CHEAT~銃声が止んだら~

マド

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2:新参兵は疑えない

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  ガチャッ
「はーい入りますよっと…あ、君が新参兵くん?」
「!?…あ、えっと、はいっ」
「ふふっ緊張してる?大丈夫だよ!」
突然の挨拶。そして緊張を見抜かれた…。いや、誰が見てもわかるか…。
部屋に入ってきた人は軍服を着ていて、左腕に腕章をつけている。。手には何か布を持って。…今隊長って文字が見えたような?気のせいか?髪が短いけど、なんとなく女の人のような…
「あ、私は君の班の副隊長です。主に格闘技でいいのかなぁ?近接戦が得意です。あ、近接戦って近くで戦うことね。ナイフとかよく使います。」
「は、はあ…どうも」
どうやらあの一瞬では隊長の文字しか見えなかったようだ。まだ緊張してるけど、なんかこの人と話すと心が和らぐというかなんというか…。
「ん~とりあえず…服、変えよっか?これ、ここの軍服。このシャツ下に着て、上に長袖の羽織るの。で、戦いに出るときはこの防弾チョッキ。まあいつも着といて。あ、ズボンも忘れないでね。」
文字通り順番に渡された。迷彩柄の軍服である。確かに今の服は…白いシャツに白い短いズボン。戦場の的に自らなっているようなものである。それにボロボロで、今渡された服と比べれば耐久性は無いに等しい。
「じゃあ、着替え終わったら呼んで。外で待ってるから」

「終わりました…」
「よし!似合ってるね…じゃあ行こっか。ちょっといろいろ話すことがあるからね。」
「軍服が似合っているって、喜んでいいのかダメなのか…複雑です」
まあ、サイズもぴったり、正直さっきまで着ていたのは寒いぐらいだったからちょうどといえばちょうどである。さらに立派な靴まで用意してもらった。聞けばみんな履いてるから気にしないでとのことだった。
「んじゃ、部屋変えよ?ついでに道中、他の部屋も紹介するから。」

なぜ…だろう。前を歩いている。その…副隊長さんの。いや、別に何もおかしいことは無いんだけど、紹介する人が前を歩くものじゃ無いのか?でもまあ、この人が前歩けって言ったし、僕の考えももう使われていないのかもしれない。
「あ、次を右ね。」
会話というよりも指示。あの部屋を出てからずっとこんな感じ。僕何かしたかな…あ、あれか?褒められたのに複雑ですとか言ったからか?いや、考えすぎだろ。「は、はい」
とりあえず新参者は黙って指示に従って………

刹那…





____ヒュッ

一瞬だった。何か鋭いものが空間を斬ったような。次の瞬間には僕は、首を右に傾けていた。なぜ?意味は無い?なら曲がり角を作る目の前の壁に刺さっているナイフは何?後ろの副隊長が右手をまっすぐ僕の方に伸ばしているのは?
「ん?ここを右。…ね?」
どうしたの?と首をちょこんと傾げている。いえ…と何もなかったように右に曲がった。

その後も何度か指示を受け、ある部屋にたどり着いた。広くも狭くもなく、長机と椅子がいくつか置いてあるぐらいだった。
そして僕はいくつかのことを話された。
自分の役目を果たすこと
一軍人として一つ一つの戦いに身を捧げること
自分の所属する分野のするべきことを成し遂げること
僕や副隊長さんがいる班は他とは違うこと
これについてはまさに一語一句このまま言われただけで意味が分からない。
それと「疑え」これもよくわかんない。
あとはこの軍事施設での部屋のこととかだった。それと、新参兵はまだ分野がわからないからとりあえず班に協力しろとの事。そしてこれがよくわからないことで…副隊長は今さっき、この班に入る兵はもういないから君はずっと新参兵かな?と。どういう意味だ?
「あ、そうだ。新参兵くんは今日から数日に分けて新参兵入隊実力試験があるから。えっとね、5つに分けてられたそれぞれの分野のね?まあ試験と言っても、この軍にいるにあたって必要最低限のことを習うぐらいかな?言うて心配することないからね。」
またさっきの緊張を解いてくれる笑顔に戻った。
「あ、それと…


この建物内にいるからって、油断はしたらだめなんだよ。」
「え……?」
なんの事だろうか。さっきのナイフのこと…?
「例えばさ…あたしが副隊長って言い切れる?」
「え…はい。だって、さっき副隊長さんが自分で……ぁ」
「ぷっ………ははははっ!」
一瞬さっきの言葉を思い出した。疑えの二文字。 
「あんた素直なんだろうけど、それはいいことさ。でも、んなもんここじゃなーんも役にたたないよ?」
考えればそうだ。自分の紹介を少しひねることだって誰にでもできることだ。逆にそれさえ気が付かなかった僕は素直というより間抜けに近い。いや、間が抜けている。確実に。
「信じるのもいいけど、それだとあんた…死ぬよ?」
正論だ。核心つかれて心が痛いぞ。
「相手が武器を持っていないからって油断するな。ヒトは言葉っていう武器を持ってんだ。一言で破滅ってもんを作るのさ。私がここの軍の隊員っていうのも嘘になったくるかもね?流石に嘘だけどね?」
「……甘かったです、僕。ここでやってけますかね?」
「まあ心配しないで!他はともかく、私達の班は何かといいやつがいるから!というよりいいのしかいないよ?…てなわけで、」
副隊長さんが席を立った。
「今はどこにいてもいつ死ぬかわからない。安全で平和な世界なんて、銃を手にとったその先さ。疑って、疑われて。それでも生きたいってんなら、まあ……走り続けろ?あはっまとまんないなぁ」
苦笑を浮かべて僕の肩をポンポンとたたいた。
「よし!んじゃまあ、第一試験は…っとね……スナイパーだから、エイムのとこか。じゃ、会場は外だな。行ける?」
「あ、多分、さっき通った大きいドアから出ればいいですか?」
「そうそう!で、敷地をぐるっとまわってみて?もしわかんなかったら、射撃訓練のスペースはどこかって聞けば誰かしら知ってるから。そこについたら、射撃手のリーダーは?って聞けばいいよ!がんばれ!」
「はい!ありがとうございます!あ、失礼しますっ。」
よかった…なんとかなりそうだ。部屋を出るときうっかり無言で出そうになった…。
疑え……か……。



***

長身の女は壁の前に向かって立っていた。刺さったナイフをみつめながら。
(ふぅん……まあ、これを見ずに、殺気もなかったから、やはり間違いじゃないな…。彼は特設A班に入隊できる、いや、必ずするのか。)
少し深く刺さりすぎた刀身を引き抜く。
(今頃はエイムのとこついて試験始まってんのかな?まあ……)
特設A班副隊長。そう書かれた腕章をつけた軍人がは手にとったにナイフを見つめていた。

(私がこれ投げてかわせたとこで終わってるようなもんだけどねぇ…)
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