【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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454.ふたりの障害

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 歩いていると、道の至る所で『宴会禁止』の立て札を見かけた。それにも関わらず、ピクニックシートを広げてお花見をしている人たちもいたが。

 萌たんが案内してくれるって言ってたけど、お花見できる場所あるのかな……

 美羽が心配していると、人がかなり増えて混雑してきたところで、萌が先頭組に聞こえるように大声を張り上げた。

「ここから左に入るたーん!」

 萌の指示に従い、川沿いから外れて一般道へと入る。

「どこ行くの、萌たん?」
「川沿いは宴会が禁止されてるから、公園でお花見するたーん♪」

 ほどなく西郷山公園に辿り着くと、そこにも桜の木が50本ほど植えてあり、宴会を楽しむ人たちが見えた。

「みんなぁ、あそこたぁん♪」

 デタントの紙袋が載っているブルーシートを、萌が指さす。香織が萌の頭をポンポンと撫でた。

「席取り、してくれてたんだぁ。萌、気がきくじゃん」
「へへーっ、こうたんと頑張ったったーん♪」

 学校があるため最初から参加できない浩平は、朝イチで席取りすることを買ってくれ、それを萌も手伝ったということだった。浩平は、学校が終わってから、その足で合流することになっている。

 進展しそうでしないふたりの関係に、少しやきもきする気持ちはあるものの、ゆっくりと恋心を育むふたりを見守っていきたいと美羽は願っていた。

「うん、いいな」

 隼斗が周りを見回し、腰を下ろした。目黒川沿いと比べたら、そこまで混んでおらず、ゆっくりとお花見が楽しめそうだ。

「花見なんて人が多くて面倒くさいと思っていたが、悪くないな」
「な? 俺の提案もわるないやろ」

 隼斗の隣に座りながら龍也がしたり顔を見せると、隼斗が苦笑した。
 
「まぁな。お前のお陰だ」

 萌と香織も、靴を脱いでブルーシートの上に座る。美羽も香織の隣に座り、類がそれに続いた。

 龍也が目敏くそれを見つけて、突っ込んだ。

「恋するふたりのあいさに、なんや障害ができてんなぁ」
「ぇ?」

 そこで初めて、自分が香織と類の間に座っていることに気がついた。

 障害って。類の本当の恋人は、私……なのに。

 美羽の胸がチクッと痛む。

「ご、ごめんね。類……席、変わるね」

 立ち上がって類の逆側の隣に座ろうとすると、香織が美羽の手首を取って引き留めた。

「えっ、ちょっと待ってよ美羽! 私、美羽の隣に座りたいんだけど!」

 そして、自分の逆側の隣をポンポンと叩いた。

「ほら、私と萌の隣に座ればいいじゃん!」
「やったぁ♪  美羽たん、お隣たーん!」
「うん、そうだね」

 美羽は微笑みながら、鉛のように心が重くなっていくのを感じた。

『ごめん、ミュー。止めて、あげられなくて』

 類の声が心に響き、美羽はそっと微笑んだ。

 大丈夫。分かってるから……類。

 お弁当と飲み物を囲むように、輪になって座る。類は香織と隼斗の両隣となった。

 類……遠く、なっちゃったな。
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