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430.超えてしまった一線
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繋がり合ったまま、放心する。何も考えることなく快感に溶けていけるこの時が、気持ちいい……
心地いい眠気が、薄いベールのように折り重なっていく。類の鼓動を聞きながら、ゆっくりと微睡んでいく。
これほど穏やかな気持ちで眠りにつくのは、いつ以来だろう。
昔はこんな風に、ふたりして眠りについたものだった。同じ匂いと同じ熱に包まれて眠る幸せが、再び戻ってきた。
スーッと意識が落ちていく瞬間、香織の顔が浮かび上がり、ビクッと震えた。
罪悪感で、心が冷えていく。
ごめん。ごめん、かおりん……
「……だめだよ、夢から醒めちゃ」
眠っていると思っていた類が、顔を上げた。目を開けると、目の前の類が妖艶な表情を浮かべ、美羽のうなじに顔を埋めたと思ったら、きつく吸い上げてきた。
「ッァ、類ッッ!!」
ジンジンと痺れる痛みに、分かる。くっきりと痕をつけられた。
胸の先端を爪先でカリッと引っ掻かれ、吐息をかけられる。
「今度は、気絶するほど抱き潰すから覚悟して」
「アァッ!! ハァッ、ハァッ……も、ムリ……ッッ!! ハァッ、ハァッ」
お互い、何度達しただろう。エクスタシーの始まりも、終わりも分からない。ずっと快感が体内を熱くドクドクと駆け巡り、深く深く溺れていく。
息を弾ませ、心臓がバクバクと悲鳴を上げ、脇腹がきつく締め上げられる。
肉体的にはとうに限界を超えているのに、性に対する欲が底を尽きることがない。それは、類だけでなく、美羽もそうだった。
何度もオーガズムに達し、快楽を味わっても、まだ互いが欲しくなる。意識を手放しそうになるのに、それでも味わっていたくて……ぎりぎりで踏みとどまってしまう。
いつも涼しげな類が、今は全身汗だくになって美羽の両膝を抱え上げていた。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……欲しがりのミュー。ミューが欲しがる分だけ、与えてあげる」
膝立ちになり、美羽の膝を肩に乗せ、激しく突き上げる。
「ッッ!! すごッッ、奥きちゃ……!! ハァッ、ハァッ、ハァッ……ぁ、また……だ、めっっ……い、イグッッ。ぁ、ダメ……ッッ!! ハァッ、ハァッ、ハァッ。イッちゃ、イッちゃ……ッッ!!」
声が擦れて、喉が焼けつくように熱い。快感で頭がおかしくなっている。躰中の骨が抜かれてしまったかのように、ぐにゃぐにゃに溶かされる。
「ハァッ、ハァッ、ミューがおかしくなるまで……ハァッおか、しく……ハァッても……愛して、あげる……ハァッ、ハァッ」
美羽の全身が小刻みに震える。口をパクパクと動かし、縋り付くように類に手を伸ばした。
「ック……ィ、ィィィィィ……ッッ!!」
だが、その手が類に届く前に……美羽は精神的にも力尽き、崩れた。
浮き上がってくる意識を、ボーッと頭で捉える。締め切った窓にカーテンが引かれた部屋は薄暗く、目が慣れるまでに少し時間がかかった。
わた、し……寝てたんだ。
シーツと肌を遮る感触がない。裸のまま、横たわっている。躰が鉛のように重く、膣奥がキリキリと痛み、全身の筋肉が悲鳴をあげていた。
喉が乾いて仕方ない。水を飲みに行きたいのに、躰が重過ぎて指先すら持ち上げられなかった。
隣に、いつもは感じない温もりを感じる。類の、温もりを。
少しずつ頭が冴えてきて、眠りにつくまでの記憶が走馬灯のように駆け巡る。
類、も……寝てる?
起こさないようにそっと躰を横に向け、類の寝顔を見つめる。類は、静かな寝息をたてて穏やかな表情で眠っていた。
瞼に縁取られた二重の線。長い睫毛。陶器のように白い透明感のある肌。シャープな曲線を描く顎。濡れたように艶のある唇。
自分と瓜二つの顔なのに、どうしてこうも惹かれてしまうのだろう。自分の顔が特に好きというわけではないのに、生写しのような類の顔を見るだけで、胸が締め付けられたように切なく疼く。
類と、ついに……一線を超えてしまった。
私は……全ての人を裏切って、弟との情欲に溺れてしまったんだ。
心地いい眠気が、薄いベールのように折り重なっていく。類の鼓動を聞きながら、ゆっくりと微睡んでいく。
これほど穏やかな気持ちで眠りにつくのは、いつ以来だろう。
昔はこんな風に、ふたりして眠りについたものだった。同じ匂いと同じ熱に包まれて眠る幸せが、再び戻ってきた。
スーッと意識が落ちていく瞬間、香織の顔が浮かび上がり、ビクッと震えた。
罪悪感で、心が冷えていく。
ごめん。ごめん、かおりん……
「……だめだよ、夢から醒めちゃ」
眠っていると思っていた類が、顔を上げた。目を開けると、目の前の類が妖艶な表情を浮かべ、美羽のうなじに顔を埋めたと思ったら、きつく吸い上げてきた。
「ッァ、類ッッ!!」
ジンジンと痺れる痛みに、分かる。くっきりと痕をつけられた。
胸の先端を爪先でカリッと引っ掻かれ、吐息をかけられる。
「今度は、気絶するほど抱き潰すから覚悟して」
「アァッ!! ハァッ、ハァッ……も、ムリ……ッッ!! ハァッ、ハァッ」
お互い、何度達しただろう。エクスタシーの始まりも、終わりも分からない。ずっと快感が体内を熱くドクドクと駆け巡り、深く深く溺れていく。
息を弾ませ、心臓がバクバクと悲鳴を上げ、脇腹がきつく締め上げられる。
肉体的にはとうに限界を超えているのに、性に対する欲が底を尽きることがない。それは、類だけでなく、美羽もそうだった。
何度もオーガズムに達し、快楽を味わっても、まだ互いが欲しくなる。意識を手放しそうになるのに、それでも味わっていたくて……ぎりぎりで踏みとどまってしまう。
いつも涼しげな類が、今は全身汗だくになって美羽の両膝を抱え上げていた。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……欲しがりのミュー。ミューが欲しがる分だけ、与えてあげる」
膝立ちになり、美羽の膝を肩に乗せ、激しく突き上げる。
「ッッ!! すごッッ、奥きちゃ……!! ハァッ、ハァッ、ハァッ……ぁ、また……だ、めっっ……い、イグッッ。ぁ、ダメ……ッッ!! ハァッ、ハァッ、ハァッ。イッちゃ、イッちゃ……ッッ!!」
声が擦れて、喉が焼けつくように熱い。快感で頭がおかしくなっている。躰中の骨が抜かれてしまったかのように、ぐにゃぐにゃに溶かされる。
「ハァッ、ハァッ、ミューがおかしくなるまで……ハァッおか、しく……ハァッても……愛して、あげる……ハァッ、ハァッ」
美羽の全身が小刻みに震える。口をパクパクと動かし、縋り付くように類に手を伸ばした。
「ック……ィ、ィィィィィ……ッッ!!」
だが、その手が類に届く前に……美羽は精神的にも力尽き、崩れた。
浮き上がってくる意識を、ボーッと頭で捉える。締め切った窓にカーテンが引かれた部屋は薄暗く、目が慣れるまでに少し時間がかかった。
わた、し……寝てたんだ。
シーツと肌を遮る感触がない。裸のまま、横たわっている。躰が鉛のように重く、膣奥がキリキリと痛み、全身の筋肉が悲鳴をあげていた。
喉が乾いて仕方ない。水を飲みに行きたいのに、躰が重過ぎて指先すら持ち上げられなかった。
隣に、いつもは感じない温もりを感じる。類の、温もりを。
少しずつ頭が冴えてきて、眠りにつくまでの記憶が走馬灯のように駆け巡る。
類、も……寝てる?
起こさないようにそっと躰を横に向け、類の寝顔を見つめる。類は、静かな寝息をたてて穏やかな表情で眠っていた。
瞼に縁取られた二重の線。長い睫毛。陶器のように白い透明感のある肌。シャープな曲線を描く顎。濡れたように艶のある唇。
自分と瓜二つの顔なのに、どうしてこうも惹かれてしまうのだろう。自分の顔が特に好きというわけではないのに、生写しのような類の顔を見るだけで、胸が締め付けられたように切なく疼く。
類と、ついに……一線を超えてしまった。
私は……全ての人を裏切って、弟との情欲に溺れてしまったんだ。
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