【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都

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おまけ2 ーユリアーノーとヒューバートの攻防ー

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「なぜお前と隣に並んで、食事を取らなくちゃならんのだ!」
「だって、クロード様はルチア様と並んで座りたいわけだし、仕方ないじゃん」

 ルチアは険悪な雰囲気のヒューバートを見て、おろおろとしていた。そんなことには気に留めず、クロードが優雅な仕草でグーラシュを口へと運ぶ。

「美味いな」

 ルチアの方へと向き、クロードが優しい笑みを浮かべた。その言葉に嬉しくなったルチアの声が弾む。

「クロード様に喜んで頂けて、光栄ですわ」
「あぁ、毎日でも食べたいぐらいだ」

 クロードの言葉を受けて寂しさを隠し、微笑みを浮かべるルチアを目にし、彼女の心情を理解したユリアーノの胸が痛む。

 毎日食事を共にする。城下の夫婦では当たり前のことが、このふたりには特別なんだ……早くクロード様とルチア様が一緒に暮らせるようになるといいのに。

 暗くなりそうな雰囲気を払拭するように、ユリアーノもグラーシュを口へと運んだ。

「美味しい! ルチア様、すっごく美味しいよ!!」
「ふふっ、嬉しいですわ。まだありますから、たくさん食べてくださいね」

 ユリアーノは更にグーラシュを口へと運ぶ。

「時間をかけて煮込んだって感じで味が染み込んでいて、肉も柔らかいね」

 その言葉に、煮込んでいる間の淫らな行為を思い出し、ルチアの顔が紅くなり、俯いた。

 あーあ、そんな顔しちゃって。ほんとに素直だな、ルチア様は。

 そんなルチアの様子を見とめたクロードが口を開く。

「料理というのは時間がかかり、それを待つ間が愉しいのだと……ルチアから教わった」

 うわっ、クロード様ったら、恥ずかしがってるルチア様に更に追い打ちかけてるじゃん。しかもよく見たらクロード様、ルチア様の太腿に手置いてるし。
 ふふっ、こんな楽しそうなクロード様を見られるなんて、やっぱりルチア様は凄いなぁ。

 ユリアーノは、嬉しそうに残りのグラーシュを口へと運んだ。

 ヒューバートもようやく気を取り直し、口をつける。

 おいしい……

 だが、素直に言葉にすることができない。

「……悪く、ない」

 すると、ルチアが驚いたように目を大きく見開き、にっこりと微笑んだ。

「えっ、本当ですの? ヒューバートにそう言っていただけて、とても嬉しいですわ……」

 ルチアがヒューバートににっこりと微笑むと、彼の頬が赤く染まった。

「べ、別に褒めているわけではありませんから! 正直な感想を申しただけですので……誤解、しないで下さい」
「ふふっ……それでも、嬉しいですわ」

 ルチアは更に笑みを深めた。

 ユリアーノが目を細めてヒューバートの腕を小突いた。

「まったく、ヒュービーは素直じゃないんだから。ルチア様、ヒューバートは本当はすごく美味しい、って意味で言ってるんだからね」
「なっ……! そんなことは、言ってないだろう!」

 また、余計なことを……

「ヒュービーが素直になれないから、代弁してあげてるんだよ?」
「お前に私の気持ちなど分かるか! おいっ、軽々しく触れるな!」
「ねぇ、ヒュービー。折角ルチア様が用意してくれた場を乱すと、クロード様に嫌われるよ?」
「うっ……」

 ヒューバートは、ルチアがユリアーノと自分のやりとりに柔らかい笑みを浮かべ、そんなルチアをクロードが愛おしそうに見つめているのに気づいた。

 ユリアーノとは相容れないが、あんな国王陛下の穏やかな笑顔が見られるのなら、こうしてたまには4人で食事をするのも、悪くない……のかも、しれないな。
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