裏切りの魔男

takupon

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異世界漂流編

樹海の家

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――知らない天井だ。
屋内で、ソファに寝かされている。周りを見ると、家具や家の造りは日本のそれとは程遠い。
ここは日本ではないのだろうか?
切り傷などを消毒していたのか上半身の服は脱がされている。他にも大量の傷跡が残っているが、これは昔からだ。
今まで気絶でもしていたのだろうか、記憶があやふやだ。鮮明に覚えているのは最後に現れた、魔女の様な姿をした女性。
きっとコスプレなのだろう。取り敢えず名前が分からない間は魔女と呼ぶことにしよう。
背は自分より上、多分年上なのだろう。顔は美形で、髪の毛が金色だった。
金色の髪の毛なんて日本にはあまりいない。ヤンキーの無理矢理染めたのとは違い過ぎる美しさがあった。
この家は魔女の家なのだろうか?
そもそもさっきの身体を包み込んできた根っこは此処を襲わないのだろうか?
修学旅行で一緒だった奴らは無事なのだろうか?
あらゆる不安が少年の心を掻き乱す。
ソファから出ようとすると、

「眼を覚ましたんですね、安心しました!」

目の前に魔女が現れる。
驚きのあまりソファから転げ落ちそうになる。

「元気になられたようなら、食事はいかがでしょうか?」

相手のペースに流されてしまっている。ここで止めて置かないと、頭のクエスチョンマークが消えない気がする。

「ちょ、ちょっと待って!その前に聞きたいことがいっぱいあるんだ。ここは何処だ?あなたは誰だ?俺と一緒にいた奴らは何処にいった?この家は安全なのか?あなたは付き合っている人、又は結婚していたりするのか?」

最後のは純粋な疑問である。一目惚れしても可笑しくない綺麗な面持ちをした魔女は、こちらの顔を少し凝視してから微笑む。

「落ち着いてください。一つずつ答えていきますね。まず、ここはアステリア国の近くにある樹海の奥深くにある私の隠れ家です」

知らない場所だ。ロシアとかヨーロッパの何処かだろうか?
頭で思考していると、魔女がこちらを見ながら何かを聞きたそうにしている。

「な、何?」

「名前を教えてもらってもよろしいですか?私の名前はディアメルです。【爾今の魔女】と呼ばれています」

頭のクエスチョンマークが増える。

「あー、俺の名前は桜井 彼方さくらい かなただ。彼方って呼ばれてる。てっ!いや、待て待て!お前本物の魔女なのか!?」

「そのことも教えなければいけませんね。ご飯が冷めてしまうので、食べながら話しましょう」

上半身に制服を着用し、リビングらしき所に連れて行かれる。なにやら良い匂いが漂ってくる。

「お口に合うか分かりませんが、どうぞ。召し上がってください」

「あ、あぁ、何から何まですまないな。いただきます」
 
食事の挨拶をするとディアメルが不思議そうな顔をする。

「いただきますとは何ですか?」

彼方は何度目かも分からない驚きに包まれてしまう。
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