【R18】初恋が実る時 ー対立する財閥令嬢と子息の密かな恋愛ストーリーー

奏音 美都

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決意

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「あと10日で薫子とずっと一緒にいられるのかと思うと......それまでの時間が永遠のように長く感じそうだ」

 悠は薫子の髪を撫でながら、細い息を吐いた。

「......うん。でも、それからは.....私たちは、永遠の時間を一緒に過ごすことができるから」

 薫子は悠の顔を見上げてから、その胸に顔を寄せた。悠の腕が薫子を包み込むように抱き寄せると、ぐっと喉を詰まらせた。

「......薫子、ごめん」
「えっ、どうして謝るの?」

 薫子が悠の顔を見上げようとしたが、彼はそれを制して薫子を抱いている腕に力を込めた。

「あの時......カラオケで、俺たちが恋人同士だと言ったのは、嘘に嘘を重ねて薫子を傷つけたくないって話したけど......それ以上の気持ちで、俺は......焦っていたんだ。どんどん香西と薫子の距離が縮まっていくのが嫌で...耐えられなくて。
 あいつに、俺が薫子の恋人なんだって言ってやりたかった。あれは......俺の傲慢で汚い独占欲から出た言葉だった」

 悠......そんなことを思っていたんだ。

 薫子は悠の背中に腕を回し、ぎゅっと抱き締めた。

「私こそ...ごめんなさい。悠の気持ちを知っていながら、遼ちゃんといるところを見せてしまって。辛い思いをさせてしまっていたのは、わかっていたはずなのに......」

 あのパーティーで悠が女の人と笑顔を交わしているのを見ているだけでも私は辛かったのに、それ以上の苦しみを私は悠に与えてしまっていたんだ......

 薫子は申し訳ない気持ちになった。

「......確かに、あいつが現れてから俺は...嫉妬と焦燥をいつも感じずにはいられなかった。
 でも今思えば、あいつがいたからこそ、駆け落ちする覚悟ができたんだ。今は、香西に感謝すら感じている」

 悠はそう言うと、薫子に笑みを見せた。

「そう、だね......私も、遼ちゃんには感謝してるの。
 大学で居場所がなかった私を心配してくれて、友達が出来るようにしてくれて。おかげで陽子や真奈ちゃんとも知り合えることができたし」

 もし遼ちゃんがいなければ、大学生活がこんなに楽しいものになることはなかった。

 微笑んだ薫子を見て、急に悠が無表情になった。

「やっぱり、却下......薫子にそんな笑顔を香西がさせてるんだって思ったら、悔しい」
「ご、誤解だよっっ遼、ちゃんは...」

 私にとっては幼馴染で...

 そう言おうとした途端、悠の大きな手が薫子の両肩にのせられ、悠の漆黒の瞳は薫子の目の前に迫る。柔らかく頭が羽布団に包まれ、悠の頭越しに見慣れたベッドの天蓋とそこから垂れ下がる薄いドレープが見えた。

「俺の前で...他の男の名前、口にしないで......」

 悠、に...私......押し倒されてる...... 

 悠の美しく、それでいて妖しさを秘めた深い漆黒の瞳に見つめられ、薫子の胸が異常なまでに拍動を高め、躰の芯から熱くなっていく。
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