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410.It's time for game changer, you know?
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美羽の距離が、だんだん家へと近づいてくる。
玄関の扉を開ける音が遠くに響き、二次元だった世界が、三次元へと移り変わっていく。
ベッドから立ち上がり、チラッと姿見に視線を流す。美羽に、動揺した姿は見せられない。
廊下を歩く音を聞きながら、部屋の扉を開けた。
足早に歩き、美羽が階段を上ろうとしたところを引き留める。
「おかえり」
美羽が振り返った。デタントで別れた時よりも覇気がなく、疲れて見える。ダークブラウンの瞳に、類に会いたくなかったという気持ちがゆらゆらと見え隠れしていて、気持ちが無性に騒ついた。
「今日は、遅かったね」
誰と会っていたのか、すぐにでも問い質したい荒々しい気持ちを抑え、笑みを見せた。
美羽は、意外だというような表情をしている。自分が、心配しないとでも思ったのだろうか。
類の胸がチクッと痛んだ。
僕がミューのこと、好きだって分かってるくせに……そんな態度、とるんだね。
「まぁね。ちょっと……人と、会ってて」
濁すような美羽の返答に、苛立ちが湧き立つ。
「誰?」
「類の知らない人だよ」
いつもなら、口から出まかせかと思うが、現に美羽は今日、喫茶店で誰かと会っていた。仮定していた疑念が、濃度を増していく。
まさか、ほんとに……!?
「男?
もしかして、隼斗兄さんと会ってたの?」
僕に隠れて、コソコソ会ってたの? なんで? なんのために? 何を、話してた?
類の視線から逃れるように、美羽が目を逸らした。
「そんなこと、類には関係ないでしょ!」
くるりと背を向け、階段を駆け上がっていく。そんな美羽を、類は茫然と見送った。
ねぇ。どうしても、隠し通すつもりなの?
部屋に戻ってパソコンを立ち上げ、監視カメラを確認する。美羽は祈りを捧げるように、自分が与えた南京錠を胸の前で握り締めていた。
類の胸に、安堵が広がっていく。
ほら。こんなに、僕のことが好きなくせに。
仕返しして、僕に嫉妬させようとして……結局、自分が苦しんでる。
愚かだね、ミューは。
こんなことで、僕があいつと別れるとでも思ってるの? 気持ちを取り戻せるとでも、考えてるの?
……そんなわけ、ないのに。
もう、遊びは終わりだよ。甘い時間は過ぎ去ったんだ。
「It's time for game changer, you know?
(転機を迎える時が来たようだね)」
濡羽色の長い睫毛を揺らし、眉間をグッと寄せる。
僕も、覚悟しないとね。
スクリーンに大きく映し出された美羽に手を伸ばし、指の腹で撫でる。その指で口角をなぞると、舌で舐めた。
ミュー、大丈夫……僕も、ボロボロに傷ついてあげるから。ふたりで、その傷を舐め合おう?
玄関の扉を開ける音が遠くに響き、二次元だった世界が、三次元へと移り変わっていく。
ベッドから立ち上がり、チラッと姿見に視線を流す。美羽に、動揺した姿は見せられない。
廊下を歩く音を聞きながら、部屋の扉を開けた。
足早に歩き、美羽が階段を上ろうとしたところを引き留める。
「おかえり」
美羽が振り返った。デタントで別れた時よりも覇気がなく、疲れて見える。ダークブラウンの瞳に、類に会いたくなかったという気持ちがゆらゆらと見え隠れしていて、気持ちが無性に騒ついた。
「今日は、遅かったね」
誰と会っていたのか、すぐにでも問い質したい荒々しい気持ちを抑え、笑みを見せた。
美羽は、意外だというような表情をしている。自分が、心配しないとでも思ったのだろうか。
類の胸がチクッと痛んだ。
僕がミューのこと、好きだって分かってるくせに……そんな態度、とるんだね。
「まぁね。ちょっと……人と、会ってて」
濁すような美羽の返答に、苛立ちが湧き立つ。
「誰?」
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いつもなら、口から出まかせかと思うが、現に美羽は今日、喫茶店で誰かと会っていた。仮定していた疑念が、濃度を増していく。
まさか、ほんとに……!?
「男?
もしかして、隼斗兄さんと会ってたの?」
僕に隠れて、コソコソ会ってたの? なんで? なんのために? 何を、話してた?
類の視線から逃れるように、美羽が目を逸らした。
「そんなこと、類には関係ないでしょ!」
くるりと背を向け、階段を駆け上がっていく。そんな美羽を、類は茫然と見送った。
ねぇ。どうしても、隠し通すつもりなの?
部屋に戻ってパソコンを立ち上げ、監視カメラを確認する。美羽は祈りを捧げるように、自分が与えた南京錠を胸の前で握り締めていた。
類の胸に、安堵が広がっていく。
ほら。こんなに、僕のことが好きなくせに。
仕返しして、僕に嫉妬させようとして……結局、自分が苦しんでる。
愚かだね、ミューは。
こんなことで、僕があいつと別れるとでも思ってるの? 気持ちを取り戻せるとでも、考えてるの?
……そんなわけ、ないのに。
もう、遊びは終わりだよ。甘い時間は過ぎ去ったんだ。
「It's time for game changer, you know?
(転機を迎える時が来たようだね)」
濡羽色の長い睫毛を揺らし、眉間をグッと寄せる。
僕も、覚悟しないとね。
スクリーンに大きく映し出された美羽に手を伸ばし、指の腹で撫でる。その指で口角をなぞると、舌で舐めた。
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