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第1章 幼少期
7話 姉様のために2
しおりを挟む「「「「「「「「「・・・・・・・アトリー(様)が立った!!!」」」」」」」」」
ビクッ!「あぅ」
(みんないつも凄い声揃えるけど練習でもしてるの?ちょっとビックリするんだよねって、あ・・・)
身体が反射的にビックリして手が柵から離れた。
「「「「「「「「「アトリー(様)!!!!」」」」」」」」」
みんなの焦った顔を見ながら頭を打つ覚悟をした。(痛いんだろうな~)
(・・・・・・・?、あれ?痛くない?)サラッと目の前に金色の紐?いや髪が垂れてきた。
「っ!あ、危なかった、はぁ」
どうやら一番近くにいた父が、ギリギリのところで私の頭をキャッチしたようだ。
みんなが「「「「「「「「ほっ」」」」」」」」としてた。
(父!凄いな!ナイスキャッチ‼︎あービックリした、てか、これ父の髪か)
目の前にある父の金髪を掴んでみた。
「あうぅきゃっいう~!」(父ありがとう~!)
父の金髪を引っ張りながらお礼を言ってみた。
「いたたっ、どこも打っていないようだ」
父は私を抱き上げながら確認していた。
それを聞いたみんなが「「「「「「「「はぁ良かった」」」」」」」」と安堵していた。
(やっぱりどっかで練習してるでしょ)「あううぅ、あふぅ」
祖父「しかし今アトリーが立たなかったか?」
祖母「えぇ、立ちましたね」
母「“つかまり立ち“しましたね、初めてみました。でも、最近しそうな様子でしたし、目を離さないようにしてましたから、これが初めての “つかまり立ち“なのかもしれませんね」
長女カミィ「え、じゃあ初めての“つかまり立ち“をみんなで見れたってことですか?」
母「そうみたいね」母が楽しそうに微笑むと、子供達が嬉しいそうに話し出した。
長兄カイ「みんなで見れるなんて運がよかったね!」
次兄ライ「だね‼︎立ったときのアトリー可愛いかった!」
次女ヘリー「本当ね!アトリーこっちに来たかったのかしら?」
長女カミィ「そうかもね、でも倒れそうになった時は心臓が止まるかと思ったわ、けどお父様がすぐ助けてくれたからよかった」
祖父「あぁ、私は間に合わな合いかと思ったよ」
父「もう無意識に手が出てましたよ、本当に間に合ったのが不思議なくらいです」
母と祖母も「えぇ、本当に」「ビックリしましたわ」「今日は無理させない方が良いわね」とか言ってるのを聞きつつ、私は別のものに興味を向けてた。
(この金髪冷たくないね、まぁ当たり前か)
気づいたら握っていた髪を口に入れていた。
「あぅ~、パク、モシャモシャ、ぶぅ~っ」(うん、美味しくない)
父「あ!、アトリー、髪は食べちゃだめだよ!」
手から髪を外される。
「うぅぶ~あぅ~」(ごめんなさ~い、分かってはいるんだけど、つい無意識にやっちゃうんだよな~)
(赤ちゃん返りかね?それとも本能かな?う~ん、分かんないや、それよりお腹すいたな~)
また無意識に手を口に持っていって指を舐めてしまった。
(あちゃ、またやっちゃった)「あぶ、うぶぅ~」
母「あら、ご飯の時間かしら?」
祖母「お腹が空いてきたみたいね、そろそろ私達も昼食の時間ね、ほら、あなた達も一旦お部屋に戻りなさい」
祖父「もうそんな時間か、そうだ!今日の夕食は“お祝いパーティー“だな料理長に伝えねばな!」
祖母「そうですね!アトリーはまだ離乳食ですけど最近、歯が生えそうなのか硬いものを食べたいみたいですし、噛み心地が良いものを用意してもらいましょう♪」
母「お義父様、お義母様、手配をお願いしてよろしいですか?」
祖父&祖母「「えぇ、任せなさい!」」(楽しそうだな~)
母「有難うございます、ではよろしくお願いします、ふふっ」
2人はすぐに立って部屋を出ていってしまった、母はそんな2人を微笑ましげに見送った。
父「このやり取りも五回目になると見慣れてきたなぁ」
母「良いじゃないですか、楽しそうにして頂けるんですし」
次兄ライ「5回目?」
母「えぇ、そうですよ、貴方達の時もお祖父様とお祖母様がいつも“お祝いパーティー“の準備をして下さったのよ」
次女ヘリー「お祖父様とお祖母様が?」
父「そうだよ、私達の出る幕が無いぐらい手早く準備が終わるから、いつもお任せするんだよ…はぁ」
(父も何かしたかったんだね)
長女カミィ「“お祝いパーティー“の時はいつも豪華だから今日の夕食が楽しみね♪カイ!」
長兄カイ「そうだね姉様♪」
(おぉ姉様達の喜びようは期待出来ますな!まぁ私は離乳食の豪華版ですけどWWW)
あ、そう言えば、私、あのカミィ姉様大泣き事件の後から少しして、離乳食始めました!
最近やっと柔らかいけど固形物を食べるようになったので、楽しみが増えて、一生懸命、あご鍛えてます!やっぱり美味しい物が食べたいですし、歯も生えそうですし♪
(てか、むしろ生えてるような気がする・・・指噛むと何か当たるんだよね最近・・・)
そんな事を思っていると、下の双子も姉様達と一緒に喜んでいた。
次兄ライ「そう言えば、この前のアトリーのハイハイの“お祝いパーティー“の時も豪華だったね!」
(おんやぁ?)
どうやら聞くところによると、私の預かり知らぬところで、“初めての寝返り記念“と“ハイハイ記念“の“お祝いパーティー“したらしい。
まぁ、その時はまだ母乳だったからね参加できないもの、今回が初の本人参加の“お祝いパーティー“だから、“ハイハイ“の時より豪華になるんじゃないかって、今から皆んな楽しみらしい。
父「ほらほら、子供達、夕食の心配より先に昼食を食べに行きなさい」
父にうながされて、兄妹達が動き出し部屋から出ていった。
その様子を父はため息を母はクスクス笑いながら見送った。
父「さて私達も昼食にするかい?」
母「ふふっ、えぇ、そうしましょう」
父の腕に抱っこされたまま食堂に連れて行かれ、いつもの様に昼食を食べた。(離乳食だけど)
予想通り、その日の夕食は豪華だった、食卓にたくさんの美味しそうな料理に、色んな種類の離乳食が並んでいた。
私の座ってるベビーチェアの前に、ずらっと並んだ離乳食、左端から順に柔らかさと大きさが違うみたい、左端から順番に食べさせられる、4個目ぐらいの時に少し大きな人参の煮物を食べた時、まだ私には硬すぎて噛めなくてこぼしてしまった。その時に母があることに気づいた、こぼれた人参を見事キャッチした母は、人参に小さな窪みを見つけ、隣にいた父に見せた。
母「あら?貴方、これ見てください」
父「何かな?ん?小さな窪み?・・・⁉︎、歯型?」
母「やっぱりそう見えますか?」
父「ちょっと確かめようか」
母「そうですね、アトリ~、お口をあ~んできるかなぁ?」
(おや、確認してくれるの?気になってたんだよね~協力しますよ!)
「あ~~~」両親が口の中を注意深く確認していると、その周りで会話が聞こえた他の家族が結果を待っている。
母「あ、あった、ありました、上の前歯が少しだけ出てるわ」
母は少し屈んで下から見上げる様に上の歯茎を見ていた。
父「あぁこれか!、しっかり生えてるね」
父も母と同じ体勢で少し目を細め確認した。
祖父「おぉ!“初めてのつかまり立ち“の上に、“初めての歯“の記念になるとは、今日はなんとめでたい事だ!!」
祖母「まぁ、おめでとうアトリー」
兄妹「「「「わ~、アトリーおめでとう‼︎」」」」
使用人一同「「「「「「「「「おめでとう御座います‼︎」」」」」」」」」
父&母「「おめでとうアトリー」」両親から額に交互にキスをもらった
私はみんなにお祝いの言葉をもらい、少し恥ずかしけど嬉しくてニコニコ顔で・・・
「あぅ~い!」(みんな、ありがとう~)
テンション高めにお礼を言った。
「「「「「「「「「「・・・・くっ!可愛いすぎる‼︎」」」」」」」」」」ボソッと何か聞こえた。
(?壁際から何か聞こえた?使用人さん達かな?)コテンッと小首を傾げた。
「「「「「「「「「「ぐっ!!」」」」」」」」」」
また何か聞こえた気がしたが、使用人さん達はいつもの表情だ。
(気のせいかな?母!私は3個目の野菜の煮物が食べたいです‼︎)「あぅう‼︎」
母にご飯の催促をしつつ 、《姉様につかまり立ちを見せて励ます作戦》の成功に満足しながら、皆んなで“お祝いパーティー“楽しんだ。
*この時アトリーは、自分の容姿の破壊力を知らないまま無差別に愛想を振りまいた結果、“アトリー様を愛でる会“などの、ファンクラブが創設されたとかされなかったとか・・・・
+・・・・・+・・・・・+・・・・・+
“お祝いパーティー“から約1ヶ月後・・・
今日はカティ姉様が王都に出発する日で、皆んな屋敷の玄関扉の前で王都に行く人達のお見送りをしていた。
王都に行く人は、カミィ姉様の他に祖父母が一緒にいって、王都の屋敷で暮らすみたいだ。
カミィ姉様達は1人ずつ会話し、別れを惜しんでいた、最後に両親と私の方に来た。
父「カミィ、今日から君の新しい門出にこれを・・・」
父は姉様に綺麗に装飾された小物入れを差し出し、「開けてごらん?」言った。
カミィ姉様「お父様、これは?・・・」
受けった箱を開けたら、中には何かの模様が刻まれたチェーンの付いたブローチが入っていた。
父「我が家では、学園に行く子供達に渡す、デューキス公爵家の紋章が入ったブローチだよ。これを持っていれば公爵家の血筋の証になる、これがあれば他の貴族家の者達にはいい牽制になるだろう、だがこれを持ってる限り、公爵家の一員としての自覚を持って過ごして欲しい、できるかなカミィ?」
父の言葉を受け、姉様はキリッと顔を引き締めて。
カミィ姉様「はい!公爵家の一員として我が家の恥にならない様にします!」
父「では、その覚悟と共にブローチに魔力を込めなさい」
父に言われ、ブローチを手に取って魔力を込め始めた、少ししたら…
ふわぁ
と、姉様の手元がうっすら光った。
父「これで他の者が触れても紋章は浮かび上がらず、魔力を通しても光もしない、カミィ、これを持ってしっかり学問に励みなさい」
父は優しく笑ってカミィ姉様の肩に手を置いた。
カミィ姉様「はい、ありがとうございます、お父様」
返事をした後、母に視線を移すカミィ姉様、静かに隣でやり取りを見守っていた母が、私を抱っこしたまま姉様に一歩近づき、姉様の頬に手を添えた。
母「王都まで少し遠いでしょうが道中、体調には気をつけてね?着いたらお手紙書いてね。私も書きますから・・・」
カミィ姉様「はい、必ず書きますお母様、お母様のお手紙も楽しみにしてます」
親子で笑い合い私に視線を移す。
母「さぁ、アトリー、貴方もお姉様にいってらっしゃいのバイバイしましょうね」
母にそう促された私は、“つかまり立ち作戦“の他にも、カミィ姉様が王都に行く日にはサプライズで作戦を用意していた。
そして今、作戦を決行したら・・・・
+ーーーーー+ーーーーー+ーーーーー+
私は今少し困っています。
私はただカミィ姉様に喜んで欲しくて、名前を呼び、バイバイを言いたかっただけなんです、実際には…
「かぅぃねぅ~ね、ぶぅばぁぃ」てか、ほとんど言えてないけど。
そしたら、
カミィ姉様「ア、ア、(あ?)アトリー!」
コテンッ?(呼んだ?)
カミィ姉様「ッ!アトリーが今‼︎“カミィねーね“って‼︎今!しゃべった‼︎」
と、叫び「初めて私の名前を呼んでくれた~‼︎」と、大喜びして感極まって私に(とゆうか母に)抱きつき、泣き出してしまったのだ。
自分でしたこ事とはいえ、少し、いや、かなり困ってます。
(喜んでくれたのは良いけど、泣かれるとは想定外だったよ・・・)
しばらくしても泣き止まない姉様に、祖父母・両親、総出でなだめて泣き止んだ姉様に、ギュと優しく抱きつかれ。
カミィ姉様「アトリーありがとう、カミィねーねは、お勉強に行ってくるね!」チュッと頭にキスして離れた。
カミィ姉様「それじゃあ、みんな、いってきます‼︎」
元気に手を振って、祖父母が先に乗ってる馬車に乗り込んで行った。
馬車は2台あり、先頭の馬車に祖父母と姉様達が乗り、後ろには祖父母と姉様達の専属のメイドや従者達が乗って、その周りをお揃いの鎧を着た公爵家直属の騎士団員20名が守りを固めて、先頭にいる騎士の“出発の合図で“進み始めた。
「出発!前しーん‼︎」
パシッ、ヒヒィーン・・・パッカパッカ
兄妹「「「「いってらっしゃーい!」」」」
皆んなが手を振ってお見送りしているので私も小さく手を振った。
「かぃねぇ~えばっばぅ~」(あ、さっきよりちゃんと言えた!)
もう馬車の後ろしか見えなくなった頃に、「バッ!」と全員が振り向き私を見た。(この時、少しビビったのは内緒だぞっWW)
「「「「「「聞き間違えじゃなかった⁉︎」」」」」」
(また揃った確実に練習してるでしょ!)
その後は皆んなして名前を呼んでほしいと言ってくるので、頑張って名前を呼びましたよ、全員の!
その日は喋り疲れたので夕ご飯を食べたらすぐ寝ましたよ、あごが筋肉痛を起こすかと思ったよ‼︎
まぁ、カミィ姉様が喜んでくれたから良しとしよう♪
明日は何して遊ぼうかな・・・・
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