いつも、モーラの好きそうなキラキラ光るオモチャを作っては、プレゼントしているのだった。(み、貢いでいるんじゃないんだからね!?(゜∀゜)ちゃんと、誕生日や新年の挨拶の時とか、ちゃんとした理由がある時にだけやっているよ!・・・最近は・・・( ̄O ̄;))
カミィ姉様「あらあら、それは違うのよアトリー、モーラは光っているアトリーが大好きなの、貴方がいない所では光っているものに興味は示したりしないの、貴方が持っている物や貴方自身が光っている時が1番好きなのよ。多分、貴方の魔力や“神力“の色が見えているのかもしれないわ、だから、貴方の持っている手作りの物にしか反応しないし、それを触らせて欲しいとねだりはするけど、自分の物にしようとはしないのよ。まぁ、物の場合は貴方が直ぐにモーラにあげちゃうから気づいていなかったでしょうけどね?」
と、カミィ姉様に困った子供を見る目で笑いながら言われてしまった僕は、
「え、あ、う、・・・そ、そうだったんですね・・・確かに、モーラの瞳は独特の色をしていますからね、そんな能力があっても不思議ではないですね・・・」
(まぁ、でも、キラキラしているのは好きなんだね?僕限定ではあるけど(*´ー`*)・・・何にせよリアンに引き続き、モーラも7歳の時の“洗礼と祝福の儀“が楽しみだね、どんなスキルを持っていることやら・・・( ̄▽ ̄))
と、決まりが悪げに視線を逸らし、誤魔化しつつも子供2人の将来を楽しみに、苦笑いした・・・
「・・・さて、討伐は完了しましたけど、後は“大樹“の大穴の処理をしないといけませんね」
カミィ姉様「討伐前にこの大穴をどうにか出来ると言ってたけど、どうするの?何かで埋めるのかしら?」
ハウイ義兄様「かなりの大きさだから、何を使うにしてもかなりの量が必要になるぞ?」
「いえ、魔法の力でなんとかして見ようと思いまして」
カミィ姉様「魔法?魔法でどうにか出来る物なのかしら?あ、木魔法?」
話題が一旦途切れた所で、今回の騒動の最後の後始末を行う事にした。討伐作戦を始める前に、カミィ姉様夫婦に“大樹“に開いた大穴を、どうにかできる当てがあると説明していたが、どのような手段でとはその時は説明していなかったので、姉様達はどうするつもりなのか、興味津々で聞いてくる。
(しかし、詳しい説明もせず、大穴をどうにできると、曖昧な僕の説明だけで、よく討伐の作戦を許可したよねこの2人・・・(*´ー`*))
「まぁ、それも考えの中にはあったんですが、魔法を使う対象が“大樹、精霊樹“となると勝手が違ってくると思ったので、回復魔法を“神力“で発動してみようと思ってます」
カミィ姉様「回復魔法で?」
ハウイ義兄様「ふむ、・・・“大樹“を一つの生命と見立てて、人間と同じように回復させると言うことか、・・・確かにそう仮定すると、今の“大樹“の状態は怪我をしていると言う事になり、回復魔法をかければ治療できるかもしれないと言う事だね?」
「はい、そう言う事です。それに“大樹“は“精霊樹の枝葉“という特殊な樹木ですので、“神力“を使用した回復魔法なら治療できるのでは?と思ったわけです」
カミィ姉様「確かに“大樹“は“精霊樹“と言うだけあって、意思がありますものね、今回の様に子供達がその意思を感じてくれたおかげで、早めの対処ができて、大事にはならずに済みましたもの・・・」
「えぇ、リアンの言っていた、“木が痛い“と言う言葉で、回復魔法で治療ができるのでは?と言う発想にも至りましたからね」
この世界はまだ発展途上の段階なので、植物に回復魔法をかけると言う考えに至らず、それを実行した人もいなかったようだ。でも、僕がリアンの言葉を聞き、前世での知識を思い出し、その知識を前提に出した仮定が正しかった場合、傷ついた“大樹“の治療は簡単だろうと思っていたのだ。
(まぁ、前世の知識で、適切な処置をすれば、傷がついた植物でも自己治癒力で治ることは知っていたからね。この世界みたいに魔法があって回復魔法の効果が分かっているなら、植物でも回復魔法で治療は可能だって確信してるけど、今回の相手は“精霊樹“だから、念には念を入れて“神力“を使って回復魔法を行使してみるよ!)
と、簡単に説明をして、僕は再び“大樹“の方も見て、その根本に近づき、少し元気がなさそうに見えるが、どっしりとした立派な“大樹“を見上げた。
「痛かったね・・・今、治してあげるよ・・・」 フォォーッ・・・
「「「「「っ!!?」」」」」
“大樹“の幹に手を当て、優しく撫でながら労った僕は、目を閉じて、体内にある“神創機関“を意識し、これまでより、より濃厚な“神力“を作り始める。
目を閉じて体内から溢れ出ている魔力や自然エネルギーを意図的にかき集め、濃厚で強力な“神力“へと変換していく、それはすぐに身体全体を満たし、溢れた・・・
この時僕は、自身の変化に全く気づいていなかったが、側から見た僕は強く発光して、光そのものと同化しているほど眩しかったそうだ、だが、その光を見ていると、どこか安らぎを感じ、自然と祈りを捧げたくなったとか、それほど神々しい光景に見惚れて皆んな手を組み、静かに祈りながら見守っていたそうな・・・
(おぅ、それは側から見ると新興宗教っぽいな・・・てか、デジャブ?( ・∇・))
そんな状況を知らずに僕は短時間でかなりの量の“神力“を作り、結構適当な所で、“神力“への変換を止め、魔法を行使するために目をそっと開き、心の底から治ってほしいと言う思いを込めて回復魔法を発動させた。
・・・・・“神威の治癒“《ディバインヒール》・・・・・
先程までとは違った柔らかな光が周囲を照らし、光の粒となり“大樹“に染み込むようにすぅーっと消えて行く。しばらくすると、“大樹“に開いた大穴の部分だけがキラキラと光だし、徐々に内部から幹が再生していき、最終的には何もなかったかのように元通りになった。切り取られた樹皮も元の通り焦げ茶色でしっかりとした硬さになっており、その場所を押しても中身がしっかりと詰まっているのが、手から伝わってきた。
「ふぅ、うまく行った・・・うん、完全に元通り・・・?・・・あれ?少し大きくなった???・・・気のせいかな??」
天華『いや、確実に大きくなってますね』
「っ!?・・・き、きっと、ご、誤差だよ、誤差、ねっ?・・・」
『『『『『じーーーっ』』』』』
光が収まり、大穴があった場所を手で触ってみて、しっかり治っているのを確認し終え、再び“大樹“を見上げたら、何だかさっきより枝が増えて少し大きくなっている?と、思ったが“気のせいか“、で済まそうとしたら、天華に速攻で訂正されてしまった。それでも、この現状を認めたくない僕が悪あがきの様に“誤差“と言うことでスルーしようとしたら、ジュール達に僕が意図的に“大樹“を成長させたと思ったのかジト目で見つめられてしまった・・・
(ちょっ!そんな目で見ないでよ!!僕は“神力“を込めただけで、こんな風に成長するとか思わなかったんだからぁ~(*´Д`*))
天華『・・・アトリー、この魔法を使う時、“大きくなるといいな“、みたいな事、少しでも思いませんでしたか?』
(え、全然そんな事思わなかったよ?綺麗に治れ!みたいな事は思ったけど・・・(・・?))
天華『そうですか・・・では、これは本当に予想外な現象だった様ですね・・・』
(ほっ・・・( ´ ▽ ` )口には気をつけよう・・・)
この状態を意図的に起こしたのか?とジュール達に疑われた僕は、全力で自分も予想外だったと、何の意図もなかったと素直に話すと、すぐに信じてくれたのでホッと一安心したが、まぁ、最初に僕が誤魔化すように言った事が原因だったので、安堵しつつも言葉を発する時はよく考えて話そうと、よくよく反省した僕だった・・・
夜月『多分、治療に対して、“神力“が多かったのが原因ではないか?』
ジュール『そうかもねぇ~、意外とあの大穴がそれほど酷い被害じゃなかったってことかな?』
天華『そうかもしれませんね。それにしては、余剰の“神力“だけで数百年単位の成長を促すとは、“神力“を込めすぎたか、よほど、アトリーの“神力“が“精霊樹“と相性が良かったのか・・・』
夜月『どちらもじゃないか?』
春雷『そうですね。あの魔法の余波で、周囲で見守っていた精霊達が数人、存在進化して、中位精霊が上位精霊になったそうですから・・・』
ジュール達『『『あー・・・』』』
ジュール達は僕が意図的に起こした事ではないと分かった所で、次はこの状況の原因は何だったのか?と色々と推測した結果、どうやら、治療に使用した“神力“の量と、僕の“神力“と“精霊樹“の相性が良すぎた事が原因だったという結論になったらしい。
「相性かぁ、それはどうしようもないね・・・完全に不可抗力だ・・・まぁ、何にせよ、“大樹“の傷は治ったんだから良いとしよう!」
うんっ!と1人で納得していると、それで納得できていない面々に肩をポンッ!と叩かれ、ビクッ!と驚いた僕が振り返って見ると、
カミィ姉様「アトリー、後でお話しましょうね?・・・」
かなり笑顔の圧があるカミィ姉様とご対面した次第であります・・・
「は、はい・・・」
その後、色々と後片付けをした後に、ティーナちゃんが張った結界が消えると、僕達はすぐにその場から転移魔法でデューキス公爵家の屋敷に戻ると、父様達を交えて、今回の“大樹“の異常の原因の件で起こった諸々の出来事を報告、最後に僕がした治療の件もカミィ姉様の口から報告されて、その報告を聞いた父様達に僕は質問攻めにあった、その質問の嵐に一生懸命、説明?弁明?をする羽目になったとだけここに記しときます・・・・
・・・・アトリーが質問攻めにあっている頃・・・・
?「・・・“大樹“から光が・・・!?、成長した!?何故だ・・・あれにはそんな効果はなかったはずだ、・・・誰かが邪魔したのか?・・・折角の実験が・・・まぁ、いい、目的は別だ・・・ついでにこんな街、滅びれば良いと思ったが、運よく免れるとはな・・・忌々しいっ・・・」
ムーグラーフ辺境伯領の領都内で大勢の人達が“大樹“方面から放たれた光を目撃していた、そんな目撃者の中に、ぶつぶつと不穏な独り言をつぶやき領都から出ていく人物・・・
この時の騒動の本当の目的は何だったのか、そして、この怪しい人物は何者だったのか、全てが判明するのはそう遠くない未来・・・
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