【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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146.類の宣言

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 類の腕がスマホに伸び、通話が切れた途端、美羽は声を荒げた。

「類、酷いよ!! 離して!!」

 けれど、類は拘束を解こうとはしなかった。艶めかしい彼の声が、美羽の耳元に囁かれる。

「どうして?」
「どうして、って……分かるでしょ?」

 類は妖艶な笑みを浮かべると、唇を寄せた。

「分かんない」

 類の細い指がTシャツの裾にかかり、捲り上げられた。ブラジャーで支えられた乳房は横たわっていても流れることなく、盛り上がった白い膨らみが美羽の視界に入り込み、ジンと一気に躰が熱くなる。

「やめてっ!」
「なんで?」

 類は縋るような瞳で見つめ、首を傾げた。美羽の気持ちが急速に類に傾きそうになり、彼の魔性に取り込まれないよう、瞳を逸した。

「私と類は姉弟で、私には……夫が。
 義昭さんが、いるの」
「ヨシのこと、愛してないのに? 嫌悪さえ、抱いてるのに?」

 類、やっぱり分かってたんだ。

 ズバリと指摘され、美羽は肩を震わせた。

 類の端整な顔が寄せられ、舌が耳へと這い上がり、甘い吐息と共に囁かれた。

「ミューが愛してるのは、この僕だよ。
 たとえ他の男と結婚しても、僕への気持ちは変わってなかった」

 違う……

 そう言おうとして、美羽は口を噤んだ。
 類に嘘など、通用しない。

 類に頬を撫でられ、ピクリと震える。触れられただけで、瞳が濡れてくる。熱い想いが溢れてきそうになる。

「最初は拒絶してたミューが、最近では僕のことを受け入れてくれるようになって嬉しかった。
 ねぇ、本当はずっと……そうしたかったんでしょ?」
「ち、ちが……」

 目の前いっぱいに類の切ない表情が埋め尽くされる。

「ねぇ、ミューを抱きたい。リアルのミューを、感じたいよ……」

 両手首を痛いぐらいに強く掴まれる。類の長い睫毛が震え、硝子細工のような繊細さを感じさせる美しい顔が寄せられる。薔薇の香りと類本来の持つ甘美な匂いが混じり合い、美羽の理性を掻き乱す。

 類にひとりの女として愛されたい。狂おしいほどの快楽を貪りたいという肉欲が、煙のように立ち上ってくる。

 美羽の瞳が欲情に濡れ、頬がピンクに染まっていく。美羽からもまた、雄の性欲を掻き立てる匂いが生み出され、強く香っていた。

 肉欲の籠ったふたりの視線が絡み合う。

 だが、美羽は類から顔を背けた。

「ックたとえ義昭さんを愛していなくても、私はこの結婚生活を続けなければならないの。
 類は、私の愛する……弟だよ。だから、私のことはもう諦めて、いい人を探し……」
「どうしてさ!!」
 
 類の打ち拉がれた悲し気な表情が、美羽の瞳を貫く。

「それが出来ないから、ずっと苦しんできたのに……
 ックなんで、ミューは分かってくれないの!!」

 鮮烈な類の言葉に、胸が引き裂かれる。

 私、だって……ずっと、類のことを諦められなくて苦しんできた……
 今だって、類のことを求めたい、愛し合いたい。
 
 でも、出来ない。
 出来るわけ、ない……

 顔を逸らしていた美羽の顎がグイと類に強引に向けられ、全身が粟立ち、爪の先から震えが走る。類の濡羽色の美しい前髪がパラリと落ち、長い睫毛が揺れ、凶暴な野生の光を放つ類の黒曜石の瞳が美羽を仕留める。

「美羽を、抱く」

 ズクッと太い矢が、美羽の心臓の奥深くに突き刺さり、稲妻が走ったかのようにビリビリと震えた。
 類が、まるで知らない人のように感じた。

『美羽』って、初めて呼ばれた。
 こんな表情、見たことない……

 私の目の前にいる、この美しい獣はいったい誰なの?

 美羽の中の何かが、音をたてて崩れていった。
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