<完結>【R18】バレンタインデーに可愛い後輩ワンコを食べるつもりが、ドS狼に豹変されて美味しく食べられちゃいました♡

奏音 美都

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ワンコの逆襲

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「これ、法事用に買ったんだけど……」



ハルが真っ黒なネクタイを手に取ると自分の目に当て、後頭部で縛った。

確かに今日してた薄いピンクにグレーとブルーの斜めストライプが入ったネクタイでは、
マヌケ過ぎるwww





「これで、いい?」

「う、ん……」



ハルに見られていない……

それで気持ちが楽になると思ってたのに、
生唾をゴクリと飲み下し、緊張している自分に気付く。



ハルの指先が髪の毛に触れる。

頭の輪郭を確かめるように指先を撫で下ろし、両頬を包んだ。



目隠ししててもイケメンとか…

なん、なの……///



ハルの顔が寄せられ、唇…ではなく、
少し上の鼻と唇の間にハルの唇が当たった。



少し照れたように唇の端が上がって笑みが溢れるのを見て、

キュンキュンしてきた……


や、ヤバっっ……



見られたくないからって目隠しさせたけど……





実はコレ、かなりの萌えシチュかもしれないっっ!!!





ハルが今度はちゃんと唇に触れた。



先程指先で塗られたチョコリップを確かめるように、
舌が唇の輪郭をなぞっていく。



硬くした舌先の感触にピクッと唇が引き攣った。





さっきも同じコトされた筈なのに…





もっと…


もっと……





身体が疼く……



舌先で掬い取ったチョコを押し込むようにして口内へと捩じ込まれ、
口から鼻に甘い匂いが抜けていく。



口の中そのものがチョコレートになってしまったかのような感覚に陥る。



……ううん、私の身体からもハルの身体からも甘いチョコレートの香りが充満し、
まるで媚薬のように私たちを溺れさせる。



「ンンッ……ンフッ…ン……」



ッハァッ……



目隠しをしたハルが、肢体の自由を奪われた私にキスしてる……



たまらなく、厭らしくて……

たまらなく、気持ちいい……
 


私からも舌を絡ませ、甘くて少し苦い芳醇な味わいを楽しむ。



ハルの舌が口内から引き抜く動きに、させないとばかりに舌を絡めて引き込む。



あぁ…

手の自由がきかないのがもどかしい……





もっと、ハルを求めたいのに……



激しく、求めてるのに……



それでもハルは強引に舌を引き抜いた。



「…ハア…」



思わず声を漏らした私に、波留が優しい笑みを浮かべた。



「……そんな寂しそうな声、出さないで。

もっとイイコトしてあげるから……」



普段より低くて甘い声が落とされる。



あぁ、そうか…

チョコレートで声さえも毒されてしまったのかもしれない……



期待に潤んだ瞳でハルを見つめても、目隠しの彼には見えてなくて。



ハルは舌を伸ばし、私の頬をペロンッと猫のように舐めた。



「ッハ!!!」

「…あっ、首筋じゃなかった…///」



でも、実は…舐められた頬もゾクゾクする程気持ちよかったりして……



頬にチュッと優しく口付けた後、舌先を硬くして顎の輪郭を辿り、
ツーッ…と首筋を撫でられた。



ゾワゾワーッと上半身が震え上がり、切なさが増していく。



「美緒の匂い、ちゃんと残ってる……」



鼻をクンクンさせ、首筋に押し付けてくるハル。



「ンッ…や、めっ……擽っ、た!!!」



恥ずかしいし、擽ったいし、



……それでいてキモチイイし





もぉっっ!!!///



「俺……どんなに離れてても

今みたいに目隠ししてても



美緒のこと、匂いで嗅ぎ付けられる気がする……」



さすが、ワンコ!!

なんて心でツッコミ入れた私とは逆に、ハルの声音は真剣だった。



「だって、こんなに愛おしくて胸が締め付けられる匂い……

他に、ないから」





え…ヤ、ダ……



ちょっ…

ま、って……



ワンコ発言かと思いきや

まさかの胸キュン発言に……





すごい……



動揺、してる……



ヤダヤダヤダ……



瞳が潤んできちゃった、拭えないのに……





あ…ていうか……

鼻、水も……



これは放置、出来ないよね……



ジュルジュルジュル……



思いっきり鼻を啜る音に、ハルは何事かと肩を揺らした。





「え……な、に?



美緒、泣いてるの?」










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