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彼女の決意、私の思い
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「隔離されたふたりきりの世界。何も考えず、ただただお互いを求め合い、愛し合う生活は幸せだった......
まるで、桃源郷にいるようだと恍惚した」
美姫が顔を上気させ、微睡むような表情を見せた後、急に険しい表情へと一変した。
「でも、そんな日々は長く続かなかった......
ピアニストとしての道を諦めた秀一さんは、ピアノを弾くことすら、しなくなった。その反動から、秀一さんは次第に気を散らしたり、苛々したりするようになり......自分でも知らぬうちに指がリズムを刻むようになっていた。彼の、全身が...魂が、ピアノを求めてた。
そしてついに、秀一さんは......無意識のうちにピアノルームの鍵を開け、ピアノを演奏し出した。私は、そんな彼にピアノを弾くようにお願いしたけど、秀一さんは断固として譲らず、鍵を捨ててしまった......」
詳しい状況は、薫子には到底分かるはずなどない。だが、美姫の口調から......秀一の苦しみが、美姫の苦しみが伝わってきて、胸を突き刺すようだった。
秀一さんは......美姫のために全てを捨てる覚悟でいたんだ。
それなのに、無意識下でピアノを求めてしまうなんて......
秀一にピアノを弾くように乞う美姫も。
ピアノルームの鍵を捨ててしまった秀一も。
互いのことを思い合ってのことなのに......その事実はふたりを苦しませ、益々追い詰められることになったのだろう。
「もう、ふたりの行き着く先はない......そう感じていた時に、私は......週刊誌の記事から、暴露写真を撮ったカメラマンが自殺したと知ったの」
ぇ......自殺!?
薫子も週刊誌を読んだはずだが、そんな記事を読んだ記憶がなかった。美姫と彼女の両親についての記事のみを追っていたので、無意識に飛ばしていたのかもしれない。
「私は......その記事を読んだ時、彼の自殺に秀一さんが絡んでいることを確信した。
そ、して......彼は、それを認めた」
そ、んな......
確かに、秀一には残酷な面があることを薫子は感じ取っていたが、自殺にまで追い込んだという事実を知り、足元から背中にかけて一気に寒気が走った。
「私は......自分のせいで、秀一さんが狂気に染まっていくことが、凄く悲しかった」
悲痛に響く美姫の言葉に、薫子は瞳を潤ませた。
「美姫の、せいじゃない......
違う...美姫の、せいなんかじゃない」
美姫は、薫子に向かって悲しく微笑んだ後、顔を俯かせた。その肩は、小さく震えている。
「秀一さんは、私が凌辱されたことで礼音に制裁を与えた。その制裁は久美の復讐心を呼び起こし、その結果カメラマンを死に追いやった。
秀一さんが、私を愛さなければ......
私たちが、恋人にならなければ......
秀一さんは狂気に染まり、手を汚すことなどなかったのに。
それでも私は......彼に縋り付いていた。
秀一さんだけが、この世の全てだと信じていた。彼のいない世界など、ありえない。
どこまで堕ちても、構わないと......思ってた」
こ、んな......破滅的な愛って。
薫子は、美姫と秀一の全てを焼き尽くすような激しく燃え盛る業火の炎のような愛に、衝撃を受けた。
まるで、桃源郷にいるようだと恍惚した」
美姫が顔を上気させ、微睡むような表情を見せた後、急に険しい表情へと一変した。
「でも、そんな日々は長く続かなかった......
ピアニストとしての道を諦めた秀一さんは、ピアノを弾くことすら、しなくなった。その反動から、秀一さんは次第に気を散らしたり、苛々したりするようになり......自分でも知らぬうちに指がリズムを刻むようになっていた。彼の、全身が...魂が、ピアノを求めてた。
そしてついに、秀一さんは......無意識のうちにピアノルームの鍵を開け、ピアノを演奏し出した。私は、そんな彼にピアノを弾くようにお願いしたけど、秀一さんは断固として譲らず、鍵を捨ててしまった......」
詳しい状況は、薫子には到底分かるはずなどない。だが、美姫の口調から......秀一の苦しみが、美姫の苦しみが伝わってきて、胸を突き刺すようだった。
秀一さんは......美姫のために全てを捨てる覚悟でいたんだ。
それなのに、無意識下でピアノを求めてしまうなんて......
秀一にピアノを弾くように乞う美姫も。
ピアノルームの鍵を捨ててしまった秀一も。
互いのことを思い合ってのことなのに......その事実はふたりを苦しませ、益々追い詰められることになったのだろう。
「もう、ふたりの行き着く先はない......そう感じていた時に、私は......週刊誌の記事から、暴露写真を撮ったカメラマンが自殺したと知ったの」
ぇ......自殺!?
薫子も週刊誌を読んだはずだが、そんな記事を読んだ記憶がなかった。美姫と彼女の両親についての記事のみを追っていたので、無意識に飛ばしていたのかもしれない。
「私は......その記事を読んだ時、彼の自殺に秀一さんが絡んでいることを確信した。
そ、して......彼は、それを認めた」
そ、んな......
確かに、秀一には残酷な面があることを薫子は感じ取っていたが、自殺にまで追い込んだという事実を知り、足元から背中にかけて一気に寒気が走った。
「私は......自分のせいで、秀一さんが狂気に染まっていくことが、凄く悲しかった」
悲痛に響く美姫の言葉に、薫子は瞳を潤ませた。
「美姫の、せいじゃない......
違う...美姫の、せいなんかじゃない」
美姫は、薫子に向かって悲しく微笑んだ後、顔を俯かせた。その肩は、小さく震えている。
「秀一さんは、私が凌辱されたことで礼音に制裁を与えた。その制裁は久美の復讐心を呼び起こし、その結果カメラマンを死に追いやった。
秀一さんが、私を愛さなければ......
私たちが、恋人にならなければ......
秀一さんは狂気に染まり、手を汚すことなどなかったのに。
それでも私は......彼に縋り付いていた。
秀一さんだけが、この世の全てだと信じていた。彼のいない世界など、ありえない。
どこまで堕ちても、構わないと......思ってた」
こ、んな......破滅的な愛って。
薫子は、美姫と秀一の全てを焼き尽くすような激しく燃え盛る業火の炎のような愛に、衝撃を受けた。
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