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裏切りと憎しみ ー華子sideー
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青海学園で幼稚舎から一緒で、幼馴染だった風間悠人。優柔不断で頼りないところはあるけれど、とても優しくて繊細な彼に、私はずっと想いを寄せていました。
けれど、お互いを大切に思いながらも内気な私達は、長い間それを打ち明けることはありませんでした。
高等部卒業を機に、私たちは強まっていく恋心を自覚し、ようやく恋人同士に。両親も公認の元、私たちは恋人として本当に幸せな日々を過ごしていました。
その当時、女性が大学に行くことは一般的ではありませんでした。私は高等部卒業後は家に入って花嫁修行に勤いそしみ、愛する人との結婚を夢見ながら彼の大学卒業を待っていました。
ところが、彼が大学卒業を間近に控えたある日、私に突然お見合い話が持ち込まれました。恋人がいる私は当然、お断りするつもりでしたし、両親公認のお付き合いだったにも関わらずお見合い話を受けた両親に納得のいかない思いでいました。
けれど、話は単純ではありませんでした......
父が先物取引に手を出し、多額の負債を抱えて事業のお金にまで手を出し、破産していたこと。雇っている人間を全て解雇し、この屋敷や美術品まで抵当に入れなければならないこと。
その事実を両親から聞き、愕然としました。
それを唯一回避する手段が、私の結婚でした。もし私がこのお見合いを受け、結婚すれば、借金は全て精算してもらえ、屋敷や美術品も抵当に入れずにすむということでした。
両親は事業や自分たちのことよりも私の行く末を、何よりも心配していました。
私は、世間を知らない籠の中の鳥。蝶よ、花よと育てられた私が世間の荒波に放り出されたら、とても生きていけてはいけないと思い、苦渋の選択をしたのでした。
両親の私を思う気持ちは痛い程伝わってきましたが、どうしても私はお見合いを受ける気にはなれませんでした。
少女の頃から抱いていた淡い恋心がようやく実り、あの人と付き合うことが出来、互いの想いが深まっていくのを感じていた時です。他の男性との結婚など考えられない......そう、思いました。
しかもその相手が、櫻井龍太郎であれば尚更......
そう、あなたのお父様の櫻井龍太郎が......私のお見合い相手でした。
櫻井とも同じ青海学園で幼稚舎から一緒でしたが、私は彼のことを避けていました。大きながっしりとした体格でいつも厳しい顔をして、人を見下したような態度に、怖いという印象しかありませんでした。
彼とは何度か同じクラスになったことがありましたが、無口で話しかけることはないけれど、いつも睨むような視線が突き刺さるのを感じ、その度に背中の奥が凍りつくような寒さを覚えていました。
櫻井と結婚するぐらいなら、落ちぶれてもいいからあの人と一緒にいたい......
そう強く願ったけれど、泣いて「後生ごしょうだから......」と縋り付く両親を目の前にして、お見合い話を断ることなど出来ませんでした。
それでも、どうしても諦めきれなくて、私はあの人に会いに行きました。
「悠人さん......お願い、助けて......」
家の事情を話し、櫻井龍太郎とのお見合いを迫られていることを話しました。
あの人は、私を抱き締め、こう言いました。
「華子さん。僕が何とかしますから......貴女のことは、僕が全力で守ります」
不安で心細かった私は、その言葉がどんなに嬉しかったことか。私はあの人への想いを強めました。
けれど、その後......会った彼から出た言葉は、私の期待に反したものでした。
「ごめん......今の僕には、どうすることも出来ません......」
けれど、お互いを大切に思いながらも内気な私達は、長い間それを打ち明けることはありませんでした。
高等部卒業を機に、私たちは強まっていく恋心を自覚し、ようやく恋人同士に。両親も公認の元、私たちは恋人として本当に幸せな日々を過ごしていました。
その当時、女性が大学に行くことは一般的ではありませんでした。私は高等部卒業後は家に入って花嫁修行に勤いそしみ、愛する人との結婚を夢見ながら彼の大学卒業を待っていました。
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けれど、話は単純ではありませんでした......
父が先物取引に手を出し、多額の負債を抱えて事業のお金にまで手を出し、破産していたこと。雇っている人間を全て解雇し、この屋敷や美術品まで抵当に入れなければならないこと。
その事実を両親から聞き、愕然としました。
それを唯一回避する手段が、私の結婚でした。もし私がこのお見合いを受け、結婚すれば、借金は全て精算してもらえ、屋敷や美術品も抵当に入れずにすむということでした。
両親は事業や自分たちのことよりも私の行く末を、何よりも心配していました。
私は、世間を知らない籠の中の鳥。蝶よ、花よと育てられた私が世間の荒波に放り出されたら、とても生きていけてはいけないと思い、苦渋の選択をしたのでした。
両親の私を思う気持ちは痛い程伝わってきましたが、どうしても私はお見合いを受ける気にはなれませんでした。
少女の頃から抱いていた淡い恋心がようやく実り、あの人と付き合うことが出来、互いの想いが深まっていくのを感じていた時です。他の男性との結婚など考えられない......そう、思いました。
しかもその相手が、櫻井龍太郎であれば尚更......
そう、あなたのお父様の櫻井龍太郎が......私のお見合い相手でした。
櫻井とも同じ青海学園で幼稚舎から一緒でしたが、私は彼のことを避けていました。大きながっしりとした体格でいつも厳しい顔をして、人を見下したような態度に、怖いという印象しかありませんでした。
彼とは何度か同じクラスになったことがありましたが、無口で話しかけることはないけれど、いつも睨むような視線が突き刺さるのを感じ、その度に背中の奥が凍りつくような寒さを覚えていました。
櫻井と結婚するぐらいなら、落ちぶれてもいいからあの人と一緒にいたい......
そう強く願ったけれど、泣いて「後生ごしょうだから......」と縋り付く両親を目の前にして、お見合い話を断ることなど出来ませんでした。
それでも、どうしても諦めきれなくて、私はあの人に会いに行きました。
「悠人さん......お願い、助けて......」
家の事情を話し、櫻井龍太郎とのお見合いを迫られていることを話しました。
あの人は、私を抱き締め、こう言いました。
「華子さん。僕が何とかしますから......貴女のことは、僕が全力で守ります」
不安で心細かった私は、その言葉がどんなに嬉しかったことか。私はあの人への想いを強めました。
けれど、その後......会った彼から出た言葉は、私の期待に反したものでした。
「ごめん......今の僕には、どうすることも出来ません......」
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