【R18】初恋が実る時 ー対立する財閥令嬢と子息の密かな恋愛ストーリーー

奏音 美都

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求めて、いいんだ

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「ッ…ハァ……」
「んんっ…ゆ、う……っ」

 緩慢でいながらもその奥に情欲の籠もった悠の指と舌の愛撫に、薫子はすっかり蕩かされていた。

 もう、どのぐらいこうして悠に躰中火照らされているのだろう……

 薄明かりしか届かない狭いこの空間は、時間という概念すら締め出してしまったように思われた。

「……ッハァ」

 無理やりに押さえつけた興奮に、普段は美しい弧を描く悠の眉が顰められ、薄い唇から吐息が洩れた。その欲情をたっぷりと含んだ切ない吐息が薫子の肌にかかるとゾクゾクとした粟立ちが起こり、幾度目かもしれぬ蜜がまた湧き上がるのを感じる。

 行為の際、声を上げるのは女性だけだと思っていた薫子は、悠の唇から洩れる声を聞き、内心驚いたのだが……

 なんて、セクシーなの……

 そのことよりも、悠のえも言われぬ、切なく艶やかな甘い響きにうっとりとし、耳が、肌が、脳髄が……溶かされるようだった。

 正確には、『躰中』と言う表現は間違いだった。薫子が『汚い』と拒否をした、あの部分……そこを除いて、悠は薫子の耳の穴から足の指先に至るまで全てを愛撫した。

 ピクンッと小さく躰を震わし、身を捩り、甘い吐息を洩らし、愛しい人の名を口にして……その愛情に応える。

 悠、だから……

 薫子は裸体を晒すことが出来るし、身を委ねることが出来た。

「っあぁ……悠っ……す、き……」

 薫子の想いが溢れ出した時、受け身だった欲が自ら欲する欲へと色を染められていった。

 あんな汚い部分、悠には絶対に触って欲しくない。そう思っていた、筈なのに……

 ヌルヌルとした熱いソコは、子宮の奥から悠を求めるようにジンジンとした疼きで薫子の欲を掻き立てる。

 っ!!……だ、めっ……

 思えば思う程、なお一層欲が高まり、恥ずかしいぐらいのぬめりを齎す。

「んぁあんっ!!」

 悠の舌が胸の膨らみの突起を摘んでピンッと引っ張った。そして、優しく口に含むと口内で蹂躙するように舌で弄ばれる。

「ぁあああっっっ!!…あっあっ…んふぅっ……」

 何処を弄れば気持ちいいのか、もう既に何もかも知っているようなその動きに羞恥を感じながらも、もっと、もっと…と求めてしまう。

 そんな卑猥な欲望を口に出してしまわないよう、戦慄わななく唇に右手を当てると、人差し指を噛んだ。欲の昂ぶりに従って更に強く指を噛んでいると、それに気付いた悠が唇から人差し指を引き抜き、歯の当たっていた部分を労るように静かに口づけた。

「ぁ…」

 そこは歯型がくっきりと残り、うっすらと血が滲み出ていた。歯型や血が出ていたことよりも、それほどまでの欲に苛まれていることに薫子は愕然とした。

「噛むなら、俺の指を噛んで……薫子を傷つけたくない」

 薫子の唇の先に自らの人差し指を差し出す。少し首を傾げ、悲しそうな顔で覗き込む悠に、薫子は自分ではなく悠を傷付けてしまったことに深い罪悪感を抱いた。

「ごめん、なさい……」

 謝ると、薫子は唇の前に出された美しい指先に口づけた。

 「どうして、あんなことしたの?」

 悠に更に顔を近付けられた薫子は、何も言えずに俯いた。

「……」
「言いたくないなら、言わなくてもいい……俺は、薫子のそんなところも好きだから」

 押し潰さないようにしながら、ゆっくりと悠の躰が薫子の躰に重なる。しっとりと肌が触れた途端に求め合うように吸いつき、ぴったりと重なった。

 元々一つだったものが切り離され、再び取り戻したような一体感が広がっていく。

 胸の奥が、熱い……
 
 一つ、だったんだ。失くしていたものを取り戻しただけ。大切な、もう半分を……
 求めて、いいんだ……

「悠……」

 意を決して薫子が悠を見つめる。

「ん?」

 目を細めた悠の黒曜石の瞳に映り込む。

「悠が……欲しい、の………」
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