71 / 74
★お兄さん達の本音(*BL要素アリマス。注意要*)
8-9
しおりを挟む本当にこんなヤツでいいのか、浩峨さん?
だけど、心の中で問い掛けた壱葉は知る由も無かった。
この小生意気な性悪が、好きな人の腕の中ではどんなに素直で可愛くなるかだなんて。
……知っているのはそう、美花が想うだけで頬を染める、ただ一人の男だけだった。
◆◆◆◆◆◆
「可愛いなぁ 」「すっげ、可愛い 」
自分のものと重なった声に、リビングのソファーで座る兄と弟は顔を見合わせる。
暫くお互いに考え込むように黙っていたが、先に口を開いたのは弟の方だった。
「……ご婚約の報告、わざわざありがとうございます」
「いえいえ、こっちもね 」
わざとらしく頭を下げた浩輔に合わせて、浩峨もにっこりと笑う。
「コウちゃんには世話になったし、真っ先に報告しなきゃと思ってたんだけど、休みの都合がなかなかつかなくて来んの遅くなっちゃった。ごめんね? 」
「そんなのは、まぁいいんだけど…… 」
浩輔が高く組んだ足に肘を付く。
硝子の奥、まっすぐに見詰めてくる瞳に濁りはない。
「……で、本気? 」
「それって、どういう意味? 」
「賢い《お兄様》なら、俺が言わなくたって分かってんだろう?
あの時、うちの親族は殆ど集まってた。あのことはきっと、あの場に来れなかった人の耳にもすぐその日のうちに入っただろう。いくら箝口令が敷かれたとはいえ、身内で知らない者は居ないってことだ。
……兄貴は、祖父さん達にどう説明する気だよ 」
「んー、やっぱり今回こそ勘当確定かな 」
まるで何でもないことのように言う浩峨に、弟はあからさまに顔を顰める。
「何でそんなに面倒臭いことしようとすんだよ。俺にはサッパリ分かんないね。もう少し時を待つとかタイミングだってあるだろう? 何も、まだ皆の記憶が鮮明な今…… 」
「今じゃなきゃ、駄目なんだよ。少しでも早く、あの子を呪縛から解き放ってやりたいんだ 」
調べたのは、浩輔だ。
あの調査書を見れば、嫌でも気付いた筈だろうから詳しいことは言う気は無い。
美花は夜は一人では眠れない。
今までも眠りはずっと浅かったらしい。
市之宮の暴力と、男の欲に晒されてきた記憶が消えないからだ。
浩峨のことも心の奥、真実には信じては居ないように思う。
普段の日はいい。 だが夜勤で帰ってきた時、「お帰りなさい 」ではなく「ありがとう 」と言うようになったのは、心を通じ合わせたあの日以降だったろうか。
帰って来てくれてありがとう……と。
夜は怖いと、側に居てと、縋るように腕の中で眠る。
愛情を欲しがって拙く誘ってくるのも、愛しい反面切なくて堪らなかった。
身体の傷は癒えても、心の傷はまだ癒えてはいない。
あれから何日か経ったあと、仕事帰りにマンションを窺っている市之宮を見つけた。
夜も遅いのに、ずっと窓を見上げている。
『良いこと、教えてあげようか? 』
こちらを見つけて逃げようとしたのを呼び止めてそう言うと、市之宮は大人しく立ち止まってこちらを見た。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる