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146.類の宣言
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類の腕がスマホに伸び、通話が切れた途端、美羽は声を荒げた。
「類、酷いよ!! 離して!!」
けれど、類は拘束を解こうとはしなかった。艶めかしい彼の声が、美羽の耳元に囁かれる。
「どうして?」
「どうして、って……分かるでしょ?」
類は妖艶な笑みを浮かべると、唇を寄せた。
「分かんない」
類の細い指がTシャツの裾にかかり、捲り上げられた。ブラジャーで支えられた乳房は横たわっていても流れることなく、盛り上がった白い膨らみが美羽の視界に入り込み、ジンと一気に躰が熱くなる。
「やめてっ!」
「なんで?」
類は縋るような瞳で見つめ、首を傾げた。美羽の気持ちが急速に類に傾きそうになり、彼の魔性に取り込まれないよう、瞳を逸した。
「私と類は姉弟で、私には……夫が。
義昭さんが、いるの」
「ヨシのこと、愛してないのに? 嫌悪さえ、抱いてるのに?」
類、やっぱり分かってたんだ。
ズバリと指摘され、美羽は肩を震わせた。
類の端整な顔が寄せられ、舌が耳へと這い上がり、甘い吐息と共に囁かれた。
「ミューが愛してるのは、この僕だよ。
たとえ他の男と結婚しても、僕への気持ちは変わってなかった」
違う……
そう言おうとして、美羽は口を噤んだ。
類に嘘など、通用しない。
類に頬を撫でられ、ピクリと震える。触れられただけで、瞳が濡れてくる。熱い想いが溢れてきそうになる。
「最初は拒絶してたミューが、最近では僕のことを受け入れてくれるようになって嬉しかった。
ねぇ、本当はずっと……そうしたかったんでしょ?」
「ち、ちが……」
目の前いっぱいに類の切ない表情が埋め尽くされる。
「ねぇ、ミューを抱きたい。リアルのミューを、感じたいよ……」
両手首を痛いぐらいに強く掴まれる。類の長い睫毛が震え、硝子細工のような繊細さを感じさせる美しい顔が寄せられる。薔薇の香りと類本来の持つ甘美な匂いが混じり合い、美羽の理性を掻き乱す。
類にひとりの女として愛されたい。狂おしいほどの快楽を貪りたいという肉欲が、煙のように立ち上ってくる。
美羽の瞳が欲情に濡れ、頬がピンクに染まっていく。美羽からもまた、雄の性欲を掻き立てる匂いが生み出され、強く香っていた。
肉欲の籠ったふたりの視線が絡み合う。
だが、美羽は類から顔を背けた。
「ックたとえ義昭さんを愛していなくても、私はこの結婚生活を続けなければならないの。
類は、私の愛する……弟だよ。だから、私のことはもう諦めて、いい人を探し……」
「どうしてさ!!」
類の打ち拉がれた悲し気な表情が、美羽の瞳を貫く。
「それが出来ないから、ずっと苦しんできたのに……
ックなんで、ミューは分かってくれないの!!」
鮮烈な類の言葉に、胸が引き裂かれる。
私、だって……ずっと、類のことを諦められなくて苦しんできた……
今だって、類のことを求めたい、愛し合いたい。
でも、出来ない。
出来るわけ、ない……
顔を逸らしていた美羽の顎がグイと類に強引に向けられ、全身が粟立ち、爪の先から震えが走る。類の濡羽色の美しい前髪がパラリと落ち、長い睫毛が揺れ、凶暴な野生の光を放つ類の黒曜石の瞳が美羽を仕留める。
「美羽を、抱く」
ズクッと太い矢が、美羽の心臓の奥深くに突き刺さり、稲妻が走ったかのようにビリビリと震えた。
類が、まるで知らない人のように感じた。
『美羽』って、初めて呼ばれた。
こんな表情、見たことない……
私の目の前にいる、この美しい獣はいったい誰なの?
美羽の中の何かが、音をたてて崩れていった。
「類、酷いよ!! 離して!!」
けれど、類は拘束を解こうとはしなかった。艶めかしい彼の声が、美羽の耳元に囁かれる。
「どうして?」
「どうして、って……分かるでしょ?」
類は妖艶な笑みを浮かべると、唇を寄せた。
「分かんない」
類の細い指がTシャツの裾にかかり、捲り上げられた。ブラジャーで支えられた乳房は横たわっていても流れることなく、盛り上がった白い膨らみが美羽の視界に入り込み、ジンと一気に躰が熱くなる。
「やめてっ!」
「なんで?」
類は縋るような瞳で見つめ、首を傾げた。美羽の気持ちが急速に類に傾きそうになり、彼の魔性に取り込まれないよう、瞳を逸した。
「私と類は姉弟で、私には……夫が。
義昭さんが、いるの」
「ヨシのこと、愛してないのに? 嫌悪さえ、抱いてるのに?」
類、やっぱり分かってたんだ。
ズバリと指摘され、美羽は肩を震わせた。
類の端整な顔が寄せられ、舌が耳へと這い上がり、甘い吐息と共に囁かれた。
「ミューが愛してるのは、この僕だよ。
たとえ他の男と結婚しても、僕への気持ちは変わってなかった」
違う……
そう言おうとして、美羽は口を噤んだ。
類に嘘など、通用しない。
類に頬を撫でられ、ピクリと震える。触れられただけで、瞳が濡れてくる。熱い想いが溢れてきそうになる。
「最初は拒絶してたミューが、最近では僕のことを受け入れてくれるようになって嬉しかった。
ねぇ、本当はずっと……そうしたかったんでしょ?」
「ち、ちが……」
目の前いっぱいに類の切ない表情が埋め尽くされる。
「ねぇ、ミューを抱きたい。リアルのミューを、感じたいよ……」
両手首を痛いぐらいに強く掴まれる。類の長い睫毛が震え、硝子細工のような繊細さを感じさせる美しい顔が寄せられる。薔薇の香りと類本来の持つ甘美な匂いが混じり合い、美羽の理性を掻き乱す。
類にひとりの女として愛されたい。狂おしいほどの快楽を貪りたいという肉欲が、煙のように立ち上ってくる。
美羽の瞳が欲情に濡れ、頬がピンクに染まっていく。美羽からもまた、雄の性欲を掻き立てる匂いが生み出され、強く香っていた。
肉欲の籠ったふたりの視線が絡み合う。
だが、美羽は類から顔を背けた。
「ックたとえ義昭さんを愛していなくても、私はこの結婚生活を続けなければならないの。
類は、私の愛する……弟だよ。だから、私のことはもう諦めて、いい人を探し……」
「どうしてさ!!」
類の打ち拉がれた悲し気な表情が、美羽の瞳を貫く。
「それが出来ないから、ずっと苦しんできたのに……
ックなんで、ミューは分かってくれないの!!」
鮮烈な類の言葉に、胸が引き裂かれる。
私、だって……ずっと、類のことを諦められなくて苦しんできた……
今だって、類のことを求めたい、愛し合いたい。
でも、出来ない。
出来るわけ、ない……
顔を逸らしていた美羽の顎がグイと類に強引に向けられ、全身が粟立ち、爪の先から震えが走る。類の濡羽色の美しい前髪がパラリと落ち、長い睫毛が揺れ、凶暴な野生の光を放つ類の黒曜石の瞳が美羽を仕留める。
「美羽を、抱く」
ズクッと太い矢が、美羽の心臓の奥深くに突き刺さり、稲妻が走ったかのようにビリビリと震えた。
類が、まるで知らない人のように感じた。
『美羽』って、初めて呼ばれた。
こんな表情、見たことない……
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美羽の中の何かが、音をたてて崩れていった。
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