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幸せな未来設計図
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クロード様の特別な思い出でもあるのかしら?
すると、クロードはルチアの肩を抱き寄せ、力強く告げた。
「グレートブルタン国とシュタート王国を統合し、ここに新たな首都を制定する」
「えっ……」
新たな、首都……
クロードとルチアの婚姻により、両国を統合するという話は以前から持ち上がっていた。ただ、どこを首都とするのかについてグレートブルタン国側とシュタート王国側の官僚で意見が合わず、揉めていた。
「両国の地理的中間地点となるここを、首都とする。首都は首都特別地域とし、計画都市として設計し、ここに全ての政治機能のための国会議事堂、高等裁判所、それぞれの官庁を置く」
一息つくとクロードはルチアを見やり、言った。
「もちろん、グレートブルタン国の同意のもとに、だが」
そこには、かつてクロードの母の祖国が父の大国に吸収されたような形にはしないという、彼の意思が籠もっていた。
クロード様……
「はいっ!」
ルチアの目の前に広がる草原に、国会議事堂や高等裁判所、さまざまな官庁が建ち並ぶ絵が浮かぶ。
「そして、ここに私達の新しい居城を建てる予定だ」
「私達の……」
「あぁ。一緒に暮らすための、居城だ」
クロード様と、一緒に暮らせる……
ルチアの躰は興奮し、沸き立つ幸せに打ち震えていた。
「ヒューバート」
「はい、クロード様……」
ヒューバートが革の鞄から羊皮紙を取り出し、クロードに手渡した。
「これが私達の居城の設計図だ。まだ図案でしかないが。もちろん、お前の意見も取り入れるつもりだ」
設計図には、間取りと共に部屋の名前が書かれていた。執務室、応接室、会議室、ダンスホール、厨房、騎士訓練場……部屋の名前を追っていくと、そこに二人の寝室もあった。
一緒の部屋になっていますわ……
ふと、その隣に小さい部屋があるのにルチアは気付いた。
あ……
そこには、『子供部屋』と記載されていた。
ルチアの顔を見て察したクロードが、子供部屋を指差す。
「将来、必要になった時の為に、用意したのだ」
「そ、そうですか……」
ルチアは少し頬を染め、クロードを見上げた。
クロード様と婚姻できたことが嬉しくて、子供だなんて……考えたこともありませんでした。
「官僚達からは、早く世継ぎをと急かされているが、ルチアはどう思う?」
「えっ。私、は……」
もちろん、クロード様とのお子は欲しいですけれど……
急に聞かれて戸惑い、ルチアは答えあぐねる。
クロードが口を開いた。
「まだ、私達にはやらなければならないことが山積みだ。首都だけでなく、それに伴う道路や水道、電気等の整備、両国の憲法と政令の見直しと制定、通貨の統一……」
聞いているだけで、目眩がしそうなほど途方もない計画に思われた。
けれど、クロード様ならきっとグレートブルタン国とシュタート王国とを平和的に統合し、繁栄させていけるに違いありませんわ。そして、私は妃としてクロード様を支えていける存在になりたいのです。
「私も、まだ子供のことは考えておりません。両国の妃として、クロード様を表と裏で支えていきたいのです」
「お前なら、そう言うと思っていた」
クロードはふっと微笑むと、ルチアの肩を抱く手に力を込めた。
「それに、私は……まだルチアを独占していたいのかもしれぬな。我が子であっても、お前の愛情を私が独り占めしていたいと思ってしまうのだ」
「クロード様……」
「子供じみていると、自分でも分かっているが」
「いえ、私も……まだクロード様との二人きりの時間を……クロード様を独占したい気持ちは同じですわ」
「ルチア……」
お互いの視線が絡み合い、惹き寄せられるように唇が近付く。
すると、クロードはルチアの肩を抱き寄せ、力強く告げた。
「グレートブルタン国とシュタート王国を統合し、ここに新たな首都を制定する」
「えっ……」
新たな、首都……
クロードとルチアの婚姻により、両国を統合するという話は以前から持ち上がっていた。ただ、どこを首都とするのかについてグレートブルタン国側とシュタート王国側の官僚で意見が合わず、揉めていた。
「両国の地理的中間地点となるここを、首都とする。首都は首都特別地域とし、計画都市として設計し、ここに全ての政治機能のための国会議事堂、高等裁判所、それぞれの官庁を置く」
一息つくとクロードはルチアを見やり、言った。
「もちろん、グレートブルタン国の同意のもとに、だが」
そこには、かつてクロードの母の祖国が父の大国に吸収されたような形にはしないという、彼の意思が籠もっていた。
クロード様……
「はいっ!」
ルチアの目の前に広がる草原に、国会議事堂や高等裁判所、さまざまな官庁が建ち並ぶ絵が浮かぶ。
「そして、ここに私達の新しい居城を建てる予定だ」
「私達の……」
「あぁ。一緒に暮らすための、居城だ」
クロード様と、一緒に暮らせる……
ルチアの躰は興奮し、沸き立つ幸せに打ち震えていた。
「ヒューバート」
「はい、クロード様……」
ヒューバートが革の鞄から羊皮紙を取り出し、クロードに手渡した。
「これが私達の居城の設計図だ。まだ図案でしかないが。もちろん、お前の意見も取り入れるつもりだ」
設計図には、間取りと共に部屋の名前が書かれていた。執務室、応接室、会議室、ダンスホール、厨房、騎士訓練場……部屋の名前を追っていくと、そこに二人の寝室もあった。
一緒の部屋になっていますわ……
ふと、その隣に小さい部屋があるのにルチアは気付いた。
あ……
そこには、『子供部屋』と記載されていた。
ルチアの顔を見て察したクロードが、子供部屋を指差す。
「将来、必要になった時の為に、用意したのだ」
「そ、そうですか……」
ルチアは少し頬を染め、クロードを見上げた。
クロード様と婚姻できたことが嬉しくて、子供だなんて……考えたこともありませんでした。
「官僚達からは、早く世継ぎをと急かされているが、ルチアはどう思う?」
「えっ。私、は……」
もちろん、クロード様とのお子は欲しいですけれど……
急に聞かれて戸惑い、ルチアは答えあぐねる。
クロードが口を開いた。
「まだ、私達にはやらなければならないことが山積みだ。首都だけでなく、それに伴う道路や水道、電気等の整備、両国の憲法と政令の見直しと制定、通貨の統一……」
聞いているだけで、目眩がしそうなほど途方もない計画に思われた。
けれど、クロード様ならきっとグレートブルタン国とシュタート王国とを平和的に統合し、繁栄させていけるに違いありませんわ。そして、私は妃としてクロード様を支えていける存在になりたいのです。
「私も、まだ子供のことは考えておりません。両国の妃として、クロード様を表と裏で支えていきたいのです」
「お前なら、そう言うと思っていた」
クロードはふっと微笑むと、ルチアの肩を抱く手に力を込めた。
「それに、私は……まだルチアを独占していたいのかもしれぬな。我が子であっても、お前の愛情を私が独り占めしていたいと思ってしまうのだ」
「クロード様……」
「子供じみていると、自分でも分かっているが」
「いえ、私も……まだクロード様との二人きりの時間を……クロード様を独占したい気持ちは同じですわ」
「ルチア……」
お互いの視線が絡み合い、惹き寄せられるように唇が近付く。
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