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プロローグ 全てを変える夜
2 開示される計画
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「うふふっ。私の計画に貴方は嵌められたのよ。これはなし崩しなんかじゃない、狙って作られた展開ってこと。本当にありがとう、アルディス。貴方のお陰よ」
シルファは刺激に敏感になった身体を震わせながら、ベッドの傍に落とされた自分の服を拾っていった。
ビクビクと震える体はアルディスに初めてを捧げたのに、随分と快楽に弱くなってしまったらしい。それは、普通の貴族令嬢なら恥ずかしくも、相手が夫のみであるなら妻としての可愛げにでもなるのであろうがシルファはただその身で生きる騎士であった。騎士であるがために捨てたいものを今更欲しがるのは道理では無いと恥ずかしさを押し込める。
そして、彼女は堪らず零した小さな溜息と共に計画を詳らかにしていった。
「私はね、貴族令嬢として爵位に釣り合わない父より上の歳の悪徳商人なんかと結婚なんてしたくなかったの。領民のためじゃなく父たちの金のためにすることも嫌だった。……アルディスには損な役回りをさせてしまったけれど、親には酒に酔って前後不覚の時にたまたま会った相手に体を奪われていたと言うだけ。貴方のことなど彼らに一言も漏らさないし、外から調べるにしてまあの人達は頭が悪いから上手く隠せるはずだわ。それに、その相手になってる商人は処女性を気にしていたから相手も探らず私を切り捨てるはず。だから、貴方は、何も気にしないでも大丈夫」
「お前、今までそんなこと考えて……」
「そうね。あんなに私が弱々しく喘いでるのを楽しそうにしてたのに、快楽以外の面倒を押し付けてごめんなさい」
「……っ、そこじゃないだろ!」
アルディスは耳が割れそうなほど強く壁に手を叩きつけた。
強く反発されるまで怒られると思っていなかった、シルファは彼の激情を表したような行動に肩を竦ませる。
シルファは刺激に敏感になった身体を震わせながら、ベッドの傍に落とされた自分の服を拾っていった。
ビクビクと震える体はアルディスに初めてを捧げたのに、随分と快楽に弱くなってしまったらしい。それは、普通の貴族令嬢なら恥ずかしくも、相手が夫のみであるなら妻としての可愛げにでもなるのであろうがシルファはただその身で生きる騎士であった。騎士であるがために捨てたいものを今更欲しがるのは道理では無いと恥ずかしさを押し込める。
そして、彼女は堪らず零した小さな溜息と共に計画を詳らかにしていった。
「私はね、貴族令嬢として爵位に釣り合わない父より上の歳の悪徳商人なんかと結婚なんてしたくなかったの。領民のためじゃなく父たちの金のためにすることも嫌だった。……アルディスには損な役回りをさせてしまったけれど、親には酒に酔って前後不覚の時にたまたま会った相手に体を奪われていたと言うだけ。貴方のことなど彼らに一言も漏らさないし、外から調べるにしてまあの人達は頭が悪いから上手く隠せるはずだわ。それに、その相手になってる商人は処女性を気にしていたから相手も探らず私を切り捨てるはず。だから、貴方は、何も気にしないでも大丈夫」
「お前、今までそんなこと考えて……」
「そうね。あんなに私が弱々しく喘いでるのを楽しそうにしてたのに、快楽以外の面倒を押し付けてごめんなさい」
「……っ、そこじゃないだろ!」
アルディスは耳が割れそうなほど強く壁に手を叩きつけた。
強く反発されるまで怒られると思っていなかった、シルファは彼の激情を表したような行動に肩を竦ませる。
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