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愛の目覚めと欲情 ー秀一過去編ー
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そして、美姫の大学入学式。
私が、美姫に会うことすらやめるきっかけとなる事件が起こった。
美姫の両親が長期海外出張の為入学式に出られず、私が代わりに出席することになった。
入学式が終わり、美姫とレストランで食事を済ませ、家に送り届けた際、久しぶりに会ったのだからと半ば強引に家の中へと招かれた。
「大学寮の部屋は片付けなくていいのですか?」
「もう片付けましたよ。んもぉっ、いつまでも子供扱いしないでくださいっ。今日は秀一さんに会えるからと思って家に泊まることにしたので、ゆっくりしていって下さいね」
美姫の強い押しに逆らえず、一緒にテレビを見たり、デザートを食べたりして過ごした。その後、明日の演奏会の準備の為と言って、早めに帰ることにした。
「もう、帰ってしまうんですね……今度は、いつ秀一さんに会えるのですか?」
玄関先で、問いかけとも呟きともつかない寂しさを伴った美姫の響きに胸が苦しくなる。心の奥底の思いをひた隠し、平静を装い、優しく語りかける。
「しばらく公演が続くので、次はいつになるか分かりません……それまで、いい子で待っていて下さいね」
「っ、また! 私、もう大学生なんですよ。……公演が終わったら、また会ってくれますか?」
寂しそうな表情を見せる美姫に耐えられず、背を向けた。
これ以上、言わないで下さい。貴女に何をするか自分でも分からない……
「秀一さん、私…っ!!!」
いけないっ……
美姫の思い詰めた口調を振り払うように、言葉を重ねる。
「急ぎますので…」
扉に手を掛け、美姫の家を出た。
危ないところでしたね……
最近はお互いの想いが昂まりすぎて、溢れてしまいそうになっていた。今まで以上に美姫を避けて過ごすようになっている自分に、憤りを感じる。
「っく……早く、大人になって下さい、美姫……」
美姫が20歳になるまでの辛抱だ。彼女が20歳になった暁には私の想いを告げる。
私たちの運命はそこで決まる……
家に戻り、ピアノの演奏会で弾く曲目を一通りこなし、そこで大切なリストがないことに気づく。
どうやら、美姫の家に置き忘れてきたようですね……
明日は朝早くに演奏会に出発せねばならず、今すぐ取りに行かなければならない。壁のクリスタルの掛け時計を見ると、もう真夜中を過ぎていた。
仕方ないですね……鍵はあるのだし、そっと取りに行くことにしましょう。
鍵を手に取り、薄手のジャケットを羽織ると、車で美姫の家へと向かった。
美姫の家に辿り着くと、家の灯りは全て消えていた。
やはり、寝ていましたか……
物音をたてないようにそっと鍵を回し、扉を開け、素早くセキュリティコードを押す。一階の応接間に置いてある書類を見つけ、そのまま玄関へと向かおうとして足を止めた。
しばらく会うことが叶わなくなるのですから、せめて美姫の顔だけでも……
美姫の部屋がある二階へとそっと足を忍ばせる。廊下の一番奥、美姫の部屋の扉は僅かに開いていた。
静かに近づくと、「秀一、さん……」美姫の切ない声が微かに聞こえる。
え……
目を見開き、慎重に更に足を進める。
「んふぅっ……しゅう、い…ち…さんっハァッ、ハァッ……」
ほんの一瞬だけ、開いた扉から覗き見ると……そこには、ベッドの上で薄い夜着を纏った美姫が下半身を開き、秘部へと手を伸ばしている姿があった。
これ、は……!!
グッと胸を掴まれたかのように感じると同時に、激しい欲情が急速に広がっていく。
ここを、離れなくては……
頭では思うのに躰が言うことを聞かず、その場に立ち尽くす。扉の内側からは切なさと甘美の入り混じった美姫の声が漏れ聞こえる。
「ハァッ…ハァッ…秀一…さぁ、んっ。あい…して、います……」
その響きに躰の熱が中心に集まり、耐えきれない程の疼きが穿く。厭らしい水音が急速に速さを増していき、限界が近いことを物語る。
「あっ…あっ…あっ…んんんぅっっっ…秀一、さんんぅっっ!!!」
一際大きく啼いた後、静けさが闇を包んだ。
このまま、ここにいてはいけない……
大きく深呼吸し、なんとか落ち着かせるとそっと美姫の家を後にした。
参りましたね……
車の座席に座って、ふと見下ろすと……布地をグッと押し上げて窮屈そうにしている自身の猛りが見える。
今からでは適当な女を見繕って欲情を吐き出す時間はなさそうですね......明日からの演奏会に響いても拙い。
満たされない欲情を抱えたまま自宅へと戻り、ベッドに身を投げ出す。目の裏には、ほんの僅か覗き見た美姫の淫靡な姿が焼き付いて離れず、耳にはあの、切なく甘美な声が未だに響いて纏わりつくようだった。
思い出すだけで自身の猛りが更に大きくなるのを感じ、自嘲気味に笑う。
「どうやら、収まってくれそうにはないですね…」
暗闇の中、目を閉じ、先ほどの美姫の姿と声を思い起こしながら自身の猛りを取り出し、上下に擦っていく。先端がヌルヌルと湿っているため、手が滑らかに動いていく。
「ハァッ、ハァッ……美姫……」
美姫、貴女を今すぐにでもこの腕に抱きたい……
興奮が頂点に達し、手の動きを早めると猛りがドクドクと脈打ち、躰の中心から熱い欲が吹き出す。
「…クッ…」
いつぶりでしょう、自慰をするなどとは……
その夜、美姫と私は、それぞれの場所で満たされぬ想いを抱えたまま虚しい夜を過ごした。
私が、美姫に会うことすらやめるきっかけとなる事件が起こった。
美姫の両親が長期海外出張の為入学式に出られず、私が代わりに出席することになった。
入学式が終わり、美姫とレストランで食事を済ませ、家に送り届けた際、久しぶりに会ったのだからと半ば強引に家の中へと招かれた。
「大学寮の部屋は片付けなくていいのですか?」
「もう片付けましたよ。んもぉっ、いつまでも子供扱いしないでくださいっ。今日は秀一さんに会えるからと思って家に泊まることにしたので、ゆっくりしていって下さいね」
美姫の強い押しに逆らえず、一緒にテレビを見たり、デザートを食べたりして過ごした。その後、明日の演奏会の準備の為と言って、早めに帰ることにした。
「もう、帰ってしまうんですね……今度は、いつ秀一さんに会えるのですか?」
玄関先で、問いかけとも呟きともつかない寂しさを伴った美姫の響きに胸が苦しくなる。心の奥底の思いをひた隠し、平静を装い、優しく語りかける。
「しばらく公演が続くので、次はいつになるか分かりません……それまで、いい子で待っていて下さいね」
「っ、また! 私、もう大学生なんですよ。……公演が終わったら、また会ってくれますか?」
寂しそうな表情を見せる美姫に耐えられず、背を向けた。
これ以上、言わないで下さい。貴女に何をするか自分でも分からない……
「秀一さん、私…っ!!!」
いけないっ……
美姫の思い詰めた口調を振り払うように、言葉を重ねる。
「急ぎますので…」
扉に手を掛け、美姫の家を出た。
危ないところでしたね……
最近はお互いの想いが昂まりすぎて、溢れてしまいそうになっていた。今まで以上に美姫を避けて過ごすようになっている自分に、憤りを感じる。
「っく……早く、大人になって下さい、美姫……」
美姫が20歳になるまでの辛抱だ。彼女が20歳になった暁には私の想いを告げる。
私たちの運命はそこで決まる……
家に戻り、ピアノの演奏会で弾く曲目を一通りこなし、そこで大切なリストがないことに気づく。
どうやら、美姫の家に置き忘れてきたようですね……
明日は朝早くに演奏会に出発せねばならず、今すぐ取りに行かなければならない。壁のクリスタルの掛け時計を見ると、もう真夜中を過ぎていた。
仕方ないですね……鍵はあるのだし、そっと取りに行くことにしましょう。
鍵を手に取り、薄手のジャケットを羽織ると、車で美姫の家へと向かった。
美姫の家に辿り着くと、家の灯りは全て消えていた。
やはり、寝ていましたか……
物音をたてないようにそっと鍵を回し、扉を開け、素早くセキュリティコードを押す。一階の応接間に置いてある書類を見つけ、そのまま玄関へと向かおうとして足を止めた。
しばらく会うことが叶わなくなるのですから、せめて美姫の顔だけでも……
美姫の部屋がある二階へとそっと足を忍ばせる。廊下の一番奥、美姫の部屋の扉は僅かに開いていた。
静かに近づくと、「秀一、さん……」美姫の切ない声が微かに聞こえる。
え……
目を見開き、慎重に更に足を進める。
「んふぅっ……しゅう、い…ち…さんっハァッ、ハァッ……」
ほんの一瞬だけ、開いた扉から覗き見ると……そこには、ベッドの上で薄い夜着を纏った美姫が下半身を開き、秘部へと手を伸ばしている姿があった。
これ、は……!!
グッと胸を掴まれたかのように感じると同時に、激しい欲情が急速に広がっていく。
ここを、離れなくては……
頭では思うのに躰が言うことを聞かず、その場に立ち尽くす。扉の内側からは切なさと甘美の入り混じった美姫の声が漏れ聞こえる。
「ハァッ…ハァッ…秀一…さぁ、んっ。あい…して、います……」
その響きに躰の熱が中心に集まり、耐えきれない程の疼きが穿く。厭らしい水音が急速に速さを増していき、限界が近いことを物語る。
「あっ…あっ…あっ…んんんぅっっっ…秀一、さんんぅっっ!!!」
一際大きく啼いた後、静けさが闇を包んだ。
このまま、ここにいてはいけない……
大きく深呼吸し、なんとか落ち着かせるとそっと美姫の家を後にした。
参りましたね……
車の座席に座って、ふと見下ろすと……布地をグッと押し上げて窮屈そうにしている自身の猛りが見える。
今からでは適当な女を見繕って欲情を吐き出す時間はなさそうですね......明日からの演奏会に響いても拙い。
満たされない欲情を抱えたまま自宅へと戻り、ベッドに身を投げ出す。目の裏には、ほんの僅か覗き見た美姫の淫靡な姿が焼き付いて離れず、耳にはあの、切なく甘美な声が未だに響いて纏わりつくようだった。
思い出すだけで自身の猛りが更に大きくなるのを感じ、自嘲気味に笑う。
「どうやら、収まってくれそうにはないですね…」
暗闇の中、目を閉じ、先ほどの美姫の姿と声を思い起こしながら自身の猛りを取り出し、上下に擦っていく。先端がヌルヌルと湿っているため、手が滑らかに動いていく。
「ハァッ、ハァッ……美姫……」
美姫、貴女を今すぐにでもこの腕に抱きたい……
興奮が頂点に達し、手の動きを早めると猛りがドクドクと脈打ち、躰の中心から熱い欲が吹き出す。
「…クッ…」
いつぶりでしょう、自慰をするなどとは……
その夜、美姫と私は、それぞれの場所で満たされぬ想いを抱えたまま虚しい夜を過ごした。
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