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「いつもご苦労さんです」
「あのー落とし物なんですが………」
「お巡りさんおはよ~!」
「道がわからんのじゃが………」
今日も色んな声が聞こえる
元気な声、困った声、少し自信なさげな声
いつもと変わらない平穏な日常に飽き飽きしながら、今日も小さな交番に立っている
俺、紗倉 竜はしがない警察官だ
高校を卒業してお金が必要だった俺は、すぐに国家公務員試験を受けて、警察官になった
今年で6年目を迎えるが、出世することなく、ずっとこの交番にいる
初めてここに来た時、俺を指導してくれた人はもう居ない
一緒に入った同期も
俺だけが取り残されている
「あぁめんどくせーなぁ」
文句をいいながら、自分の席に着く
そして机の上に積まれた書類を片付け始めた
コーヒーを片手に拾得届やら報告書やらを分類していると、隣の席から今年新たに入ってきた、西条 涼の声がした
「せんぱーい、今日の新聞読みましたぁ?」
「新聞?興味ないから見てねーよ」
「えー先輩もっと興味持ちましょうよぉ~今大変なんですよー!連続殺人事件ですよ!」
「連続殺人事件?何だよそれは」
そう言いながら俺は西条が熱心に見ている新聞を後ろから覗き込んだ
「同一犯か?」
○月×日の早朝、株式会社谷川食品の谷川 樹社長が都内の自宅マンションで死亡しているのが発見された。警察の調べによると、谷川社長は左胸から右の脇腹までナイフのようなもので斬られており、手にはアザミの花束が握られていたという。この事件の7日前、会社員の東 修司さんが同様の手口で殺害されているのが見つかったことから警察はこの2つの事件は同一犯による犯行だと見ている。
「先輩、僕この事件についてテレビでも見たんですけど、谷川さんと東さん、友人同士らしいっすよ。絶対何かありますよね……」
「何かあったとしても俺たちにはかんけーねーだろ…いいから仕事戻れ」
「なーに言ってんすか先輩!僕達警察ですよ!犯人捕まえなくていいんすか?」
「ばーか。そういうのは俺たちみたいな下っ端の仕事じゃねーよ。もういいから早く書類片付けろ」
「ちぇっ…やっと面白い仕事できると思ったのにぃぃ」
ぶつぶつ文句を言いながら西条が新聞を片付ける
竜は席に戻りながらこの事件について考えていた
「アザミか…確か花言葉は…」
しばらく考え込んだ後、竜も仕事に戻った
「あのー落とし物なんですが………」
「お巡りさんおはよ~!」
「道がわからんのじゃが………」
今日も色んな声が聞こえる
元気な声、困った声、少し自信なさげな声
いつもと変わらない平穏な日常に飽き飽きしながら、今日も小さな交番に立っている
俺、紗倉 竜はしがない警察官だ
高校を卒業してお金が必要だった俺は、すぐに国家公務員試験を受けて、警察官になった
今年で6年目を迎えるが、出世することなく、ずっとこの交番にいる
初めてここに来た時、俺を指導してくれた人はもう居ない
一緒に入った同期も
俺だけが取り残されている
「あぁめんどくせーなぁ」
文句をいいながら、自分の席に着く
そして机の上に積まれた書類を片付け始めた
コーヒーを片手に拾得届やら報告書やらを分類していると、隣の席から今年新たに入ってきた、西条 涼の声がした
「せんぱーい、今日の新聞読みましたぁ?」
「新聞?興味ないから見てねーよ」
「えー先輩もっと興味持ちましょうよぉ~今大変なんですよー!連続殺人事件ですよ!」
「連続殺人事件?何だよそれは」
そう言いながら俺は西条が熱心に見ている新聞を後ろから覗き込んだ
「同一犯か?」
○月×日の早朝、株式会社谷川食品の谷川 樹社長が都内の自宅マンションで死亡しているのが発見された。警察の調べによると、谷川社長は左胸から右の脇腹までナイフのようなもので斬られており、手にはアザミの花束が握られていたという。この事件の7日前、会社員の東 修司さんが同様の手口で殺害されているのが見つかったことから警察はこの2つの事件は同一犯による犯行だと見ている。
「先輩、僕この事件についてテレビでも見たんですけど、谷川さんと東さん、友人同士らしいっすよ。絶対何かありますよね……」
「何かあったとしても俺たちにはかんけーねーだろ…いいから仕事戻れ」
「なーに言ってんすか先輩!僕達警察ですよ!犯人捕まえなくていいんすか?」
「ばーか。そういうのは俺たちみたいな下っ端の仕事じゃねーよ。もういいから早く書類片付けろ」
「ちぇっ…やっと面白い仕事できると思ったのにぃぃ」
ぶつぶつ文句を言いながら西条が新聞を片付ける
竜は席に戻りながらこの事件について考えていた
「アザミか…確か花言葉は…」
しばらく考え込んだ後、竜も仕事に戻った
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