【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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59.読めない真意

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「どうした、美羽? 顔が真っ青だぞ。行きの飛行機でも顔色悪かったし、飛行機が苦手なのか?」

 義昭の言葉に美羽の中で不快感が募る。新婚旅行のイタリア行きのフライトは今回よりもロングフライトだったにかかわらず、美羽は気分を悪くすることはなかった。

 飛行機が苦手じゃないことは知っているはずなのに、そんなことすら忘れられてしまったのだろうか。

 そんな不満を押し込め、美羽は無理やり口角を上げた。

「そ、そうなの……」
「少し寝たら気分が良くなるんじゃないか?」

 家でならありえない気遣いに、今までならモヤモヤしながらもスルー出来ていたはずなのに、どうしてだろう。イライラする。

「そう、だね。ありがとう、そうする……」

 美羽はバクバクと速まる鼓動を感じながら目を閉じ、義昭に背を向ける形で眠りに入った。もちろん、頭が冴えて寝れるはずなどない。

 ーーこれは、類を裏切った罰なのかもしれない。

 大学を卒業したら類と一緒になると約束しながらも、類を忘れられず愛していながらも、義昭と結婚してしまった自分への、罰。

 自分を大切にし、愛してくれる義昭となら、穏やかで幸せな家庭を築いていけると信じていた。いつか子供をもち、笑顔溢れる幸せな未来を思い描いていた。

 結婚式の時に、自分自身に誓ったのだ。
 義昭を大切にして、もう類のことは忘れようと。

 そんな風に類を欺いてしまったことへの、罰なの?

 

 ーーもし、義昭さんとの出会いすら、類に仕組まれたものだったとしたら……



 それどころか、実は最初から義昭さんもこの計画の共犯者で、私をおとしいれるために結婚したのだとしたら。彼らが出会った大学生の時点で、この計画は始まっていたのかもしれない。

 そんな恐ろしい考えが浮かび、ゾクリと震え上がる。

 分からない。

 だって、彼らが出会った時は私も類と同じ大学1年生で、あの時点では類を裏切ってなどいなかった。ひたすら、類との再会を待ち望んで一緒になれることを祈ってた。

 それに、もし私の居場所をずっと知っていたのなら、どうして大学を卒業してから迎えに来てくれなかったの? 
 迎えに来てくれていたら……私は義昭さんと別れてでも、類と駆け落ちでもなんでもする覚悟があったのに。

 お父さんに監視されていたにしても、大学の友達を通じてだとか何らかの手段で連絡できていたはず。

 類が義昭さんと手を組んでいたなんて、やっぱりありえない。独占欲の強い類が、義昭さんを使って私と結婚させるなんて……考えられない。

 類の意図が、義昭さんの真意が読めない……
 何を信じればいいのか、何を疑うべきなのか。

 考えれば考えるほどに、出口のない迷路を彷徨さまよっているかのように感じて、美羽は一層眉をきつく顰めて唇を震わせた。背中越しに感じる義昭の気配に吐き気を覚える。

 それでも私は、この結婚生活を壊すわけにはいかないんだ……
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