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37. 魔法使いの妻 前編
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受験シーズンに突入し、テレビのニュースで共通テストのニュースが流れる中、来年は私の番かと聞き流しながら進路表を記入していた。
もちろん就職ではなく大学進学希望で出してはいるけど、大学受験の総合ガイドをぱらぱらと捲りながら迷いが出ていた。
「透子ちゃん! 早く来て来て! 始まっちゃうよ!」
リビングのソファに座ってテレビを見ながら私に手招きするのは伊勢さん。
そしてその隣に座るのはフローライトさん。長い足を組んでゆったりとくつろいだ様子でテレビを見ている。
私とセラがこの世界に戻って、たった一時間後に二人も戻ってきてしまったのだ――。
✳︎
「フローライトは命を狙われているし、トランスレーン王国で保護すればまた戦争が起きかねない。だから、弟とスマホで連絡を取りつつ、こちらに身を隠すことにしたんだ」
納得のいく説明だったけど、フローライトさんは少し呆れ気味に私に耳打ちした。
「半分は親離れできなくて透子についてきたんだ。まあ、私もだがな」
「え」
伊勢さんに聞こえていたようで、訂正するようにゴホンッと咳をして割り込んで来た。
「違う。未成年だからだ」
「え、でも私来年には成人です」
「まだ高校生だ。セラドナイトと二人きりにするのも危ない」
「セラドナイトだから二人きりでも安心って言ってませんでしたか?」
「それは透子ちゃんが聖配になったのを知る前の話だ」
「私は早く孫を抱きたい」
「フローライトッ!!」
安心してください。孫はまだまだまだ先の話ですから……。
✳︎
――結局、私は伊勢さんとの生活が再開した。
そこにフローライトさんが加わって変化はあったけど。
『次のニュースはエンタメ! 来月開幕の注目の舞台――』
総合ガイドをバンっと閉じて、ダイニングからリビングのソファへと急いで移動した。
三人で親子のように横並びで座り、CMが終わるのを今か今かと待った。
映像が切り替わり、舞台稽古の模様が流れはじめれば、主役の後ろにセラが写り込んだのを見逃さなかった。
すぐにスマホをポケットから取り出してセラにLIKEを打つ。
セラはほぼ一日中稽古や仕事をしており、魔法で会話なんて出来なくなったのを機に、あっちからLIKEで友達申請してくれて、スマホでもやり取り出来るようになった。
『ニュースで稽古の模様見たよ。セラは殺陣の姿が誰よりも綺麗だった』
珍しくすぐに既読になった。
『そんなに褒めないで。調子に乗るから』
『本当のことだから。来月楽しみにしてる』
『磯部さんに伝えてあるから、終演後必ず楽屋に寄って』
『うん。伊勢さんとフローライトさんと三人で必ず行く』
最後にセラからハートを飛ばすクマのスタンプが送られてきて、私も送り返してこの日のやり取りは終わった。
異世界から戻ってきたあと、セラは寮生活に戻り、芸能コースのある高校へ転校した。だから、クリスマスとお正月を一緒に過ごしただけで、あとはずっとこのLIKEのやり取りのみを毎日欠かさずしていた。
私が頑張れることは、平凡なことをこつこつ進めること。勉強して、バイトして、友達を大切にして、たまに遊びに行って……小さな変化だけど、人生を豊かにする必要な浪費もするようになった。
あとは……。
フローライトさんの手に重ねられた伊勢さんの左手を見れば、薬指には青白く光る指輪とシルバーの指輪が重ねづけされている。
思わずにんまりとしてしまい、口元を両手で隠した。
「私も幸せになろ」
「ん? 透子ちゃん、何か言った?」
「幸せになった姿を見せて、恩返ししますねって」
伊勢さんは少し泣きそうな顔になったけど、ふんわりと笑ってくれた。
「一番の恩返しだ」
セラの舞台のニュースが終わるとすぐにフローライトさんは立ち上がり、仕事に行く支度を始めた。
もともと女王として国を統治していた人だから、バリバリ外で働く方が性に合っているようで、じっとしていられないと都内にお店を開いてしまった。
どんなお店かというと、その店が必要な人にしか見えないお店で、お客さんの願いにあった薬を魔法で調合して売っているそう。
上から目線で。
なんとも魔法使いらしい摩訶不思議な店である。
ちなみに私はいまだにそのお店を見つけられない。
伊勢さんは一般女性との結婚を公表し、浮いた話が一切なかった俳優の突然の結婚報道に世間を大いに驚かせた。
おかげでマンション周辺に週刊誌の記者の張り込みが増えて困っている。
我が家はちょっとずつ変化している。きっと、いい方向に。
燻っているのは真斗と乃杏。
姿も見せずにセラが転校してかなりショックだったようだ。特に真斗なんて、最後に会話したのがセラからの宣戦布告で終わっていたから、もやもやと不完全燃焼な気持ちを抱えているようだった。
「僕は透子も好きだけど、セラも好きだ。もちろん、乃杏も」
おにぎり屋のイートインで、乃杏にそう愚痴っていた。
「よしっ! じゃあ、もう勝手にセラの推し活しよう! セラの舞台を観に行ってやろう! 掲載された雑誌だって買ってやろう!」
乃杏の提案に真斗は「おーっ!」と言って拳を上げて賛成していた。だから、二人も来月の舞台は観に行くみたい。
冬が終わり、桜の枝に蕾がつきはじめた頃、セラの初めての舞台が開幕した。
私と伊勢さんとフローライトさんは初日に観に行き、終演後には約束通り楽屋に繋がる劇場裏口に向かった。
ベテラン俳優の伊勢櫂が、週刊誌が喉から手が出るほど欲しかった情報である結婚相手を伴って劇場裏に現れ、一時その場は騒然となった。
磯部さんが慌てて迎えに来てくれて、私達を素早くセラの楽屋まで案内してくれた。
楽屋に入ればまだセラは舞台袖から戻って来ておらず、他の若手役者さん達もいる相部屋の楽屋の隅で、セラの戻りを待つことになった。
なんと私は磯部さんと面と向かって会うのがこれが初めてで、磯部さんから少し興味深そうな目で見られていた。
「あの……瀬楽さんの婚約者さんで、いつも瀬楽さんにLIKEを送ってくださっている透子さんですよね?」
「はい。白高下透子といいます」
「白高下?」
磯部さんが私の名字に引っかかった時、丁度セラが楽屋に戻ってきた。
連日の舞台稽古で少し瘦せたようにみえるが、紅潮した頬で元気そうにまっすぐ私に向かって来てくれた。
「透子! 僕の演技どうだった!?」
そんなの答えは決まってる。
「最高だった! もうっ、本当に最高!! それしか言えなくなるくらい最高だった!!
あ、ねえ、体力を消耗してると思うから、差し入れにおにぎりと、野菜たっぷりの豚汁作って持って来たからね」
そう言いながら私は手に持っていた紙袋から次々とタッパーを取り出してメイク台の上に並べていく。
「豚肉はタンパク質摂取と疲労回復が出来るから、運動後は最強の栄養食だからね。あと、明日は夜の公演前にオーディションもあるんでしょ? だったら、今夜は稽古や練習をするよりも早く寝て、肌のコンディション上げて、頭もスッキリさせてね」
「うん。そうするよ」
ふわふわと笑っているセラの両頬をガシッと手で挟み、まるでこれからリングの上に立つボクサーに声を掛けるコーチのように喝を入れた。
「真面目に聞いて。オーディション合格が掛かってるんだから。セラの魅力を百パーセント伝えたいの。私が」
少し小うるさい娘が目立ちすぎていたようで、磯部さんが恐縮そうに私に声を掛けてきた。
「お話中すいません……」
「すいません! 磯部さんがいるのに出過ぎました!!」
直角に腰を曲げて謝ると、磯部さんは笑いながら私に姿勢を戻すようにジェスチャーした。
「いえ、そうではなくて、白高下さんとお話したいとおっしゃっている方がおりまして……」
「セラじゃなく、私とですか?」
磯部さんの背後には、芸能人や海外セレブの着る一見シンプルに見えて実は物凄くお値段がしそうなカジュアル服を着た、壮齢のおじ様がにこにこと笑顔を見せて立っていた。
「ちょっとお話いいかな? 伊勢櫂さんに聞いたんだけど、君、白高下透吾君の娘さんなんだって?」
「あ……はい。父をご存じなんですか?」
私達の会話に磯部さんが一番驚いた反応をして興奮していた。
壮齢のおじ様がポケットから名刺ケースを取り出し、私に名刺を差し出すと、そこには有名アーティストを沢山抱える音楽系の大手事務所『コンチェルト』の名前が書かれ、肩書に代表取締役社長とあった。
「白高下さんのことは、この業界に長くいる人間なら知っている人は多い。さっきの君の様子を見ていたら、透吾君の奥さんを思い出したんだよ」
「私の母の方ですか?」
「ああ。ちょっとした有名人で、魔法使いの妻って呼ばれていたんだ」
もちろん就職ではなく大学進学希望で出してはいるけど、大学受験の総合ガイドをぱらぱらと捲りながら迷いが出ていた。
「透子ちゃん! 早く来て来て! 始まっちゃうよ!」
リビングのソファに座ってテレビを見ながら私に手招きするのは伊勢さん。
そしてその隣に座るのはフローライトさん。長い足を組んでゆったりとくつろいだ様子でテレビを見ている。
私とセラがこの世界に戻って、たった一時間後に二人も戻ってきてしまったのだ――。
✳︎
「フローライトは命を狙われているし、トランスレーン王国で保護すればまた戦争が起きかねない。だから、弟とスマホで連絡を取りつつ、こちらに身を隠すことにしたんだ」
納得のいく説明だったけど、フローライトさんは少し呆れ気味に私に耳打ちした。
「半分は親離れできなくて透子についてきたんだ。まあ、私もだがな」
「え」
伊勢さんに聞こえていたようで、訂正するようにゴホンッと咳をして割り込んで来た。
「違う。未成年だからだ」
「え、でも私来年には成人です」
「まだ高校生だ。セラドナイトと二人きりにするのも危ない」
「セラドナイトだから二人きりでも安心って言ってませんでしたか?」
「それは透子ちゃんが聖配になったのを知る前の話だ」
「私は早く孫を抱きたい」
「フローライトッ!!」
安心してください。孫はまだまだまだ先の話ですから……。
✳︎
――結局、私は伊勢さんとの生活が再開した。
そこにフローライトさんが加わって変化はあったけど。
『次のニュースはエンタメ! 来月開幕の注目の舞台――』
総合ガイドをバンっと閉じて、ダイニングからリビングのソファへと急いで移動した。
三人で親子のように横並びで座り、CMが終わるのを今か今かと待った。
映像が切り替わり、舞台稽古の模様が流れはじめれば、主役の後ろにセラが写り込んだのを見逃さなかった。
すぐにスマホをポケットから取り出してセラにLIKEを打つ。
セラはほぼ一日中稽古や仕事をしており、魔法で会話なんて出来なくなったのを機に、あっちからLIKEで友達申請してくれて、スマホでもやり取り出来るようになった。
『ニュースで稽古の模様見たよ。セラは殺陣の姿が誰よりも綺麗だった』
珍しくすぐに既読になった。
『そんなに褒めないで。調子に乗るから』
『本当のことだから。来月楽しみにしてる』
『磯部さんに伝えてあるから、終演後必ず楽屋に寄って』
『うん。伊勢さんとフローライトさんと三人で必ず行く』
最後にセラからハートを飛ばすクマのスタンプが送られてきて、私も送り返してこの日のやり取りは終わった。
異世界から戻ってきたあと、セラは寮生活に戻り、芸能コースのある高校へ転校した。だから、クリスマスとお正月を一緒に過ごしただけで、あとはずっとこのLIKEのやり取りのみを毎日欠かさずしていた。
私が頑張れることは、平凡なことをこつこつ進めること。勉強して、バイトして、友達を大切にして、たまに遊びに行って……小さな変化だけど、人生を豊かにする必要な浪費もするようになった。
あとは……。
フローライトさんの手に重ねられた伊勢さんの左手を見れば、薬指には青白く光る指輪とシルバーの指輪が重ねづけされている。
思わずにんまりとしてしまい、口元を両手で隠した。
「私も幸せになろ」
「ん? 透子ちゃん、何か言った?」
「幸せになった姿を見せて、恩返ししますねって」
伊勢さんは少し泣きそうな顔になったけど、ふんわりと笑ってくれた。
「一番の恩返しだ」
セラの舞台のニュースが終わるとすぐにフローライトさんは立ち上がり、仕事に行く支度を始めた。
もともと女王として国を統治していた人だから、バリバリ外で働く方が性に合っているようで、じっとしていられないと都内にお店を開いてしまった。
どんなお店かというと、その店が必要な人にしか見えないお店で、お客さんの願いにあった薬を魔法で調合して売っているそう。
上から目線で。
なんとも魔法使いらしい摩訶不思議な店である。
ちなみに私はいまだにそのお店を見つけられない。
伊勢さんは一般女性との結婚を公表し、浮いた話が一切なかった俳優の突然の結婚報道に世間を大いに驚かせた。
おかげでマンション周辺に週刊誌の記者の張り込みが増えて困っている。
我が家はちょっとずつ変化している。きっと、いい方向に。
燻っているのは真斗と乃杏。
姿も見せずにセラが転校してかなりショックだったようだ。特に真斗なんて、最後に会話したのがセラからの宣戦布告で終わっていたから、もやもやと不完全燃焼な気持ちを抱えているようだった。
「僕は透子も好きだけど、セラも好きだ。もちろん、乃杏も」
おにぎり屋のイートインで、乃杏にそう愚痴っていた。
「よしっ! じゃあ、もう勝手にセラの推し活しよう! セラの舞台を観に行ってやろう! 掲載された雑誌だって買ってやろう!」
乃杏の提案に真斗は「おーっ!」と言って拳を上げて賛成していた。だから、二人も来月の舞台は観に行くみたい。
冬が終わり、桜の枝に蕾がつきはじめた頃、セラの初めての舞台が開幕した。
私と伊勢さんとフローライトさんは初日に観に行き、終演後には約束通り楽屋に繋がる劇場裏口に向かった。
ベテラン俳優の伊勢櫂が、週刊誌が喉から手が出るほど欲しかった情報である結婚相手を伴って劇場裏に現れ、一時その場は騒然となった。
磯部さんが慌てて迎えに来てくれて、私達を素早くセラの楽屋まで案内してくれた。
楽屋に入ればまだセラは舞台袖から戻って来ておらず、他の若手役者さん達もいる相部屋の楽屋の隅で、セラの戻りを待つことになった。
なんと私は磯部さんと面と向かって会うのがこれが初めてで、磯部さんから少し興味深そうな目で見られていた。
「あの……瀬楽さんの婚約者さんで、いつも瀬楽さんにLIKEを送ってくださっている透子さんですよね?」
「はい。白高下透子といいます」
「白高下?」
磯部さんが私の名字に引っかかった時、丁度セラが楽屋に戻ってきた。
連日の舞台稽古で少し瘦せたようにみえるが、紅潮した頬で元気そうにまっすぐ私に向かって来てくれた。
「透子! 僕の演技どうだった!?」
そんなの答えは決まってる。
「最高だった! もうっ、本当に最高!! それしか言えなくなるくらい最高だった!!
あ、ねえ、体力を消耗してると思うから、差し入れにおにぎりと、野菜たっぷりの豚汁作って持って来たからね」
そう言いながら私は手に持っていた紙袋から次々とタッパーを取り出してメイク台の上に並べていく。
「豚肉はタンパク質摂取と疲労回復が出来るから、運動後は最強の栄養食だからね。あと、明日は夜の公演前にオーディションもあるんでしょ? だったら、今夜は稽古や練習をするよりも早く寝て、肌のコンディション上げて、頭もスッキリさせてね」
「うん。そうするよ」
ふわふわと笑っているセラの両頬をガシッと手で挟み、まるでこれからリングの上に立つボクサーに声を掛けるコーチのように喝を入れた。
「真面目に聞いて。オーディション合格が掛かってるんだから。セラの魅力を百パーセント伝えたいの。私が」
少し小うるさい娘が目立ちすぎていたようで、磯部さんが恐縮そうに私に声を掛けてきた。
「お話中すいません……」
「すいません! 磯部さんがいるのに出過ぎました!!」
直角に腰を曲げて謝ると、磯部さんは笑いながら私に姿勢を戻すようにジェスチャーした。
「いえ、そうではなくて、白高下さんとお話したいとおっしゃっている方がおりまして……」
「セラじゃなく、私とですか?」
磯部さんの背後には、芸能人や海外セレブの着る一見シンプルに見えて実は物凄くお値段がしそうなカジュアル服を着た、壮齢のおじ様がにこにこと笑顔を見せて立っていた。
「ちょっとお話いいかな? 伊勢櫂さんに聞いたんだけど、君、白高下透吾君の娘さんなんだって?」
「あ……はい。父をご存じなんですか?」
私達の会話に磯部さんが一番驚いた反応をして興奮していた。
壮齢のおじ様がポケットから名刺ケースを取り出し、私に名刺を差し出すと、そこには有名アーティストを沢山抱える音楽系の大手事務所『コンチェルト』の名前が書かれ、肩書に代表取締役社長とあった。
「白高下さんのことは、この業界に長くいる人間なら知っている人は多い。さっきの君の様子を見ていたら、透吾君の奥さんを思い出したんだよ」
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