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272.類の反撃

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 隼斗におやすみを告げ、ベッドに入る。隣のベッドに隼斗が寝ているという不自然な状況に、考えないようにしようと思ってもどうしても意識してしまう。

 明日は福岡に発つのだから、今のうちに少しでも躰を休めておかなければと思えば思うほどに、意識は冴え渡ってくる。

 それは、類に隼斗と一晩過ごすのを知られてしまったことが大きかった。もし知られていなかったら、ここまで意識することはなかったのに。

 糊のきいた清潔なシーツに包まり、美羽は小さく寝返りを打った。

 類は今頃、激しい嫉妬で胸を掻き乱しているのかな。

 自分のことを考えて気が狂いそうになっているのかと思うと、電話越しに会話していた時の熱が再び蘇ってくる。下半身の中心が温みを帯び、膣奥がキュンと痙攣した。

 ダメ……類のこと考えると、ますます眠れなくなっちゃう。

 悩ましげな吐息を漏らし、類への思考を遠ざけようとした。

 その時、

「ック!!」

 ビクビクッと全身が震えた。



『そぉんな厭らしいぃ反応してー。ククッ、何考えてたのぉ?』



 美羽の全身が、一気に焚きつけられて熱くなる。

 る、い……

 いつもとは異なる話し方に、かなり酔っているようだと感じていると、キュッと強く右胸の尖りを摘まれる感覚が走った。

 い、たっ!! 痛いよ、類……やめ、て。

 ジンジンとした痺れが、その中心から外側へと広がっていく。痛みはだが、類に与えられていると感じることにより、快感へと変換される。刺激を受けたのとは反対側の尖りも硬さを増していき、ジュクジュクと疼き始めた。

 ドクッ、ドクッと心臓の鼓動と共に下半身にまで同じリズムが刻まれる。花芽が、愛しい雄を求めて蠕動する。花弁が蜜を垂らして誘い込もうとする。

 本能が、求めている。全身で、この雄を欲しがっている。

 そんな美羽の欲情に、類が気づかないはずがない。尖り始めた紅い蕾を、今度は愛でるように優しく撫で、転がし、軽く摘む。

「ンフ……」

 美羽の躰が仰け反り、もっとと強請るように胸が突き上がる。

『ミュー、いーんらんな躰ぁ。そぉやってぇ、僕以外の男にも反応するわけぇ?
 隼斗兄さんにもぉ?』

 挑発するような類の言い草にカーッと頭に血が上り、美羽は即座に反論した。

 やめてっ! 隼斗兄さんをそんな風に言わないで!!

『なにそれ』

 氷のように冷たい類の声が響き、優しかった刺激から一転、キュッキュッキュッと何度も強く両乳首を捻り上げられる。

「ウクッ」

 その度に、躰が小さく跳ねる。強烈な刺激は、これが夢だと、幻だと思わせてくれない。類の繊細な親指と人差し指で真紅に色づいた蕾を捻り潰されている映像が、頭の中でチカチカと鮮烈に浮かび上がった。

 何も出ない先端の代わりに、生き物のようにヒクついた蜜穴から濃厚な蜜がねっとりと溢れ出し、震える太腿をじっとりと濡らしながら、シーツへと垂れていく。

 い。嫌……やめて! こんなことしたら、気づかれちゃう。
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