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481.ルイとの出会い
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大学4年の時、義昭は夏休みを利用した特別留学生としてアメリカのセタンフォード大学に留学した。義昭自身が外国や留学に興味があったから行くのではない。
既に6月に就職先から内々定をメールで受け取り、単位は残り僅か、あとは卒論のみだが、これも三年次から着々と準備を進め、文章の体裁や資料を纏めて仕上げを残すのみとなっていた。
そこで、就職する前に留学経験ありという箔をつけておくために、留学を決意したのだった。
独り暮らしやホームステイなら無理だが、寮での共同生活なら食事の心配もなく、なんとかやっていけるのではと思った。それに、母親の元を離れての長期留学はしたくなかったが、夏休みの短期留学ぐらいなら我慢できるだろうと思ったのも理由の1つだった。
義昭の大学では短期留学制度が充実しており、アメリカ2校、ドイツ1校、フランス1校、中国1校、韓国1校から選択できた。中国にも惹かれたが、中国語を選択でとっておらず、他の学生に対して劣等感を持たされるのが嫌で、最も自身の言語レベルが高い英語を使用するアメリカを選択することにした。
アメリカ2校のうち1校は語学習得と現地での体験を目的としており、カヌー体験やピクニック、キャンプファイヤーなどが含まれている、お遊び中心のプログラムとなっていた。
一方でセタンフォード大学では語学としての英会話ではなく、ビジネス・コミュニケーションスキル、異文化間ビジネス・リサーチプロジェクト、グローバルビジネス最新事情といった授業を現地の大学生と共に受けることができ、留学希望者は一定以上の英語スキルを満たしていなければ応募できない。
遊び目的の留学など、父は認めない。義昭は母を通じて留学の希望を伝え、留学の細かい計画書を提出し、留学費用を出してもらえた。
留学を認めてもらえたことに内心驚いたが、父の大作自身、これからはグローバル社会だと思うところがあったようだ。
セタンフォード大学は日本と比べ物にならないほどの広大な敷地を持つだけでなく、学生の数も桁外れで、学部生が約7000人、院生も含めると実に16000人もの学生を抱えており、大学自体で街を形成していた。
その中には他大学からの日本人の短期留学生や1年以上の長期留学生なんかもいた。また、親の駐在によりアメリカに滞在していたり、片親がアメリカ人である日系アメリカ人もいて、そういった日本のバックグラウンドを持つ者によって構成される日本人交流グループというものが学内にあった。
義昭はそういった交流には興味がなかったものの、行程に交流会も含まれていたため、仕方なく参加した。
そこで出会ったのが、黒田智之、通称トモだった。智之が義昭の名前がなかなか覚えられなかったのと、アメリカ人にとっても『ヨシアキ』が発音しにくい名前であったため、義昭は留学中は皆から『ヨシ』と呼ばれることになった。
せっかくアメリカに来たのに日本人同士で交流して、日本語喋ってるなんてくだらない。そんなことは、日本に帰って勝手にやればいいんだ。
「おいヨシ! 楽しんでるかぁ?」
智之に肩を抱かれ、義昭はあからさまに嫌な顔を見せた。
なんでこいつは僕が避けても、馴れ馴れしくしてくるんだ。
その時、ひとりを囲うようにして大きなグループが入ってきた。
その中心にいる人物に強く視線が引き寄せられる。
「あれ……誰だ?」
「あぁ、『アイスビューティー』な」
それが、類との初めての出会いだった。
既に6月に就職先から内々定をメールで受け取り、単位は残り僅か、あとは卒論のみだが、これも三年次から着々と準備を進め、文章の体裁や資料を纏めて仕上げを残すのみとなっていた。
そこで、就職する前に留学経験ありという箔をつけておくために、留学を決意したのだった。
独り暮らしやホームステイなら無理だが、寮での共同生活なら食事の心配もなく、なんとかやっていけるのではと思った。それに、母親の元を離れての長期留学はしたくなかったが、夏休みの短期留学ぐらいなら我慢できるだろうと思ったのも理由の1つだった。
義昭の大学では短期留学制度が充実しており、アメリカ2校、ドイツ1校、フランス1校、中国1校、韓国1校から選択できた。中国にも惹かれたが、中国語を選択でとっておらず、他の学生に対して劣等感を持たされるのが嫌で、最も自身の言語レベルが高い英語を使用するアメリカを選択することにした。
アメリカ2校のうち1校は語学習得と現地での体験を目的としており、カヌー体験やピクニック、キャンプファイヤーなどが含まれている、お遊び中心のプログラムとなっていた。
一方でセタンフォード大学では語学としての英会話ではなく、ビジネス・コミュニケーションスキル、異文化間ビジネス・リサーチプロジェクト、グローバルビジネス最新事情といった授業を現地の大学生と共に受けることができ、留学希望者は一定以上の英語スキルを満たしていなければ応募できない。
遊び目的の留学など、父は認めない。義昭は母を通じて留学の希望を伝え、留学の細かい計画書を提出し、留学費用を出してもらえた。
留学を認めてもらえたことに内心驚いたが、父の大作自身、これからはグローバル社会だと思うところがあったようだ。
セタンフォード大学は日本と比べ物にならないほどの広大な敷地を持つだけでなく、学生の数も桁外れで、学部生が約7000人、院生も含めると実に16000人もの学生を抱えており、大学自体で街を形成していた。
その中には他大学からの日本人の短期留学生や1年以上の長期留学生なんかもいた。また、親の駐在によりアメリカに滞在していたり、片親がアメリカ人である日系アメリカ人もいて、そういった日本のバックグラウンドを持つ者によって構成される日本人交流グループというものが学内にあった。
義昭はそういった交流には興味がなかったものの、行程に交流会も含まれていたため、仕方なく参加した。
そこで出会ったのが、黒田智之、通称トモだった。智之が義昭の名前がなかなか覚えられなかったのと、アメリカ人にとっても『ヨシアキ』が発音しにくい名前であったため、義昭は留学中は皆から『ヨシ』と呼ばれることになった。
せっかくアメリカに来たのに日本人同士で交流して、日本語喋ってるなんてくだらない。そんなことは、日本に帰って勝手にやればいいんだ。
「おいヨシ! 楽しんでるかぁ?」
智之に肩を抱かれ、義昭はあからさまに嫌な顔を見せた。
なんでこいつは僕が避けても、馴れ馴れしくしてくるんだ。
その時、ひとりを囲うようにして大きなグループが入ってきた。
その中心にいる人物に強く視線が引き寄せられる。
「あれ……誰だ?」
「あぁ、『アイスビューティー』な」
それが、類との初めての出会いだった。
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